CHANT(チャント) 北海道コンサドーレ札幌

北の大地が生んだ偉大なフットボーラー 4/4

2014/04/10 20:48配信

ミノル・スアレス

カテゴリ:コラム

劣勢の状況下であろうと、山瀬が平常心を失うことはない。

山瀬にはもう1つ大きな長所がある。それは極めてクレバーであるという点だ。山瀬は、ゴール数が示すとおり、ミッドフィルダーとしては比較的高い決定力を持ったプレーヤーだ。特にバイタルエリア付近からのシュート精度はきわめて高い。これは、彼が一定以上のキック技術を持っていることを示しているが、彼と同等かそれ以上の技術を持ったプレーヤーはJリーグだけでも数多くいるであろう。

ただし、いくら技術があったとしても、それを試合で発揮できるとは限らない。非常にプレッシャーのかかるシュートシーンであれば、なおさらだ。しかし、劣勢の状況下であろうと、試合終盤であろうとも、山瀬は平常心を失うことがない。練習と変わらない気持ちでシュートを打っているのではないだろうか。裏を返せば、山瀬は練習にも常に試合さながらの気持ち望んでいるのであろう。この点が、山瀬よりも高い技術を持つプレーヤーとの差になったと私は考えている。

山瀬のように謙虚さが伝播する選手も珍しいのではないだろうか。

そのプレースタイルの希少性とメンタリティが違いを生んだとはいえ、山瀬が築いた偉大なキャリアは、例に漏れず努力の賜物に他ならないだろう。若かりし頃の山瀬は、見る度に成長していると感じさせたものだ。私は過去に山瀬の高校時代について、次のようなエピソードを聞いたことがある。

「味方の反応が遅れて山瀬のパスが通らなかった時も、山瀬はそれを自分のミスだと捉え、味方に謝罪していた。山瀬はチームでNo.1のプレーヤーだったが、常に謙虚だった。」

実際に目撃したわけではないので、真偽のほどは定かではないが、彼のように実力がありながら、その謙虚さが伝播する選手も珍しいのではないだろうか。余談であるが、彼には3歳下の実弟、幸宏がいる。彼は若い頃から、兄を遥かに凌ぐフットボールセンスを持っていると言われていた。しかし、彼は兄よりも才能に恵まれながら、兄ほど努力家ではなかったらしい。彼のような才能ある選手が、それに見合うキャリアを築けなかったことは、大変残念なことである。

キャリアの最後を札幌で過ごして欲しいと思うのは私だけであろうか。

最近では、「10年前に忘れ物をした。」といって当日まで奥さんに秘密にして結婚式を挙げ、世間から絶賛された山瀬であるが、彼はフットボーラーとしてだけでなく、人間としても非常に魅力的なのであろう。そんな山瀬も今年で33歳になる。恐らく、フットボーラーとして残された時間は多くないだろう。今は京都サンガに籍をおいており、今シーズンからキャプテンを務めることになったようであるが、キャリアの最後を札幌で過ごし、その後もクラブに携わり続けて欲しい、そう思うのは私だけであろうか。

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