CHANT(チャント) 日本代表

【日本代表】 初選出選手からみるJ選手たちに与えられた可能性 【アギーレJAPAN】

2014/08/28 23:17配信

CHANT編集部

カテゴリ:ニュース

 


4年後のロシアW杯を目指し、新生日本代表の第一歩となる初の日本代表メンバー発表が行われた。
今回の日本代表はザックJAPANメンバーを基準として選出されると思われたが、海外組以外の顔ぶれはアギーレ色が出ているといって良いほどの驚きの選出となった。

今回、アギーレ監督にこの選手を見てみたいと思わせ、初選出となったのは5名。

サンフレッチェ広島のFW皆川佑介

ヴィッセル神戸のMF森岡亮太

FC東京のFW武藤嘉紀

サガン鳥栖のセンターバック坂井達弥

アルビレックス新潟の右サイドバック松原健

だ。

●広島の新たな武器 長身ポスト皆川佑介

中央大からサンフレッチェ広島に加入した1年目の皆川が出場機会を得たのは中断期間を経てからのこと。
中断期間中、サンフレッチェ広島が行った北海道室蘭キャンプにて皆川は練習試合で結果を出した。
コンサドーレ札幌との練習試合を含む4試合のTMを行い、皆川は一日に4得点を記録することが2回、キャンプでは合計9得点を記録し新しい可能性を示した。
広島に戻ってからもTMでも結果を出しつづけた皆川を森保監督はしっかりと評価していた。

天皇杯にて公式戦デビューし公式戦初ゴールを挙げると、その後JデビューでもJ初ゴールを記録。
サンフレッチェ広島の前線は佐藤寿人という強烈なJを代表するエースストライカーが存在し、さらに石原直樹、高萩洋次郎という高い能力を持ったシャドーを揃えている。
佐藤寿人は身長がない分、身長で競るのではなく動きやボールの受ける場所、ディフェンダーから見えない動きなど経験を多用してゴールを狙うゴールゲッターとしての能力が非常に高い選手だ。
それはまだまだ申し分なく、佐藤寿人のプレーを見ると佐藤寿人の身長であってもゴールを量産できるのはなぜかという疑問を打ち消すような姿を見ることができる。

しかし、広島は新しい皆川という全く別のタイプのカードを手に入れた。
皆川は身体でしっかりと相手ディフェンダーを抑え込むことができ、ディフェンダーの前にポジションを取りボールをたたいて落とすこともでき、さらに自分で高さからでも難しい位置や振り向き際でもゴールを狙う嗅覚も持っている。
競り負けもせず前でボールを収めることのできるポストプレーヤーだ。

皆川はここ最近の試合でついにスタメンにて出場。
ゴールこそなかったものの、広島の最前線として堂々たるプレーをみせていた。

皆川の選出はもしかしたら…と過るものはあったものの、それでもまだ経験が少ないか…と思うところだったが、アギーレ監督は選出した。
まさに積み重ねたものはなく「今」旬な選手を選ぶという手法だ。

本人にとってもとても驚いた選出だったであろう。
数か月前のキャンプの時にはまだ芽がでてきたという選手だった皆川が、中断明けから駆け上がった階段はとても急だったはずだ。

日本代表のポストプレーヤーとして求められるものはなにか。
日本代表常連組の世界を知る選手たちにたくさん刺激をもらい吸収し、また急激な階段を駆け足で上ることに期待したい。

●U21世代からの飛び級 松原健

先日U21アジア大会参加の選出メンバーが発表されたが、その中に松原の名前はなかった。
1チームから1名のみの選出と限りがある中で、アルビレックス新潟からはFW鈴木武蔵が選ばれることとなり、松原は選出から漏れた形となった。
1チーム1名の枠があり、世代別代表でプレーできないという壁は実力云々ではなく規定という壁を相手にするだけに悔しさも大きい。

しかし、まさかの日本代表選出となり、とても驚いたことだろう。
コーチとしての名前には手倉森監督の名前も連なる。アギーレ監督のこの選手が観たいというものに引っかかった若きサイドバック。
今回は右サイドバックの本命である内田篤人が万全ではない状態のため、招集が見送られた。
そこで白矢の矢となったのが松原なのだろう。

同じく右サイドバックで内田に控えているのは代表常連の酒井宏樹。そして新潟の先輩にもあたる酒井高徳も左右サイドバックができるため高レベルな争いのポジションとなることは間違いない。
狭間の世代と言われている世代からの代表選出第一号になるとは本人も思っていなかったのではないだろうか。

世界ではこの世代から代表で活躍する選手もたくさんいるだけに、刺激を力に変えて代表だからこそ経験できることを少しでも多く吸収してしてほしいと願う。

●チーム唯一の技巧派トップ下としての期待 森岡亮太

ついに来た
そんな表現が合っているかもしれない。この選手はいつ日本代表に選ばれてもおかしくない選手だった。
ヴィッセル神戸では若くして背番号10を背負い、これぞ10番!といったプレーをする選手だ。

視野が広く、ボールタッチも柔らかく時にトリッキー。そしてパスセンスがきらりと輝きチャンスをいくつも創りだすことができる。
スルーパスのセンスも鋭く、視野も広い。足元を見るのではなく、上体を起こしてプレーしどこへでも繰り出すパスはセンスに溢れている。
森岡をどこで使いたいかというのがとても興味深く、この選出メンバーを見るとウイングに技巧派を置くようなサッカーをするのでは?とワクワクしてしまう。
日本のサッカースタイルにそのスタイルがフィットするかはわからないが、アルゼンチンでいうメッシ、ポルトガルでいうCロナウドのようなポジションをこなせる選手になれる可能性を十分に秘めている。

日本が生んだ技術者であり、歴史を生むフットボーラーなのではないかと期待できる選手だ。
ついに日本代表で森岡が観れるのだと思うと楽しみだ。

●思い出される大学サッカーでの活躍…今季4試合のみの出場の坂井達弥

サカイタツヤ…この名前を聞いてピンとこなかったことをお許しください。
そのくらいピンとこなかった選手だった。サガン鳥栖というチーム名を見てやっと あ。と思う選手であった。
急いでオンデマンドでプレーを確認したがそれを見て思い出した。鹿屋体育大にいた坂井だということに。

九州の強豪・東福岡でキャプテンを務め、鹿屋体育大に進学した坂井はチームの守備のひとつの壁となり、チームにとって欠かせない存在になった。
鳥栖に特別強化指定選手として呼ばれ試合にも出場、活躍し、入団からA契約で契約できるほどに試合に出場していたことは記憶に新しく、なによりインカレにて初のベスト4入りした鹿屋体育大のを引っ張り、準決勝で早稲田に5失点にて敗れたもののそれでも鹿屋体育大史上一番の良いチームだったのではと感じるほどにチームの雰囲気がよくそれを引っ張っていたのが坂井達弥だったということをフラッシュバックのように思い出した。
ベスト4にて力の違いを突き付けられた形で終わり涙を流す選手もいる中で、一人選手たち全体に顔をあげようと呼びかけ最後は全員笑顔でそのチームで戦えたことに喜びいっぱいだったあの鹿屋の坂井という印象がある。

そうか…あの選手が日本代表になったか…と技術やプレーヤーとしての質の高さとかそういった面ではなく、日本の大学サッカーにみる部活というシーンでの一場面で与えられた残るものをくれた選手が今、日本代表として選出されたのだと思うとなんとも言えない感情がある。

坂井は左利きであり、身体もしっかりとしたディフェンダー。空中戦に強い。泥臭くディフェンスする選手だということはなんとなくわかった。
そして鳥栖から選出されたGK林との連携も良い。同じチームのディフェンダーとキーパーといえども相性は重要であり、相互で信頼し合っていること、そして求めていることの理解度が高いのは重要である。
今季の出場はわずか4。それでも選出されたのはアギーレ監督がVTRでチェックした中で輝くものを見たからであろう。

鳥栖のディフェンダーといえば菊地直哉とキム・ミンヒョクというイメージだったが、坂井という新たな可能性をアギーレ監督は見出したようだ。

●出現したストライカー 武藤嘉紀

FC東京が今好調だが、その原動力のひとつがこの武藤嘉紀の存在だ。
今季20試合に出場、スタメンで出場したのは15試合、得点は7得点であり、アギーレ監督が視察した前節浦和レッズ戦では2得点を記録した。
武藤は成長し続けるプレーヤーであり、どんどんプレースタイルに変化が見られる選手だ。
吸収力があり、自分というのを良い意味で持たずに柔軟にスタイルを変え自分らしさにプラスアルファできる選手なのだ。
一見細そうに見えるものの身体は造られており、強い当たりにも簡単には屈しない。体幹を意識しながらトレーニングを積み向上させているという。

ハードワークができ、一瞬のスピードは相当なものでディフェンダーを置き去りにすることも。
そのスピードにはパワーも加わり簡単には止めることはできない。
こんなところに武藤、こんなところから武藤、という場面は何度観たことだろう。
相手ディフェンダーの前で受け、そのまますり抜けてしまうことも多々あった。
ディフェンダーがついていても、一瞬でグンとスピードを上げ振り切る姿もある。

武藤は日々成長を重ね、どんどん選手として大きくなっているのだ。

そこで今回日本代表に選出されたことで、世界で戦う海外組との練習や実戦を経験することとなり、その後の武藤はどんなことになってしまうのかと期待を重ねた興味がある。
日本では点取り屋というタイプの選手はなかなか生まれずにいるが、武藤は現代の点取り屋になり得る存在だ。
得点力がいつでも要求される日本サッカーにおいて、武藤の力がどのように発揮するか注目したい。

 

積み重ねてきたものがまだない選手たちがアギーレ監督の目にとまったことで選ばれた形となった今回の選出。
これから流動的に気になった選手たちは呼ぶというサインである。

今季4試合しか出場していない選手でも関係なく、まさに全員が0からのスタートであり、1試合であってもひかるものがあったときには選出されるかもしれないという光を示したアギーレ監督。

これはJリーグの選手たちにとってはモチベーションを高くする結果につながるかもしれない。
今年は過去の実績や経験、積み重ねを見ずに、アギーレサッカーに試したい人選をするということになるのかもしれない。

ブラジルで戦った選手でとしては、Jリーグ組では森重真人と西川周作以外は負傷などもあり、選出されず新しい面々となった。

 

 

まずは9月1日から 札幌にてアギーレJAPANは始動する―。

 

 

Good!!(100%) Bad!!(0%)

この記事も読んでみる