CHANT(チャント) 松本山雅FC

【松本山雅】 共に戦う人たちがいるからこそ強く在れる―。松本山雅にはアルウィンが在るという武器 【J2】

2016/07/12 12:04配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


響く、揺れるホームスタジアム。

深緑が360度に渡って染まるその光景と、愛情溢れ伝えるサポーターの姿。
そこには、footballの「楽しい」が詰まっていると伝わってくる―。

画面越しに見ていても強力に感じるホーム力。
このチームの持つ力が特殊なものだということはもうJリーグにとってひとつの「形」として定着し、多くのチームがその形を理想として掲げ目指している。

戦うステージも対戦相手のネームバリューも関係なく、松本山雅と共に闘う人たちで埋まるスタジアム。
小さな子供からお年寄りまでたくさんの人々が手を叩き、声を出し、マオルマフラーを回す。


J2はシーズン折り返しとなった後期スタートをホームでツエーゲン金沢を迎え戦い、4-2で勝利。
またひとつアルウィンでの伝説の試合が増えたといって良い劇的な勝利で、2位に浮上した。

●2点追いつかれ試合終了間際に2得点で勝利した最高の歓喜


リーグ後期スタートとなった22節、ツエーゲン金沢をホームに迎えた松本山雅。

前半を0-0で折り返し、後半が始まると工藤のゴールで先制。その後立て続けに高崎が決めて2-0とし松本山雅が勝利に向かうと思われた。
しかし金沢は選手交代によりそれまでの流れを変えると2点を返し、後半34分には2-2とし試合を振り出しに戻した。

刻々と迫る90分。
それでも松本山雅ならば、なにかを起こす。アルウィンならチカラを引き出せる。
そういった期待という言葉以上の信念を感じるほどに、戦う選手たちだけでなく多くのサポーターが揺らすホーム力が最後の最後までを闘う。

そして本当に起こしてしまうのだ―。
思い描くような光景を。

言葉にするのが難しいほどに、松本山雅の総力が詰まったホーム力によってその瞬間が訪れる。
松本山雅が引き起こすfootballが拡がる。

時計が90分を指す直前、アルウィンが揺れる再びリードを奪う3点目が決まると、
その後はその1点をなんとしても守りたい時間となるアディショナルタイムにさらに追加点を決め、4点目。
4-2。
これが今の松本山雅のチーム力を象徴する90分の終わり方だというように、試合を最高の歓喜で締めくくった。

山雅劇場ともいわれるこの現象だが、反町監督が試合後に「劇場にならなくてもいい」と話したように実際には2点リードから追いつかれる形となったことは決して褒められる結果ではない。
しかし、その結果を踏まえ劇的勝利に浮かれることなく指揮官がすぐに課題として口にし、次を見つめることで再び今できる準備をしっかりと行い、ひとつひとつの試合に向けて前を向き戦うことができているのかもしれない。

劇的な勝利とはこのことを言うのだというほどの歓びが最高潮に達する勝利。
2-0から2-2に追いつかれてもチームとして下を向くことなくひとつまたギアを上げることができるのは、この日も13000人以上が詰めかけていたホームスタジアムが創る空気があるからであり、チームにとって聖地であるアルウィンの持つ最大の力であろう。
松本山雅の大切であり最大の「戦力」であるのは、12番目の選手たちであるのは揺るぎない事実だ。

ホーム5連勝。
言葉にするならば「圧巻」が似合うホームで強い、松本山雅は健在だ。


●100%以上を引き出す 12番目の戦士たち

J1から1年で降格となってしまった松本山雅だが、
その挑戦は決して無駄なものではなく、これから大きくなるために必要となる貴重な経験だった。

松本山雅にとってはじめてのJ1への挑戦となった昨シーズン。
目の前に立ちはだかった壁の大きさを痛感することが多かったものの7つ重ねた勝利は人々に大きな勇気を与え、すべての試合の経験はここから大きくなるために必要な糧となった。

地域リーグからここまで、ステージを上げ続けてきた松本山雅にとって、初めての「降格」という現実。
長いシーズンを戦った中で手ごたえを感じた部分、そして足りない部分、勝っている部分と勝ることができない部分…さまざまなことを感じ吸収したシーズンだったであろう。

J2へと再び戦いの舞台を移した松本山雅だが、降格してからのJ2は今季が初めてのことだった。
J1で思うように勝てない期間が続き、壁を感じ苦しめば苦しむほどに戦う選手たちのダメージは大きく、本来持つ力でさえも出し切れなくなってしまうメンタル的な問題は降格してしまうチームが必ず抱えてしまうものだ。
常に多くのサポーターが全国各地で共に戦い、クラブ一丸でJ1へと挑戦した松本山雅だったが、あと一歩及ばない試合が続き、降格。

J1に昇格したはずが主力選手が他チームへとチャレンジする道を選ぶという厳しい状況があったままJ1を戦うシーズンとなり、J2に降格してしまったことで再びチームを去る選手が出てしまうのは降格してしまったチームの定めのひとつでもある。
そういった厳しい状態を前にチームを再びJ2で戦うチームにしなくてはならないことは、簡単ではない。
J2からJ1へと昇格を果たし1年で降格してしまうチームのほとんどが、ボロボロになった状態でチームを立て直すことに時間がかかるチームが多いことも現実だ。

再びスタートした今季の松本山雅は新チームながら変動のあったオフやJ1での厳しさそのまま尾を引く形で、良い状態とは言い難いスタートだった。
開幕から6戦で勝利したのは1試合。順位も2ケタに落ち込みスタートダッシュという言葉からはかけ離れた。
6節終了時点で首位との勝ち点差は10。長いリーグといえども勝ち点差が10も拡がることは決して良いことではない。

J1を経験し厳しく苦しい場所だったことを痛感してなお、それでもJ1に再び戻りたい。
とたとえ口にしていても、整理が完全についた状態で切り替え再びJ1へ向けて強い気持ちを持って戦うことができるのはほんの一部であることが多い。
しかし松本山雅には、J1の厳しい舞台で長年戦い、競争の世界で過酷な経験を積んできた田中隼磨がいる。
田中隼磨の存在は、チームを何度も奮い立たせ何度も前を向かせてきた。
トップリーグである場所を目指し、戦うことに大きな意味があること。
常に高い位置を目指していくからこそ、輝けること。
苦しい経験をしても、何度でも立ち直ることができること。

存在だけで、大きな影響力を与える選手がいるということはチームにとってとても大きなことだ。

今すぐ再び勝負をしても再び同じ苦しみを味わうだけかもしれない。
再びJ1に上がるときには、もっと大きくなって挑戦しなくてはならない。

苦しい松本山雅を支え続け力を与え続けたのは、サポーターだった。
2ケタ順位となってもアルウィンには1万人を超えるサポーターが深緑に染めた。

そして勝利を得ると、再び松本山雅はサポーターと共に上を目指し結果を掴み始める。

J1から降格しJ1で勝てない日々が続いたことで精神面でダメージを受けるのはサポーターも同じく、だ。
結果が出ない日々を過ごすとどうしてもさまざまな意見が出ることになり、意見の違いや責任を求める声でどこかバラバラになる。
クラブとサポーターが同じ目線で戦えなくなることも起きてしまうが、松本山雅のサポーターは常に同じ目線でチームを支え、戦ってきた。
受けたダメージも厳しい経験も前を向くためにプラスにし、選手たちを鼓舞し続けた。

松本山雅が誇りであると、伝え続けてきた。

その声、想いはチームに溢れんばかりに伝わっていることであろう。
再び松本山雅が強さを持って勝利を掴むようになった理由のひとつは、サポーターが創る・地域が創る、ホーム力があったから。

松本山雅には、アルウィンがある―。
2014年、はじめての昇格を決めた時。
松本山雅が昇格した理由を考えたときに、一番最初に辿り着いた答えだったことを思い出した。

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雷鳥は頂を目指す―。

再びJ1へ挑戦する権利を得るため、松本らしいホーム力を持って強さを魅せる松本山雅から今、目が離せない。
多くの人々が魅了されるのは、松本にプロスポーツチームが松本山雅だけだからという理由だからではない。
常に、驚かされるような思いもよらないような戦いを魅せ、多くの感動と勇気をfootballを 伝え共有してきたことにある。

実際、松本山雅の試合を観ているともう一度見たいと思わせるものがたくさん詰まっている。
多くのサポーターと共に一体感で戦うスタジアムの雰囲気はもちろん、最後まであきらめずに生むゴールや、スーパースターがチームにいなくとも一人一人が最大限を出してチームに貢献する姿
全員で勝ち取った勝利
また観に行きたい。もっと知りたいが詰まっている。
多くの人々がはじける笑顔で歓喜し、共に悔しさを共有し、共に前を向く。

それが、松本山雅なのだと伝わってくるのだ。


チームは2位の位置につけた。
これから平日試合もあり連戦となる週を迎える。
直接対決を迎える首位アウェイ札幌戦があり、夏場を戦うことも含め、ここからが勝ち点1の差が重要になってくる時期となる。

体力的に厳しい夏を迎えるからこそ、ホーム力は100%以上のチカラを生み出す可能性を秘めている。

一体感が生む衝撃は、なにを起こすかわからない。


松本に再び、暑い夏がやってくる―。

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どんな時でも俺たちはここにいる
愛を込めて叫ぶ、山雅が好きだから
これが山雅サポの全て・・・いつまでも応援します。
素晴らしい記事ありがとうございます。

サッカー少年  Good!!27 イエローカード0 2016/07/13|07:51 返信

山雅が日々のパワーの源になっています。
記事を読ませて頂き、わたしの想いが詰まっていて 感動しました!これからも山雅の記事を書いてください。

名無しさん  Good!!22 イエローカード0 2016/07/12|21:28 返信

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