CHANT(チャント)

【天皇杯】 筑波大学、ベガルタ仙台に勝利!今一度考えたい 大学サッカーに在るチカラ 【大学サッカー】

2017/06/21 22:23配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:コラム


天皇杯はJリーグで戦うチームだけでなく、各都道府県代表等アマチュアの世界で戦う多くのチームも
予選を突破する形で本戦に出場できることが、大きな魅力である。

毎年のように注目される、ジャイアントキリング。
プロで戦う相手を前に、アマチュアカテゴリーで戦うチームが奮起する部分がクローズアップされる。

天皇杯2回戦が行われ、筑波大学がJ1ベガルタ仙台を相手に
3-2で勝利した。

筑波大学といえば、大学サッカーでは名門中の名門。
サッカーファンの中でも当然のように知られた大学であろう。
と、いえども大学チームの力が実際どんなものであるか、という部分は実はあまり知られていない。

この勝利が番狂わせ、という言葉が選択されるのであれば、言葉として適すのであろうか。
関東大学リーグ首位を走る筑波大学だが、関東大学リーグで戦うチームがプロのチームに勝利する可能性は十分にある、と熾烈な大学での戦いをみて感じている人も多いはずだ。
筑波大学の天皇杯2回戦での勝利は、改めて大学サッカーの持つ力を感じる一戦となった。


今季から開催時期に変更のあった、天皇杯。

昨季は、8月に地区予選の準決勝・決勝が行われ、本戦を迎えた筑波大学。
8月、灼熱ともいえる大阪の地で大学主要大会のひとつである総理大臣杯を戦い、ベスト16。
その後、すぐの天皇杯予選だった。

茨城県予選決勝では流通経済大学に0-0のままPK戦に突入し、勝利。
本戦では、昨季J2で戦っていた北海道コンサドーレ札幌に0-3で敗戦を喫した。

しかし、その後関東大学リーグを戦いながら、チームの熟成を進めた筑波大学は、関東大学リーグで2位。
そしてその後のインカレでは、全国の頂点に立った。

今季に入り、4月に天皇杯茨城県予選でシーズンスタートとなった筑波大学は、
昨季と同じく茨城県同士のライバルであり同じく関東大学リーグで戦う流通経済大学に、3-0で勝利。
その後すぐに関東大学リーグが開幕し、その次の週には天皇杯本選の1回戦を戦った。
J3で戦うY.S.C.C横浜に2-1で勝利し、再びリーグの戦いに戻った。
今週末に行われるリーグ前期最終試合を迎える前にして、前期首位折り返しを決めているなど、昨季からチームとしての熟成と好調を感じさせている筑波大学。
現在、大学を代表する強さを常に示す存在となっている。

さらに、今日新たなチームの歴史を刻んだ。
筑波大学は初めて、公式戦でJ1チームからの勝利を掴んだのだ。


昨季、夏の総理大臣杯で2回戦での敗戦後、天皇杯予選を迎え、その後本戦を迎えJチームを相手に敗戦。
その後のリーグから徐々にチームの調子を上げ、結果を掴む形でチームは前へと進んだ。

今季は、4月に天皇杯地区予選でシーズンインをして、リーグ開幕。
その直後に天皇杯本戦がはじまり、1回戦にてJ3で戦うY.S.C.C横浜に勝利。
関東大学リーグで好調を維持しながら走り続け、天皇杯2回戦を戦い、J1ベガルタ仙台に3-2という結果で勝利を掴んだ。

昨季と今季。
ここにある違いは、好調をチームでも感じ自信を掴めている中での、天皇杯2回戦であったこと。
昨季の多くの戦いで経験を積んだ選手たちが、今季も多くピッチで戦っていること。
この2つの要因は、この新たな歴史となった大きな勝利に結びついたのではないかと感じる点だ。


筑波大学の監督を務める 小井戸正亮監督は、筑波大学の出身。
選手としての活躍もあり、指導者となった後、テクニカルコーチとして長谷川健太監督の下、清水エスパルス、ガンバ大阪で分析担当コーチを務めた経験も持つ。
そういった経験を持った監督が、大学サッカー界にて選手たちが強化していることやチームを指揮していることも、ひとつの注目ポイントでもあるであろう。

Jリーグの舞台で、多くの大学出身選手たちが即戦力として起用され、活躍している。
大卒選手は多くが22歳でプロ入りすることとなり、チームで強化するというよりは即戦力として求められる。
大学の場で活躍する選手たちはプロの舞台で即戦力となる戦いを日ごろからしている、力がある、ということなのだ。


関東大学サッカーリーグを首位で現在走る筑波大学は、今週末にはリーグ前期最終節を戦う。
その後、総理大臣杯予選の全国で一番熾烈な予選である関東予選アミノバイタルカップを戦い、そして天皇杯3回戦を迎えることになる。

スケジュールがタイトなのは、Jリーグだけではない。
むしろリーグや総理大臣杯予選が行われている大学チームや、遠征費削減のためにバスで移動しさらには仕事もしながら週末にも試合があるという地域リーグのチームも非常にタイトなのだ。
Jリーグのチームの多くが、控え選手を中心としている中で、アマチュアのチームはプロを相手にできる貴重なその瞬間を全身全霊で迎えているのだ。
天皇杯でアマチュアチームが優勝できることは、可能性は0%ではなくともかなり可能性としては低い。それは否めない事実だ。
しかし、それでも全力で向かう。プロではないチームの全力が在る。それが天皇杯の魅力のひとつだ。


大学サッカーが主戦場である、筑波大学が進化を続けているが、それはどこの大学も現在進行形である。
関東大学リーグ、そして大学サッカーという場には常に、激しい競争が存在し、どこにも引けを取らない大学チームがひしめき合っていることで、プロにも勝る可能性を生んでいる。

大学サッカーに在る、選手たちの戦いに。
そして大学だからこそ、毎年全く同じチームとはならない、在り方に。

Jリーグへと続く繋がりが、見えてくる面白さがある。

Good!!(100%) Bad!!(0%)

この記事も読んでみる