【FC町田ゼルビア】 Jクラブが運営する定食屋さん ゼルビア×キッチンは町田の「らしさ」詰まる場所 【J3】
2015/10/30 22:29配信
カテゴリ:コラム
まだじんわりとジメジメさを感じる関東。
気温はそれほど高くないものの湿度が高く、ほんわかした秋を感じる中
たまたま目にしたその日限りのお知らせ。
FC町田ゼルビアが9月下旬にオープンしたゼルビアキッチンにて
グッズ販売を行うとの情報を目にした。
ここから向かって間に合うだろうか―。
そんな不安を抱きながらも一度訪れてみたいと思っていたゼルビアキッチンへと向かうことに決めた。
●Jクラブが運営する町の定食屋さん兼、選手たちの身体に必要不可欠な栄養処
LCCの飛行機を使って関東入りし、そのリリースを確認したが、成田空港から町田へ向かうにはなかなかの距離がある。
それでも時間にできるだけ間に合うようにと最善の選択をしながら向かうことにした。
ゼルビアキッチンはFC町田ゼルビアが運営するJクラブ運営では初となる定食屋さん。
一般向けの通常の飲食店経営ではなく、実際に選手たちの栄養面を考えた食事を提供する場でもある。
Jクラブとして新たな試みといえる形だ。
FC町田ゼルビアのホームスタジアムである町田市立陸上競技場(野津田競技場)、通称・野津田の最寄駅となる小田急線鶴川駅からスタジアムへと向かう導線上にオープンしたゼルビアキッチン。
練習場の小野路グラウンド、ホームスタジアムの野津田からも車で5分という立地である。
その日、ゼルビアキッチンではグッズ販売がはじめて行われるとのことだった。
試合日にグッズ販売をすることや、今後ゼルビアキッチンにてイベント等が行われた際にグッズ販売をすることを想定しての試験販売といったところであろうか。
11時から14時限定で試験販売を行うとのことだった。
その日は天皇杯のオープンドローが行われる日とあって、J3から唯一勝ち上がった町田ゼルビアにとって忙しい一日となるであろうことは予測ができた。
お忙しいところご迷惑がかかると申し訳ないと思い、次の日のアポを取っていたためチームサイドに連絡は入れず、直接ゼルビアキッチンへと向かっていた。
しかし、どうしても時間内には到着できそうもないことに移動途中で気づいた私は、途中でゼルビアキッチンへと直接連絡を入れてみた。
「グッズ販売が行われていると思うのですが、もう14時になってしまうので販売は終了してしまいますか?」
私は、自らの媒体名も名前も伝えず1問い合わせとして失礼な電話をかけた。
すると。
「来ていただけるのであれば、15時くらいまで待ちますよ」
という返答が返ってきたのだ。
自分でダメ元で問い合わせた身だが、驚いた。
一個人のために1時間予定よりも延長し、待ってくれるというその対応、そのあたたかさ。
心があたたまり、町田っていいなを改めて感じながら、こういった対応に触れることで「また行きたい」という想いに繋がるのであろうと実感した。
できるだけ急ぎながら向かい、見えたゼルビーくんの看板。
ゼルビアキッチンはデザイン性高き建物で、しっかりと「Zelvia」の文字が目立つ。
駐車場も広く充分な駐車スペースがあるので、寄りやすい。
ゼルビアキッチンの前にブースという形でテントが出ており、そこでグッズ販売が行われていた。
お待たせして申し訳ございませんでしたという言葉と共にグッズブースへとお邪魔し、グッズをじっくりと見せてもらった。
スポンサーとコラボしたユニークなグッズも並び、町田の独自性も感じられるグッズもあり、その日は全体的に価格もお得なものになっていた。
500円購入で非売品グッズを1つプレゼントということで1000円購入だと2つ、1500円だと3つと3種類ある非売品グッズの中から選択できる形となっており、
価格がお得になっている上に、さらに非売品グッズももらえるといったスペシャルなグッズ販売が行われていた。
気軽に購入できるものも多数あり、デザイン性にも富んだグッズが並べられていた。
ゼルビアキッチンは元々はコンビニだった場所を改装し建てられたのだという。
たしかに言われてみると、そのくらいの大きさの建物だと感じ面影を感じないわけではないが、建物そのものやデザインからコンビニっぽさは伝わってこない。
ぬくもりを感じる木で覆われた外観、そこに大きくシンプルにゼルビア×キッチンの文字。
コック姿のゼルビーくんも目立っている。
店の横にはこの場所限定のゼルビアキッチンバージョンの自動販売機が置かれ、存在感を放っていた。
中に入ると9月下旬にオープンしたばかりというのもあるが、とてもキレイで落ち着く色合い、あたたかい木の素材が使われた内装となっており
食事をするにも時間を過ごすにも、落ち着く空間となっている。
テーブル席が多いが、中央には一人でも気にすることなく着席できるカウンターチェアとカウンターテーブルが設置されており
一人で来てごはんを食べてすぐに店を出るという方に最適な席であろうことが想像できる。
道路側ながらしっかりと仕切られ閉鎖された空間でありがなら、空がしっかりと見えるテラス席もあった。
カフェを感じさせ、オープンテラスという名の印象を壊さないその場所は、温かい日にゆっくりと食事がしたくなる場所となっていた。
FC町田ゼルビアのトップの選手たちのプロフィールが並んだ壁の奥にもテーブル席があるが
通常は一般開放されているが、ゼルビアの選手たちが多く来店したときにはその仕切りの奥で選手たちが食事ができるよう配慮されているという。
トップの選手たちだけでなく、ユースやジュニアユースの選手たちもゼルビアキッチンで食事し、栄養管理されたバランスの良い食事を摂ることができるようになっている。
食事は自分で食べたいものを選択するスタイルの定食屋さんとなっている。
ずらりとならんだおかずはバラエティ豊かで和食が中心となっており、栄養が整えられ、素材にもこだわって作られている。
ヘルシー、そしてダイエットにもと紹介されたそのメニューたちはどれも、素材の味を大切にした味付けとなっている。
トレーにはゼルビア×キッチン便りというシートが敷いてあり、そこにオススメの栄養バランスのとれた参考メニューなども掲載されているので
それを参考に選択しても良いであろう。
料理長に直接オススメや栄養バランスについてを聞いて、その日のメニューを決めることも可能だ。
この日、料理長に聞いたオススメは豚の角煮とのことだった。
メインのおかずとなるようなものは、あたたかいまま提供されるメニューが多く
豚の角煮もあたたかく保たれた鍋から、料理長が自ら盛り付けてくれた。
目の前で半分に切られた煮卵の中は、芯までしっかり火の通った状態というよりは、中心部がまだ橙色になっているような半熟よりもちょっと硬めになった状態。
しかし、そんな絶妙な状態ながらあたたかい状態で出てくることに不思議を感じるほどに、今まさに作られた感を楽しめる料理となっていた。
自分の選んだメニューを持って最後に会計をし、トレーを持って席に着く。
着いた席にはゼルビアのアカデミーの選手たちの集合写真が掲げられていた。
この場所でこの選手たちが食事をし大事な成長期に身体づくりをしているのだということを実感することができ、そしてそれが身近に感じることができる。
実際にいただいたが、とにかくどれもヘルシー。
素材の味引き立つ味であり、ヘルシー、そしてダイエットという言葉がしっくりくる。
だからといって味気ないわけではなく、あたたかい味わいが口に広がる。
刺激的なものはなく、どれもひとつひとつあたたかい。
これも町田「らしさ」と感じるような、心あたたまる食事だった。
常に豊富なメニューを用意し、季節によって限定的なメニューや季節を考えてのメニューが作られている。
毎日食べても飽きのないようサイクルが組まれ、さまざまなメニューが用意されているのだ。
トップ選手たちの練習グラウンドからも近いため、練習熱心なゼルビアの選手たちのほとんどがゼルビアキッチンで食事をするという。
サッカー選手は一日3500カロリーほどを最低でも食べなくてはならないほどに練習でエネルギーを消費している。
選手たちが来るとその場に出ているメニューのほとんどを食べることになってしまうため、選手たちには選手たち用の特別メニューが用意されていることが多いという。
アスリートは食事の管理をすることが求められる。
好きなものを好きなだけ食べてという食生活を送っている選手もいるが、選手としてどこまで意識高く取り組めるかというところも重要なプロ意識のひとつであろう。
クラブが選手たちの栄養管理を行うことが望ましいが、そのためには施設が絶対的に必要だ。
現在、町田ゼルビアは専有施設として練習グラウンドやクラブハウス代わりの施設を専有利用しているが、食事をするような設備はない状態だった。
クラブによっては試合前の食事を前泊のホテルで行ったり、クラブ所有の寮で行うことが多いが
ゼルビアにはそういった施設がない状態であった。
育成年代の選手たちは特に、選手としての身体づくりにおいて重要な時期だけに
アスリートに必要な考えられた栄養をバランス良く採れる場があることは望ましい。
栄養管理をすることで、なにを食べたかということを把握できること、そして全員が同じものを食べることで
試合までや睡眠までの食事の消化時間を管理することも可能となる。
チームとしての場としてだけでなく、一般の方たちに向けても提供することで
どんな食事を選手たちが食べているか知ることができることや、同じ味を食べることができること、同じ場所で食事をすることができることで
より地域と密着した場となる。
さらにはその売り上げが、強化資金として直接FC町田ゼルビアに直通することになることもクラブ運営の利点だ。
食事だけでなく、カフェ利用も可能で、地域の憩いの場のような場所になってほしいとクラブ側は願っている。
ゼルビアを観にいったことがない方でも気軽にこういった場所を利用することで、今後ゼルビアに興味を持つということも実現する可能性もあり、
地域に密着した場となり、クラブとのコミュニティの場にもなるであろう。
ゼルビアを背負う現在のそして未来の選手たちが、ここで得る栄養を元に
身体を作り、戦う。
食事とアスリートは密接した関係であり、普通に生活するにあたっても食事や栄養というのは生きる上でとても重要なものだ。
Jクラブが運営する定食屋さん「ゼルビアキッチン」
そこには、たくさんのあたたかさが在った―。
〒195-0063 東京都町田市野津田町919
営業時間 11:00-22:00(無休)