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無敗記録ストップの原因は?FC東京の弱点。

2014/10/24 19:13配信

武蔵

カテゴリ:コラム

アギーレジャパン初勝利となったジャマイカ戦と、結果としては無残なものとなったブラジル戦。

日本代表の10月シリーズがインターナショナルAマッチウィークと共に終わり、また各国と同じようにJリーグも再開します。

今度は11月シリーズに向けてリーグ戦は4試合を消化することになります。この4試合を3週間で消化するということで、再開初戦から中3日が続く「過密日程」となります。

来期はこれに増して、アジアカップ、ACL予選、またはスーパーステージやらチャンピォンシップやらの開催により、更なる日程の過密化が予想されていますが、さてどうなることやら・・・。

中断前最後の一戦となった10月5日のJ1第27節のトピックといえば、上位対決である鹿島-G大阪の素晴らしい試合、残留争い直接対決、田んぼの中での泥んこサッカーなどいろいろ挙がることとは思いますが、ここでは仙台がFC東京に勝利し、残留争いの中で価値ある1勝を挙げたと同時に、FC東京のリーグ戦での無敗記録が14で止まったことを取り上げたいと思います。

そこには、これから上位進出を目指すFC東京の弱点が浮き彫りになったことが招いた結果であると言えるのです。

引いた相手を崩せない、風前の灯だった無敗記録

1つ目は読んで字のままこの通りです。人数をかけて守る相手に苦戦するのです。

いわゆる「ボールを持たされている時」です。仙台戦において仙台は、残留争いの最中に身を置くということから、上位にいるFC東京に対して現実的に対処すること、それと、手倉森元監督の路線を継承することで、なんとか今期の残留を果たそうという意図が合致して、442の綺麗なブロックを敷いて待ち受けることを最優先にした戦い方をしてきました。

FC東京は崩しのアイデアがある選手が多くなく、また、フィッカデンティ監督のその方向のアイデアも仕込まれた形跡がないということが表面に出る噛み合わせとなりました。

それを表すように、整った陣形を崩すような動きを見せたのは、両インサイドハーフが共に絡んだ後半20分過ぎの米本が縦パスを入れた場面程度でした。

全体的にも決定機は1つ、多く見積もって2つ。1つは前半のカウンターと言って良いでしょう、太田の素晴らしいクロスから武藤が1対1を仙台GK関に当てたシーンと、後半のセットプレーの場面のみです。

この兆候は、波に乗ったW杯中断明けでいえばアウェイのC大阪戦が最初だったでしょうか、そこに表れていました。

これも残留争いの最中で、ペッツァイオリ監督(当時)就任以降勝利がなかったC大阪が、ペッツァイオリ監督のアイデンティティともいえる433→442の可変ゾーンをある程度捨て、引いて人数をかけて守ってカウンター、という手法をとってきた試合でした。

実際、FC東京の決定機は米本のミドルシュートだけと言って良い内容で、逆にC大阪は攻めあぐねるFC東京に対し、ソリッドなカウンターを見せ、少ないながらも決定機を迎えることが3~4度ありました。

言ってみれば、FC東京はこの時に負け、そして仙台戦で0-0でもおかしくなかったのです。

無敗を続けられたことに関しては、運の要素が大きかったと言えます。

キープレイヤー・河野が効かない時とは

また、仙台戦では4312システムのトップ下に位置する河野の存在感が希薄でした。

河野の存在感を希薄なものにされてしまう試合で、FC東京は良かった試しがありません。

これが弱点の2つ目です。2つ目は「ボールを持たれている時」に関することです。

FC東京は、上述のようにボールを持たされ、相手の整ったブロックを崩すという意味では平凡なチームとなってしまいますが、その逆に、相手にボールを持たせた状態で43のブロックを作り、相手をコントロールする。

良い守備から良い攻撃に転じることが出来ることを結果に結び付けてきました。

その中で存在感を発揮し、無くてはならない存在となっているのが河野です。この点に置ける河野の良いところは、守備で味方を動かせるところです。

それにより前線の3枚が相手のビルドアップの方向を制限し、後ろの43ブロックの待ち構える、チームとして意図した方向へ相手を誘導することができ、それをもってしてゲームをコントロールしています。

しかし、この試合で河野は存在感を発揮することは出来ませんでした。というのも、河野の指揮する前3枚はプレッシングの的を絞らせてもらえませんでした。

それを可能にしたのが、上本の復帰と梁のボランチ起用でしょう。

ビルドアップ時には平気で1~2人飛ばしたパスを出せる上本と、ボランチに置けば余裕を持ってプレー出来る技術を持つ梁がテンポ良くボールを回すことで4312をそのままブロックとして設定するFC東京の前3枚のプレッシングは機能しませんでした。

その証拠に、いつもは前2枚をコントロールし、ビルドアップ時に相手がサイドに入れてきたら、そのボールサイドに入り、数的優位を作るという役割がある河野が、頻繁に前2枚を追い越して、仙台のCB、主に上本に詰めていく(そしていなされる)という場面が頻繁にありました。

明らかにチームとして意図した方向に持って行けていない時に表れる現象で、これでは菱形の中盤のアンカーの前のスペースを使われてしまいます。ここから失点したワケではありませんが、自陣の深い所まで運ばれてしまう場面が多くなり、結果としてゲームをコントロール出来ないという結果を招いてしまいました。

中断明けでいえばホームの神戸戦の苦い記憶が甦ります。あの試合でも神戸の2ボラに河野1人では対処できず、インサイドの前のスペースを、主にシンプリシオ、森岡、高橋峻希に良いようにパスを回されてしまい、およそゲームをコントロール出来た試合ではありませんでした。

FC東京の今後

しかし、これは劇的に改善するものではありません。大規模な中断やプレシーズンの合宿などを経て完成していくものです。いかに長所の部分をより多く出していくかを突き詰める他、当面取り得る手段は無いでしょう。


残留争いで勢いを増す大宮戦は負けてしまったが、広島戦で勝利したFC東京。

明日のG大阪戦は好勝負間違いなしと見ています。

果たしてどうなりますことやら。

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