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どうしてサッカーにはドラフト会議がないの?

2017/10/30 19:15配信

武蔵

カテゴリ:コラム

26日、プロ野球のドラフト会議が行われ、例年以上の盛り上がりを見せた。今年の目玉は何と言っても早稲田実業の清宮幸太郎。

歴代最多となる高校通算111本塁打の大記録を引っさげた超高校級スラッガーの行方に注目が集まったが、7球団競合の末、日本ハムが交渉権を手に入れることとなった。もちろん清宮だけではない。

甲子園を沸かせた広陵の中村奨成や、清宮と並び称されるスラッガーである履正社の安田尚憲、即戦力としての期待も集まるJR東日本の田嶋大樹など、数々のスター候補生たちがドラフトを盛り上げた。

さて、毎年のように世間の注目を集めるプロ野球のドラフト会議だが、サッカー界においては、こうしたドラフト制度は存在しない。

「毎年こんなに盛り上がるのにどうして導入しないんだろう」

と思っている人も多いのではないだろうか。しかし、そこには明確な理由があるのだ。ちょっと説明していこうと思う。

「戦力の不均衡」と「ユース制度」

Jリーグがドラフト制度を導入しない主な理由は2つ。「戦力の不均衡」と「ユース制度」だ。

ドラフト制度の目的の1つとして、各球団の戦力の均等化が挙げられる。

日本のプロ野球は、ご存知の通り、セ・リーグとパ・リーグ各6球団で構成されているクローズドリーグ。

ドラフト制度の導入は、そうしたリーグの中で大きな戦力の差が生まれないようにという意味合いが強い。

それに対して、Jリーグは、現在、J1からJ3まで含めて57のチームが所属しており、それぞれのリーグの間には昇格と降格が存在するオープン型のリーグである。

こうしたオープンリーグでは、各クラブ間の戦力的な格差は、いわば当たり前で、ドラフト制度を導入する必要性が存在しないのだ。

ユース制度の浸透もドラフト制度を導入しない理由の1つだ。Jリーグのクラブはそれぞれ自前のユースチームを持っている。

そうした下部組織に将来有望な選手たちを集めて、充実した環境の中で育成し、トップチームのレベルアップに繋げていくというのが、サッカー界のスタンダードなのだ。そのため、わざわざドラフトで外部の選手達を獲得する必要性が薄いのである。

ドラフトを導入しないメリット

確かにドラフト会議は毎年多くの注目を集める一大イベントではあるが、ドラフトを導入しないことで得られるメリットというのも数多く存在する。

まず、選手とチームが自由に契約を結べること。ドラフト制度の下では、選手達が自分の意思で所属チームを選択することができない。

今後の生活が懸かっていると言っても過言ではない所属チームを選べないというのは、実際問題、選手にとってかなりリスキーだ。

その点、選手とクラブ間で自由に契約を結べるなら、お互いの考えを尊重した上で所属チームを決定することができ、入団してからのミスマッチも生まれづらい。

その他にも、スカウトにかかる費用を低く抑えることができる点もメリットと言えるだろう。

サッカー界では一部の選手をリストアップして、その中から内定に漕ぎ着ければ良いが、プロ野球ではそうはいかない。

ドラフトの抽選で外れたときのために、必要以上に多くの選手をカバーしておかなければならないのだ。

そのため、スカウトにかかる費用もサッカー界とは比べものにならないほど、高額になってしまう。

まとめ

今回はドラフト制度のマイナス面ばかりにフィーチャーしてしまった感があるが、もちろんドラフト制度を否定したいわけではない。

普段は野球を見ないという人にも注目してもらうきっかけになるなど、ドラフト会議はもはや一種のエンターテイメントとして機能している。

ドラフトという形では難しいかもしれないが、こうした新人選手に注目してもらえるようなイベントがあると、よりJリーグが盛り上がるのではないだろうか。

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