【ヴィッセル神戸】ポドルスキはチーム再浮上の鍵となるのか
2017/07/04 20:05配信
カテゴリ:コラム
今夏、ヴィッセル神戸に2人の大物プレイヤーが合流した。
前々から完全移籍が発表されていたポドルスキとオランダ1部デン・ハーグのハーフナー・マイクだ。
“超Jリーグ級”の活躍が期待されている2人は、チーム再浮上のカギとなれるのか。
現在11位に沈むヴィッセル神戸
「今年のヴィッセル神戸はタイトルを狙える」
シーズン開幕当初はそのような声も多かった。
スポンサーである楽天の潤沢な資金を背景に、橋本和や高橋秀人、大森晃太郎ら多くの実力者を次々と補強。
ネルシーニョ監督も「本気でタイトルを狙いに行く」と宣言するなど、
フロントも含めチーム一丸となってタイトルを獲りに行こうという気迫が感じられた。
そして、実際に神戸は開幕4連勝と見事なスタートを切る。
ネルシーニョ監督によって規律づけられた堅守速攻を武器に勝利を積み重ね、第3節では首位に。
神戸は優勝に向けて最高のスタートダッシュを決めた…かに見えた。
第5節浦和レッズに敗れると一転、その後は調子を崩し、結局7勝8敗2引き分けの11位。序盤の勢いを維持することはできなかった。
怪我人の続出など想定外のアクシデントがあったのは事実だが、失速の一番の原因は得点力不足だろう。
昨季19得点のペドロ・ジュニオールが鹿島アントラーズへ移籍、昨季チーム内得点王のレアンドロが開幕戦で左ひざ負傷、
貴重な得点源として期待されていた渡邉千真の不振など、理由を挙げればキリがないが、
やはりチームとして攻撃の形が確立できていないのが大きいだろう。
そんな得点力不足を補う存在として期待されるのがポドルスキであり、ハーフナーなのだ。
ポドルスキは本当にチームにフィットするのか
ハーフナーに関しては過去にJリーグでの経験があり、
オランダで安定して結果を残していることからも、ある程度の活躍は期待できるだろう。
問題はポドルスキだ。フォルランやリュングベリをはじめ、海外のビッグネームが過去Jリーグに参戦してきたことはあったが、
どの選手も強烈なインパクトを残すには至っていない。そのため、ポドルスキの活躍に不安を抱いているファンも多いだろう。
果たしてポドルスキは“神戸の救世主”になりうるのか。まずはポドルスキという選手について考えていこう。
私の印象だと、ポドルスキは非常にプレーの幅が広い選手だ。左足による強烈なシュートのイメージが強いかもしれないが、
確かなキープ力と的確な状況判断、精力的なオフ・ザ・ボールの動きで周りの選手を活かすプレーも得意としており、
得点だけでなくアシストも多いのが特徴。特に近年では9番というよりは10番のような役割を任されることも多かった。
とはいえ、ストライカーとしての能力も十二分に兼ね備えており、カットインからの強烈なシュート、鋭い飛び出しは今なお世界レベル。
昨シーズンはガラタサライで32試合17得点を記録するなど、その実力は折り紙付きだ。また、そのユーティリティ性も見逃せない。
前線のポジションならどこでも高いレベルでこなすことができるが、それも高い戦術理解能力があってこそ。
ネルシーニョ監督の意思をピッチ上で忠実に体現してくれるだろう。ただ守備の意識に欠けるシーンが散見され、
そのあたりが守備的な神戸のフットボールにどのような影響を及ぼすかが今後の鍵となるかもしれない。
ポジションとしては2トップの一角を担う形が濃厚と見られており、ハーフナーや渡邉千真、田中順也、
そして現在負傷中のレアンドロらとコンビを組むことになりそうだ。
アーセナル時代に見せたポストプレイヤータイプのジルーとのコンビネーションを考えると、
ハーフナーとのコンビが見てみたい気もするが、そこは時と状況に応じた組み合わせになっていくだろう。
ここまでの話をまとめると、ポドルスキがJリーグに適応できる可能性は十分にあると私は思っている。
だが、コンビネーションプレーを得意とする分、他の選手との噛み合わせによる部分が大きく、
フィットするかどうかは周りの選手がポドルスキのリズムに適応できるかに懸かっていると言っても過言ではない。
特にトップレベルの司令塔がいないことがどのように影響するのか、今後注意深くチェックしていきたいと思う。