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谷間の世代と呼ばれた選手たちは今 Season1 石川直宏選手

2017/08/07 12:19配信

サカログ花子

カテゴリ:コラム


2004年。アテネ五輪。

A代表で指揮を執るトルシエ監督が率いた、
黄金世代と呼ばれた世代と、日本サッカーが育成強化としてトレセンという方法を導入し生まれた強化最先端の選手たちが融合し、世界と戦ったシドニー五輪。
ベスト8という結果を持って世界に近づき、A代表に落とし込むことで、2002日韓W杯では初の自国開催の大成功と二度目のW杯出場でのベスト16進出という快挙を達成。

記憶に残った五輪代表からの切り替えということもあり「谷間の世代」と呼ばれた年代がありました。
U-17世界選手権(現在のU-17 W杯)への出場を逃してしまったこと、その後の世界大会でも思わしくない結果を出したことでいつの日かそうマイナスな呼び名で表現されるようになったアテネ五輪を目指した年代でした。
しかし今、この時の世代がベテラン選手としてJリーグを引っ張る存在となっています。

中には、大きな決断をした選手も。

彼らの「今」とは。
シリーズで書かせていただきたいと思います。

◆石川直宏選手、今季限りでの引退を発表。

現在、重ねた大きな怪我から復帰に向けてリハビリ中のFC東京・石川直宏が、今季限りでの引退を発表しました。

FC東京に15年在籍している石川直宏選手は、チームの顔といえる存在であり、これまでのFC東京の数々の歴史を築きあげてきた選手でもあります。
プロサッカー選手となった頃は、横浜Fマリノスの選手でしたしマリノスアカデミー出身選手ですが、FC東京生え抜き選手でなくともその存在感は非常に大きく、
移籍当時はまだ発展途上中であったFC東京へと出場機会を求めて移籍した英断から、アテネ五輪に日本代表選出と、FC東京の代表のような存在となり、ここまで走り続けてきました。

ドリブルが得意で、サイドから中央へとボールを持ち切り込む姿はもちろん、常に冷静ながら熱き魂を感じさせる姿、独自と思わせる感性や世界観など、
石川直宏選手から感じるものはどれも刺激的で知らない世界で、多くの人たちを魅了する存在でした。

度重なってしまった大きな怪我によって苦しんできた選手であると思いますが、そこから何度も立ち上がってきた強さも伝えてくれる選手。

今シーズン後期となった今この時期に、今季限りでの引退を表明したことは、
FC東京の「今」に自分の引退を懸けて強いメッセージを示したのではないか、引退を先に明かしたことでサポーターと共に最後を意識しながら戦える時間を作ったのではないか、と感じるほどに
石川直宏選手の魂そして覚悟が込められた引退宣言だったのではないかと受け止めた方が多かったのではないでしょうか。

故・松田直樹選手の魂を受け継いだ選手の一人でもある石川直宏選手は、2015シーズン、チームのフランクフルトとの親善試合で再び襲った大きな怪我の後、
引退が頭を過ったとしながらも、松田直樹選手を想い 立ち上がる決断をしたとブログで明かされていましたね。
ドイツから帰国した日が8月4日で松田直樹選手の命日だったこともあり、松田直樹選手の存在が石川直宏選手を再び前へと押しました。

決断から今季終了までという残された時間。
1分でもピッチに立てるようにと、リハビリに懸命に取り組みながら、FC東京への魂を多くの選手にチームに引き継ぐ時間とするのではないでしょうか。

アテネ五輪で1勝2敗 グループリーグで戦いが終わった時。
石川直宏選手は、世界と自分の差を突き付けられたこと、谷間の世代と言われ続けてきた世代で世界と戦い谷間ではないと結果を残すという目標が達成できなかったことも含め
涙を流していました。

度重なってしまった怪我によってあの時思い描いたであろう世界に向けての挑戦は思うようにできなかったかもしれませんが、
FC東京のために、多くのサッカーを愛する人たちのために、戦い続けてきた選手だと思います。

今は資金力も豊富となり、多くのトップ選手を獲得できるクラブになったFC東京ですが
FC東京「らしさ」と積み重ねてきたものを改めて石川選手引退という大きなポイント持って、今一度見つめ直してほしいと願います。

谷間の世代と呼ばれ、悔しさを持って戦った選手だからこそ、
這い上がり立ち向かい、強き選手となりJリーグを引っ張ってくれているのかもしれませんね。

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