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【モンテディオ山形】 プレーオフ決勝 モンティディオ山形が掴んだ昇格!ジェフ千葉は昇格を逃す 【ジェフ千葉】

2014/12/08 11:00配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


試合の終了を告げるホイッスルが鳴り響く。
勝利の涙で歓びに震えピッチに倒れ込む選手、それとは対照的に敗北という厳しい現実が重くのしかかり立っていることができない選手…。
ピッチ上はその二つの明暗に分かれ、スタジアムにたくさん集まっていた両チームのサポーターの姿にも歓喜と絶望とが存在していた。

J1昇格最後の1枠を決める最後の決戦。
プレーオフ決勝が12月7日、味の素スタジアムで行われ、1-0でモンテディオ山形が勝利し、J1昇格を決めた。

ジェフ千葉はプレーオフが導入された3シーズン前から数えて、3季連続のプレーオフ敗北という厳しい結果となった。

●昇格請負人と新リーダー そしてサポーターの120%

モンテディオ山形は今年、怒涛のように強さをみせたワケでもなく、徐々に徐々にゆっくりと結果を掴み取っていったチームだ。
激しいプレーオフ争いの中に頭角をみせたのは、リーグを終える約1か月前のことだった。
リーグが始まる前に誰が山形の昇格を予想したであろうかというくらいに、意外な存在として感じた人も多かったのではないだろうか。
山形の徐々に勝ち点を重ねてきた軌跡に注目していた人間は少なかったであろう。

しかし、今年のJ2の主役であった湘南ベルマーレの激走や、松本山雅の好調、ギラヴァンツ北九州の昇格ができない中での素晴らしい戦いの裏で、山形は大きな転機を迎えていた。
それは浦和から期限付きで獲得した、GK山岸の存在である。

山岸は長年ビッグクラブ浦和レッズでゴールマウスを守ってきた選手であり、本物のプロ集団といえる日々・緊張感を持った浦和レッズの選手たちの中でもリーダーと呼ばれる位置に役を置き、チームをけん引するほどの存在だった選手だ。
ゴールキーパーという一番後ろの自陣ゴールマウスに立つ選手として、最強といっても良い選手を得たことはとても大きかった。

山岸加入後の山形は、大量失点をした試合もあったものの、平均失点は大きく減少。
ディフェンスラインの統率や経験ある山岸からのコーチングによって、チーム全体が引き締まること、そして新たな戦い方を得た。
さらにはピッチ内外で、プロ中のプロ集団といって良い浦和で過ごした選手ならではの「在り方」も、チームに大きな影響を与えた。

試合を重ねていく内に、山岸のチーム内での信頼は大きく大きくなっていった。
それは昇格請負人と言われている指揮官からも同じだった。

そして山岸はプレーオフ第一戦で、守護神からチームの神という存在へと進化した。
それは試合の最後のワンプレーという時間帯。0-0で迎えたアディショナルタイム。
そのまま引き分けてしまうと順位が上であるジュビロ磐田のプレーオフ決勝が決まってしまうという状況で、ラストプレーとなった山形のコーナーキックのチャンスに
山岸はゴールマウスを離れパワープレーで駆け込み、山形のコーナーキックから放たれたクロスボールに頭で合わせると、ゴールネットを揺らしたのだ。

ゴールキーパーがラスト時間に攻撃に参加することはあり、今までもポストに阻まれたようなもう少し!というシュートは歴史上存在したが、鮮やかに決勝ゴールを決めたのはJリーグ初となった。

新たな歴史で山形をプレーオフ決勝に導いたのは、攻守ともに神となった山岸の存在だった。

全国のサッカーファンが立ち上がるほどの偉業に、モンテディオ山形旋風を示し、プレーオフ決勝への出場権を掴んだ。

プレーオフ決勝でも守備を中心に試合を運び前半にJ1の経験も豊富で山形のエース的存在であるFW山崎のゴールでリードすると
全員守備を中心に試合を進め、3位でリーグを終えプレーオフ出場3度目となるジェフ千葉から勝利を掴み、4年ぶりのJ1昇格を決めた。

プレーオフ決勝という独自の空気感と戦いづらさがある中、そして頼れる存在ディエゴ不在という中でも、山形は集中して試合を運んだ。
いつもの山形らしいサッカーではないかもしれないが、それでもセットプレーから山崎が決めたゴールが大きな一歩となり、それを全員で死守することができた。

モンテディオ山形は1シーズン石崎監督の元、たくさんの選手がさまざまなポジションで出場した。
試合を重ねるごとに力をつけて行った感を 戦う選手たち、そして応援するサポーターも噛みしめて進んだのではないだろうか。

大雪が山形県を襲い、練習場が真っ白になったここ一週間。それでもサポーターが力を合わせて雪かきをしてくれた。
練習する場所は極寒で雪があり、芝の下の土だって堅くなっていたものの、それでもサポーターの雪かきと熱気、期待がそれを乗り越えさせてくれた。
それは雪が降る地域である山形へのマイナスポイントとなるどころか、プラスポイントとしてより一層ひとつになれたのかもしれない。
平日にも関わらずサポーターが雪かきを率先してしてくれる姿をみて、なにも感じない選手なんていないはずだ。
もちろんその魂は監督へも伝わった。
たくさんの人たちの想いを乗せて、戦うことに。


天皇杯決勝への切符も手にしている山形。ガンバ大阪優勢という見方が多い中で、下剋上魂だってなにを起こすかわからない。

プレーオフという場で戦ったこと、そして6位から勝ち取った3枠目は経験となる。
来季のJ1昇格を決めたモンテディオ山形に心からの祝福を送りたい。

(以前山形について書いた記事はこちらからhttp://chantsoccer.com/posts/521)

●3季連続の悪夢。関塚体制で迎えたプレーオフでも勝ち取れず

あの時―。
そう後悔として振り返ってしまうようなシーズンになってしまうのはもうイヤだ…そう思っていたことだろう。
3位という順位でプレーオフへと進んだジェフ千葉にとって、今季は昇格に一番近づいた年だったといって良い。
J1から降格したのが2009年。2010年からJ2で戦い、Jリーグスタートのオリジナル10チームでありながらまだJ2から這い上がることはできていない状況だった。
プレーオフが導入されてから過去2年間涙を流したジェフ千葉にとって、今年こその想いはその涙の分だけ強かったはずだった。

チームは今季決して調子が良いというシーズンではなかった。
鈴木元監督の元、2季目を迎えていたもののチームはリーグ序盤で二ケタ順位に落ちるなど、昇格という目標にはほど遠くチームは体制を変更。
ロンドン五輪で監督として日本を率いた経験もある、日本人監督としては定評のある関塚監督体制へと変更した。

そこから明らかにジェフ千葉のチームとしての変化がみえた。

関塚監督は今の監督には珍しいとされるかもしれないが、古き良きの日本を感じさせるほどに厳しく、選手たちに大きな声で怒鳴ることもみられる監督だ。
監督は普段の選手たちの生活や食事面にも指導をし、ファンからの差し入れにもルールを作った。
アスリートとして最大限やれることはする。それが関塚監督の教えなのだ。

チームはその後、勝利を重ね成績が上昇。その結果、選手たち一人一人のパフォーマンスの質も向上し、最終順位を3位と今までのJ2での戦いで最高順位となる結果を残した。

そして大きかったのは森本の活躍だ。
昨年の夏に加入した森本貴之だったが、なかなか得点をあげられない時期もあった。
しかし、今年は関塚体制の元で得点を重ね、自身初の1シーズン10得点と二けた得点をマーク。
ケンペスと共に23ゴールとFWとしての仕事をしっかりとこなした。
頼れる存在になった森本は試合を重ねるごとにその存在感も増し、チームを率いる存在へと成長した。

天皇杯の準決勝で同カードとなり、敗れた千葉だったが、プレーオフ決勝では優位な3位の位置におり、戦いやすいかと思われたが、決定的な場面で決めることができず、試合もジェフらしさを表現できないまま無情な笛を聞く形となってしまった。
すべてを懸けて準備をし、挑んだプレーオフ決勝だったが、ジェフ千葉は昇格を逃した。


この試合にて、今季の昇格チームが決定した。

湘南ベルマーレ
松本山雅
モンテディオ山形

が昇格を決め、


J1からは

大宮アルディージャ
セレッソ大阪
徳島ヴォルティス

が降格することとなった。


J1のアルビレックス新潟と柏レイソルの試合が悪天候により順延されたため、まだJリーグのすべての日程が終わったわけではないが、今季終了を迎えたクラブが多い。
来季のJ1、J2の出場チームも決まり、これからオフに入るクラブがほとんどということになる。

3回目となったJ2プレーオフはモンテディオ山形が勝ち取った。
J2 6位が3年連続で立ち上がるというプレーオフの結果。
来季、どんな戦いをJ1でするのか。J1経験者である石崎監督の手腕、そして山形のJ1での再挑戦に注目したい。

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山形について、昨年(奥野体制)からの継続性について
コメントがいただければ幸いです。

奥野監督が攻撃的サッカーを実践しようとしていたことは、
山形の従来の方針や予算規模などを考えると大胆な挑戦だった
と思います。結果は、期待していたような勝ち点は積み重ねられず、
奥野監督が2013年までで退任に至りました。

今年の好成績を残せたのは、こうした奥野監督のサッカーが
継続されていたからなのか、あるいは石崎監督が前任者の方法を
刷新したからなのか、に興味があります。

名無しさん  Good!!0 イエローカード0 2014/12/14|18:09 返信

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