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現代サッカーにおいて“スペシャリスト”は不要?

2018/03/17 17:56配信

武蔵

カテゴリ:コラム

「ファンタジスタの時代は終わった」

というお決まりのフレーズは、もはやサッカーに関わる人々の共通認識となっているように感じる。

極力ピッチの中央から移動せず、オフェンス時には突出した個人技で違いを作り出す。

よりシステマティックなものになりつつある現代サッカーにおいて、

そんな旧型のファンタジスタは間違いなく希少な存在となってきている。

しかし、これは何もファンタジスタに限った話ではない。

徹底的に組織化された現代サッカーにおいては、一つの能力に特化した選手が以前のように活躍することが難しくなってきている。

ピッチから“スペシャリスト”が姿を消しつつあるのだ。

減少する“スペシャリスト”

これまでサッカー界には数多くの“スペシャリスト”が登場してきた。

元アルゼンチン代表のファン・ロマン・リケルメは、ほとんど守備に参加しない代わりに、卓越したキープ力と正確なパスで違いを作り出した。

クロード・マケレレは、鋭い読みと広い守備範囲を武器に、潰し屋として銀河系軍団と呼ばれたレアル・マドリードを影で支え続けた。

ある特定の能力に特化することでチームの勝利に貢献してきた彼らは、まさに“スペシャリスト”と呼ぶにふさわしい選手だろう。

しかし、現代のサッカー界をリードするトップ層のクラブを見渡してみると、そういった“スペシャリスト”と呼ばれるような選手の数は減少してきている。

ゴール前での得点能力に特化したクリスティアーノ・ロナウドのような例外はあるものの、多くの選手が複数のタスクを高いレベルでこなしながらプレーしているのだ。

求められるマルチな能力

サッカーが組織的なものになっていくにつれて、ポジションは以前にも増して流動的なものとして捉えられ、選手たちには試合中の様々なシチュエーションに対応する柔軟さが求められるようになった。

例えば、ボランチの場合、潰し屋としての役割にプラスして、パスでリズムを作ったり、ドリブルでボールを運んだり、時にはゴール前への飛び出しも求められる。同様に、前線の選手には運動量と高い守備意識が、バックラインの選手には長短のパスで攻撃を組み立てる能力が必要とされるようになった。GKでさえ、11人目のフィールドプレイヤーとして攻撃にも守備にも貢献しなければならなくなったのだ。

こうした傾向はこれからも続いていくだろう。今後ますます“スペシャリスト”と呼ばれる選手たちの活躍の場は限られていくかもしれない。

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