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乾貴士の活躍に見る戦術理解力の重要性

2018/02/08 19:22配信

武蔵

カテゴリ:コラム

世界最高峰のリーグと名高いラ・リーガ。

城彰二を皮切りに中村俊輔や家長昭博など、これまで多くの日本人プレイヤーがスペインに渡り、そして挫折を味わってきた。

今、そんなラ・リーガで輝きを放っている日本人がいる。エイバルの乾貴士だ。

ドイツのフランクフルトからスペインに渡って3年目。今季はメンディリバル監督の信頼をがっちり掴み、開幕からレギュラーの座を確保している。

クラブは現在7位とEL出場圏内を狙える位置につけており、また乾個人でもリーガ・エスパニョーラ公式が選ぶ12月の月間最優秀選手賞にもノミネートされるなど、充実のシーズンを過ごしていると言えるだろう。

多くの日本人プレイヤーが馴染めなかったスペインで、乾貴士はなぜここまで活躍できたのか。少し考えてみたいと思う。

戦術理解と思考能力の重要性

ラ・リーガと聞くと、多くの人がテクニックを重視するリーグと答えるのではないだろうか。

確かに日本屈指のテクニシャンとして知られる中村俊輔でさえリーガの技術レベルの高さには脱帽しているように、選手一人ひとりの平均的な技術は他のリーグに比べて高いと言えるかもしれない。

しかし、日本人が成功できない理由は技術的な面だけなのだろうか。

私はそうではないと思う。ご存知の通り、家長昭博や清武弘嗣は非常に高いテクニックを持っており、リーガの中堅クラブで主力を張る選手と比較しても遜色ないように見える。しかし、彼らもまたスペインのサッカーに馴染むことができなかったのだ。

その要因の一つに戦術理解力というものがあると思う。監督の描く戦術を理解してピッチ上で忠実に再現し、その上でいかに状況に応じた判断を下せるか。

以前から言われているように、日本人にはそうした「サッカー脳」と呼ばれる部分が不足している。

日本代表の試合を見ていて、「何でそこのスペース誰も埋めてないんだよ!」などと歯がゆく思ったことがあるのではないだろうか。

オフェンス面にしろディフェンス面にしろ、そうした戦術理解の欠如が日本人プレイヤーがスペインで成功できない理由なのではないかと思う。

そういった意味では、今季の乾はチームの戦術を充分に飲み込んだ上でプレーしているように見える。

攻守の切り替えが以前よりも向上し、守備時には素早い状況判断で適切なポジションを取ることによって相手の使いたいスペースを埋める。

ハイプレスを信条とするクラブの戦術に合ったプレーをピッチ上で表現できるようになったことこそ、今季、乾がコンスタントに出場を積み重ねている要因ではないだろうか。
スペインでは幼少期から戦術的なトレーニングを繰り返し行うと言われている。今後も日本人選手がスペインで成功を収めるためには、選手たちの戦術理解力の向上が求められる。

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