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【北海道胆振東部地震】 地震、被災からサッカーのある日常に戻るまで 地震当日、長い一日 はじまった復旧

2018/09/12 12:58配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:コラム

北海道胆振東部地震が起きました。
札幌市の大きな被害のあった場所で、過ごしたリアルな時間。
サッカーのある日常までをつづります。

【北海道胆振東部地震】 地震、被災からサッカーのある日常に戻るまで 第1回 地震前日、台風。|
 http://chantsoccer.com/posts/1580

【北海道胆振東部地震】地震、被災からサッカーのある日常に戻るまで 地震当日、長い一日。【第2回】|
http://chantsoccer.com/posts/1581

【北海道胆振東部地震】 地震、被災からサッカーのある日常に戻るまで 地震当日、生活の確保 【第3回】|
http://chantsoccer.com/posts/1582


●スマホの電波がなくなるという孤独感 情報がない不安と電話がないという遮断感

電気が停まっているので、テレビを見ることができないので
スマホで情報を得ていたのに、電波が悪くてほとんどつながらない状態に。
この状態は本当に精神的に厳しいものがありました。
テレビもない、スマホもない…どうやって情報を入れたらいいのだろうと。

車でテレビを見ることはできたし、ラジオも車で、そして携帯ラジオもありました。
なので情報はなんとかなるとしても…今、もしなにかが起こったり身体の調子が悪くなったとしても
救急車すら呼べない状況にあると考えたところで、胸騒ぎが起きるほどに不安でいっぱいになりました。

外ではずっとサイレンが鳴り響いていました。
救急車に消防車がフル稼働状態。そしてマンションの真上にずっといるのかと思うほどのヘリコプターの音。
不安に不安を重ねる音たちがずっと鳴りやまなかったです。

スマホは電波が繋がりづらかったものの、ガラケーはなんとか電波が2本。
普段は娘に緊急用のために持たせているガラケーが弱い電波ながらなんとか電話はできそうだと気づき、少しだけホッと。

しかし、スマホが使えなくなったことによりツイッターで流れるようなリアルタイムの細かな情報が手に入りづらくなりました。
例えば、営業しているガソリンスタンドやスーパー、給水場などの情報です。

タイミングによって電波が届くこともあったので、道外から心配して連絡してくれるたくさんの友達に
ツイッターでガソリンスタンドやスーパー、給水場や避難所の情報を検索してLINEで送ってほしいと、伝えました。
URLやスクショした画像を送ってくれた方もいたのですが、電波が届かない状態なので画像もインターネットも全然開くことができなかったので
本当にお手数おかけするけど、文字に起こしてほしいとお願いしました。

ツイッターで流れている情報や、テレビで流れている情報などをテキスト化して、文字でLINEにて送ってもらいました。

それでも届くのに時間がかかりLINEをみるのも1時間半経ってから届くなど、タイムロスが起こるほど電波状況が悪かったです。
返事したくてもできない、とか。

電波がない状況の中でも、道外のたくさんのサッカー仲間や、道外に今は住む地元の友達、
子供の学校のお母さんたちや、周辺に住む小中学校時代からの友人たちなど
LINEで情報を与えてもらったり、なんとか時間がかかっても情報交換をしながら。
それと同時にスマホの電池が切れると大変なので、台風のときに充電してあったポータブル充電器を活用したり車で充電をしながら
過ごしました。

●思っている以上に水は大量に必要。重い水を運ぶのは大変な作業

まずは水が大量に必要と思い、家からわりと近い給水所に。
給水所にいくと、水を10リットル入れられる袋と共に水を汲んでもらえました。
水道局の方が、袋を配り水を入れてくれていました。水道局の方も大変であろうに、一生懸命重い水を何度も何度も運んでくださっていました。
トイレにいってくると公園のトイレに向かい、ゆっくりでいいですよとお伝えしたにも関わらず、その帰りも走って帰ってきてくれた水道局の方。
「水で困ってる人がいるから早く戻らないとね!」とその笑顔はとても優しく、感謝しかなかったです。

私と娘で、20リットルの水を給水場で汲み、その他に夫が持っていた10リットルのポリタンクと、家にあった2リットルのペットボトル8本
は公園で水を入れ家に戻りました。
電気が停まっているのでエレベーターを使えず階段で何度もそれを繰り返しました。

家でトイレを使うと、一回流すのに水を10リットルほど使います。
なので、3人家族がトイレを使うとあっという間に水はなくなってしまうんですよね。

近くの公園のトイレや開放してくれていた町内会館のトイレ、そして避難所となっていた小学校のトイレを
うまく活用させてもらいながら、過ごしました。
マンション以外は水が出ていたので、マンション以外のトイレを活用することができたのが救いでした。

家の近くのスポーツ用品店では、アウトドアグッズやスポーツに関係する飲料や食べ物など
今使えそうなものだけを出してテントを張って、販売してくれていました。
ここにも働いてくれている人がいる…と感謝を実感しながら、いってみると大きめの電池式のランタンがあったので、
懐中電灯が手持ち2つと、小さなランタン型が1つ、頭につけるタイプの工事用のめちゃくちゃ明るいライトが1つと
わりと充実はしていたのですが、大きめのランタンは暗い夜テーブルを照らすのに良いかもと思い購入しました。

午前中にみたときには大きく道路が地割れを起こし、10メートルほどに渡って大きな段差が出来ていた道路や
液状化によって段差が生まれアスファルトが割れ土が見えていた道路などたくさんありましたが
なんと夕方にはそういったものが応急処置的に直っていました。
道路は湾曲してしまっているところは多くあるものの、大きな亀裂などアスファルトで埋められ、車で通っても問題がない状態になっていました。
復旧に時間がかかると、テレビでは大きな被害のところばかりを報道されていましたが、目に見えて急速に直っていく場所も多くあって、
本当に日本は、すごい国だなと思いました。あんな状況の中でも、働いて道路をすぐに直してくれる人たちがいること、その技術があること。


日本はすごい。本当にすごい。
そう実感し、私も頑張らなくては。と思ったのでした。


・ポイント スマホの電波が悪くなった時は3Gを試す!ガラケーは強い!

現代社会はスマホに頼ってしまっているとよく言いますが、便利なうえに簡単に手元で情報が入る文明の機器。
災害時にはさらに便りになってくれます。情報を手に入れるだけでなく、周囲の人たちとのリアルな声も交換できて、大丈夫一人じゃない、私たちだけじゃないと
思わせてくれる心強さもありました。
しかし。
電波が通じなくなると、すごく孤独な気持ちといいますか。電気もない水もない、スマホもないとなると いよいよちょっとなにか起きたときどーすんの!?
という気持ちになり一気に不安に。

携帯電話の電波が弱くなったこともあって、その後すぐにNTTさんが公衆電話の無料化を開始。
今となってはスマホ・携帯電話の普及でかなり公衆電話の数は少なくなりましたが、我が家の近くにも公衆電話が。そこに若干ながら列ができていました。
無料で電話を開放してくれたのはきっとありがたかったと思います!

スマホはダメでも、ガラケーはスマホよりは繋がっていた気がします。通話だけでも使えないと、身体になにかあったときに救急車も呼べないので。
電気が通じてないので、もちろん家の電話も使えませんでした。
外と繋がる大切な電話というツールがないというのは非常に不安を覚えました。

次の日になって、友人から電波を4Gではなく3Gにするとちょっと繋がりやすくなるよと聞き、3Gにしてみました。
LINEが一時的に通じたときに、3Gにする方法を調べてもらい、LINEにテキストで送ってもらうことがサクサクいくようになりました。

・ポイント 電波が悪くなるとインターネットが開けず画像を開くこともできない。テキスト化して情報をもらう!

電波が弱くなってからは、本当に全然インターネットは開けませんでした。
テレビなどで国がライフライン情報を提供していたり、インターネットでさまざまな情報をと発表されていましたが、全く見れません。
開くことができませんでした。なので、道外の友人に開いてもらい、テキスト化して送ってもらうという方法をとりました。
スクショしてもらっても、画像を読み込むこともできなかったので…。
URLやQRコードは電波の弱い状態では難しかったですね。なので、情報をもらうときはテキスト化してもらうことが一番早く間違いない方法なのかなと思います。
インターネットを開くよりもずっとLINEの方が軽かったので。

・ポイント 水は大量に必要。水を汲める災害用の袋は準備必須!

水は思っていたよりもずっと大量に必要でした。
トイレが一番水を使います。水が足りなくて または汲みに行くのがつらくて、トイレを我慢すると体調を崩してしまうことに繋がってしまいます。
家族が多い家庭は特に、トイレの回数を考えると水が多く必要だったと思います。
私はマンションだから電気がストップしたことで水が停まりましたが、周辺地域は水が停まっているわけではなかったので、町内会館や避難所となっている小学校までいってトイレを借りることもできましたが、
これが周辺地域も断水していた場合には、もっともっと大変だったであろうと思います。

給水所では、水道局員さんが10リットルの水が入る袋に入れて水を配布してくれていました。これは飲料水にもなる水です。
しかし、その袋もすぐになくなってしまい、その後は6リットルが入る袋になりました。
そして次の日の午前中にはその袋もなくなってしまい、水を汲む容器や袋は各自持参ということになりました。

何度も繰り返し使える袋だったので、我が家はいただいた10リットルの袋と6リットルの袋を使用し、何度か水を汲みに向かいました。
避難所の隣に設置されていたので、避難所と共に利用できたのが良かったです。

飲むだけでなく、ガスが使える場合は調理もできるので、例えばカップ麺を作るために使うお湯にする水や、レトルトを温めるための水など
調理に使う水も必要になりますから、なるべく多くの水が必要になります。
マンションでエレベーターが使えなくなるとなるべく1回で大量の水を運びたいという気持ちになりますから、10リットル入る袋を数枚用意しておくことが防災には良いかなと思いました。

・ヘリコプターがとにかくうるさい!!そして不安になる。

いつも災害時になるとヘリコプターの音がうるさいという問題になりますが、本当にうるさかったですし、すごく気が滅入りました…。
報道はわかります。上空からの画でお伝えするのも大事なことなのかもしれませんが、各局飛ばさなくてはいけないんでしょうか…。
ものすごく音がうるさいし、鳴りやまないので精神的にも身体的にも限界ギリギリの中で大きな声を出さないと話せない、伝えられない状況になります。
お年寄りには本当につらかったと思いますし、マンションの高層階の人たちはきっともっとうるさかただろうなと思います。

朝からヘリコプターが飛ばせる時間なのであろう日没までずーーーーーーーーーっとです。
旋回。旋回。
そのヘリコプター飛ばすだけのガソリンがあるなら、ほしいよね…。
そう話す人たちもたくさんいました。
ヘリコプターの音は大きくそして不安な気持ちにさせます。
報道が悪いわけではありません。伝えるのは大切なことです。でも、北海道のほとんどの地域では電気がストップしていたためテレビはほとんど見れないし、
誰に対しての誰のための伝達なのか。もちろん日本中で情報は必要でしょうが、実際に今大変な人たちにストレスという重圧をかけてまで何機もヘリが必要なのかという点では疑問でした。

・報道されない、復旧。時間がかかるところだけではない、迅速に対応してくれる方たちがたくさんいる!

建物が倒れていたり、道路が壊滅的にめちゃくちゃになっているようなところでは、すぐにというわけにはいきませんでしたが
それでも見たことがないような道路の亀裂や、歩道が崩れてしまったり、割れていたりといった、応急処置をするだけで安全になるところは
次々と直っていきました。
本当にたった数時間で。たくさんの工事の方たちがやってきて、一気に工事をしていく。アルファルトで埋めていく作業をいたるところでやってくれていました。

マンションの敷地内にあるたくさんの木々の点検をして、前日の台風の影響もあるだろうからと危なそうな木をすぐに切り落としてくれたりしてくれている業者の方もいましたし
電気がなくレジが使えないからと車から電源を引っ張ってレジを使い、開店してくれていた北海道ローカルのコンビニ セイコーマートさんや(茨城にも店舗あり)
お店をなんとか開いて物を売ってたくさんの人に届けようと働いてくれている人たち。
そして電気を早く供給しようときっと北海道電力の方々や、電気を届けようとしてくれる北海道以外の電力会社さんたちの働きもあったことでしょう。

大変だ!復旧には時間がかかる!とばかり報道されていましたが、本当に一生懸命たくさんの人たちが動いてくれることで安全になったり、助かったりすることが多々ありました。


第5回 地震当日、真っ暗な不安な夜と、2日目朝を迎えられた目覚め に続きます。

 

 

 

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