CHANT(チャント) 浦和レッズ

【浦和レッズ】 首位を走る理由 昨年のある日 【J1】

2014/08/25 12:36配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム

 

昨年の6月。晴天の北海道。

この時期の北海道は本州よりも気温が高くなることも多く、日差しも強くなるがどこか心地よい。
そんな北海道サッカー日和の空の下、着いた小樽望洋台サッカー・ラグビー場ではいくつものボールの音と笑い声が響いていた。
 
浦和レッズはこの時、北海道キャンプを行っていた。
浦和が北海道キャンプを行うのは2008年以来のこと。
5年ぶりとなる北海道キャンプは夕張キャンプのときと同じくピッチコンディションの不良で予定が変更になるというアクシデントが襲った。

当初、キロロリゾートで行うはずだったキャンプだったが、その年100年ぶりといわれるほどの大雪に見舞われた北海道の中でも、深い雪が残ってしまったキロロの芝の育ちは例年よりも遅く、プロのクラブがキャンプできるような芝状態ではなかった。
急遽変更となり一番近くの練習場を手配したもののそれでも山奥のキロロからバス移動で40分もかかるという悪条件の中でのキャンプとなってしまった。

幸先の悪いキャンプとなってしまったものの、選手たちは皆笑顔と冗談を交えながらリラックスしたムードでアップを行っていた。
 
この時光景を観て感じた、浦和レッズというチームの変化。

私は浦和レッズというクラブの生の現場はしばらく観ていない状態だったものの、そんな私でさえ感じる変化をなんとなくキャッチしていた。
浦和レッズというとビッグクラブであり有名選手を多く抱えているクラブなだけにどこかピリピリしたものを持っているクラブという印象だったが、そこにはアットホームな雰囲気感じるクラブが在った。
 
浦和レッズの2013シーズン中断前までの成績は8勝3分2敗で2位につけていた。
得点の多さでいうとリーグ1。
浦和レッズはこの年ACLも戦っており、残念ながら予選敗退となってしまったもののACLでの戦いで日本のサッカーファンにJリーグの代表として一番面白い試合を魅せたのでは浦和だったであろう。
リーグでもACL組の結果が中断前まではいまひとつの中、浦和だけは力を見せ付ける試合をし続けた。良い状態のまま中断期間に突入し迎えたキャンプだった。

タレント揃いの浦和レッズだが、日本代表選手はこの時一人もいなかった。
信じられないといったメンツがそろうが、日本代表に誰一人呼ばれてはいなかった。
 
テレビ画面を通しても伝わる浦和の選手たちの変化。
それはスター軍団浦和レッズが放っていた 「THE浦和」といった空気感が変わったことだ。

文章を書く人間ながら、そのことを文章で表現できないのが大変申し訳ないが、浦和には特有の浦和オーラがあった。
ヒール役として注目を浴びる人気の魅力に近い、孤高でプライドが高く近寄りがたい、距離があるスター軍団たちと表現しておこう。
そんな浦和レッズが、少しやわらかくなったような印象に変わった。

試合後、サポーターと共に歌う選手たち、ゴール裏で笑いを誘ってブーイングを受ける選手、いつも熱気と闘う姿勢でピリピリの埼玉スタジアムがどこかやわらかく包まれる光景…。
それは変化を示していた。
 
それを決定づける光景を小樽で見ることができた。
アットホームなんていう言葉が浦和に当てはまるなんて思ってもみなかった。
なごやかな選手たちのやり取り、笑顔や楽しい声がグラウンドを包む。
このシーズンも大型移籍として取り上げられられ移籍してきた選手たちが複数いたが、そういった選手たちももう何年も前から浦和の選手だったのではないかと感じるほどに楽しそうに声をあげている。
リラックスムードのボール回しが終わり、給水タイムを終えると、スイッチが入った音が聞こえるかのように全員の顔つき、姿勢が変わった。

8×8のミニゲームがはじまると要求する声が次々とこだまする。
怒鳴り合いにも聞こえるその高い要求は、さすが浦和と思わせるほどの激しさで、ミスをするとハッキリとそこでミスされたら困るよ!という声が出る。
しかしフォローも忘れない。その後そのミスが起こすリスクをしっかりと全員で確認しあうのだ。
それが終わるとミスをした選手に次はできる!と声をかける。
仲間への励ましも忘れない。

監督の指導も激しい。
かつてのフィリップ・トルシエにみた熱血な身体をぶつけての熱い指導がそこにはあった。
怒鳴りつけ選手のところまで行き、身体を使って徹底的に教え込むといったやり方だ。
そのやり方でも選手たちはひるまない。
選手たちも納得がいかないときはとことん遠慮せず監督に質問を投げかける。
その質問に対し監督がさらに激高することもあるが、それでも選手たちは真剣に身体を使いながらそれについて討論をする。
じゃあ、今の踏まえてやってみよう!
チームのムードメーカーとして大きな役割ともなっているであろう選手や、しっかり立場を自分で把握しベテランとしての役割をこなす浦和在籍年数が長い選手たち。
給水タイムになると選手が2.3人ずつに自然と集まり身体を使いながら何度もプレーの確認をする。
自分が求める位置やボールをもらいたい場所、こうしたらこう動いてほしい、どう動くとやりやすい等、給水しながらもずっと確認と要求を続けていた。

これが浦和レッズの練習なのだ。
 

―貪欲。
そんな言葉が適してるだろうか。
とにかく無駄がない。休みがない。
緊張感が続く練習の中で、もちろん疲れが来る時間帯がある。その時にはムードーメーカーたちが絶妙なタイミングで笑いを起こし緊張がほぐれる。
そんな時間が続くのだ。
スター揃いの浦和では誰もが自分の場所は確定的ではないのがわかる。
常に貪欲でなければすぐに自分の場所は違う選手のものになってしまう。
自分自身と、そして仲間でありライバルである選手たちと戦っていることがわかる。
練習を終える頃になるとリラックスしたムードでまた笑いの声が響くアットホームなチームになる。
そんなスター軍団の中で育つ若手選手たちの中に自分から入っていくのは鈴木啓太。
若手と会話をしながらアップもクールダウンもこなしていた。
冗談を言い合ったりしながらも、しっかりとプレーについてのアドバイスも忘れない。そして名のある選手たちの中に自然と若手たちを誘導するのだ。
ムードメーカーやベテランの働きや、若いながらも意見をどんどん言って自分のプレーと考えを示す原口元気のような存在も含めて、
この時の浦和はバランスがとても良いと感じた。
 
午前と午後、4時間弱の練習を見て出た、チームとして印象の答え。
それが、バランスの良いチームというものだった。
 
ぶつかり合い、要求しながらもフォローも忘れない。
緊張感ギリギリの中でも笑いでリラックス。
痛みも喜びも苦しみも笑いも共にできる、それが【浦和レッズ】というチーム。


 
 
強いワケだ…
 
 
私は思わずそう言葉にして、つぶやいていた―。

 

 

 

※※※

 

 

その後、浦和レッズは失点が多く重なりACL圏内も逃してしまったものの、今の浦和が首位を走る強さを持つのは…

まずはココからと思い、昨年の記事をアップいたしました。

この時の記事、続きます。
 

Good!!(85%) Bad!!(14%)

今の浦和が首位を走るのは、一方的に日程とジャッジが有利だから。

名無しさん  Good!!1 イエローカード0 2014/08/25|23:52 返信

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