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【Jリーグ】 サッカー選手のスパイク契約事情 【日本代表】

2014/07/22 12:25配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:コラム

 

サッカー選手に必要不可欠のものといえば、サッカースパイク。
今のスパイクは様々な素材で作られており、カラーも豊富で機能性も高くなった。
ひとむかし前は黒いスパイクが主流で、白いスパイクがおしゃれなような時代もあったが、今は光り輝く黄色のスパイクが流行しているのかピッチに黄色いスパイクを履いた選手たちが多い。
その他、青や赤、ピンクやライム…といった派手なカラーも。
プーマは左右違う色のスパイクを今年は推すなど、どんどんスパイクに個性を持たせている。
スパイクの色で選手を判別しているサッカーファンもいるのではないだろうか。

そんな必要不可欠なスパイク。
サッカー選手とスパイクについてに触れたいと思う。

●アディダス・ナイキを筆頭にしたメーカー

各選手さまざまなメーカーのスパイクを履いている。
プロサッカー選手になったからといって、ずっと同じメーカーのスパイクを履けるわけではない。同じメーカーを履き続けるのは実はほんの一握りの選手たちであり、選手の状況によって履けるスパイクも変わってくる。
と、いうのもスパイク契約をしている選手は全員ではない。
チームや状況によってスパイク契約を結んでもらえるかどうかというのは変わってくるからだ。

例えば日本代表に選ばれるような選手たちは当然メーカーにとっても最大の広告塔となる。
日本代表選手が履くスパイクはとても注目され、履いているだけで大きな宣伝になるからだ。
当然日本代表選手たちの扱いはメーカーの中でもトップクラスであり、足型をとってしっかりとオリジナルスパイクを作ってくれる契約となっている。

J1の選手でもJ2の選手でも今はもちろん過去に活躍したり、代表や世代別代表に選ばれていた選手たちはスパイクメーカー契約をしている選手が多い。
例えばアディダスは選手たちの中でも人気が高く履きたいという選手は多いものの、誰でも履けるメーカーではないことで知られている。
アディダスが契約をする選手は世代別代表や日本代表に選出されるレベルの選手でなくては契約はしてくれない。
基本的にJ2の選手とは新規契約はせず、J1で活躍しておりその頃からアディダス契約だった選手や、世代別代表に入っていた頃からの契約者のみが契約することができる。
アディダスは日本サッカー協会と契約しているため、世代別代表の選手たちにスパイクを履いてもらう機会があり、そのデータを元にして日本人に合うスパイクを製作したり、早い段階で将来が期待される若き選手とスパイク契約を結ぶことができる。

そしてそれに匹敵しているのがナイキ。
ナイキはアディダスと契約している選手でも契約をしようとプレゼンをかけることで知られている。
今は多くの選手たちがナイキと契約を結び、アディダス契約だった選手たちがナイキに移籍することも多い。

このアディダス・ナイキに続いているのが日本企業であるミズノ、アシックスだ。
日本企業だけあり日本人の足を考慮したスパイク作りをしていることで知られ、選手の足にフィットすることが多く、子どもの頃から長年愛用している選手たちも多い。
アディダスやナイキに契約の話をプレゼンされても根強く日本製のスパイクにこだわっている選手たちもいるのだ。

その他、プーマ契約の選手たちも多く、アンブロやルコック、kappa、最近ではsvolmeなどもスパイク契約している選手たちも増えてきており、聞きなれない韓国系メーカーなども参入している。

●スパイクは一人何足持っているか

スパイクは選手一人につき何足くらいが必要か―。
用具にこだわりのある中村俊輔や山瀬功治などは前半と後半でスパイクを代えることもあるというほどスパイクを重要視している。
そういった選手たちは少しの状況に合わせてのスパイク選択をするために、10足から20足ほどのスパイクを用意している場合もある。
雨の日や芝の長いピッチ、乾燥しているピッチ、湿度の高い日…といったように状況や環境によってスパイクを代えるのだ。

しかし、そういった選手たちがスパイクを選択できるのは、メーカー側からの100%のサポートがあるからこそできること。
メーカーと契約をしていない選手たちは多くても4.5足であり、少ない選手は練習用と試合用の2足しか持っていないという選手もいる。

スパイク契約をしていない選手たちは、自分で履きたいブランドのスパイクを一般的にスポーツ店やメーカー店舗へと出向き、自らのお金で購入をしなくてはならない。
チームによってはホペイロがいないチームもあるため、スパイク管理は自分で行うチームも多い。
日本のクラブには本格的なホペイロがいるチームは少ないため選手たちが個々に管理しているチームが多いのが現状だ。

芝を取るためにブラッシングをし、表面にクリームを塗って…といったような手入れをしている選手はほんの一部であり、使えば使うだけスパイクが傷んでいくという選手が多い。

スパイク契約をしている選手たちでも何足までと決められている契約の選手もいれば、無限に何足でも用意してくれる選手もいる。
メーカー側も慈善事業ではなくビジネス的な要素で契約しているため、活躍し広告になると判断した選手には手厚いサポートを用意しており、スパイクだけを用意する選手や私服もすべてカバーする選手までその幅は広く、分かれている。

●スパイクだけではない実情

スパイク契約をするにおいて、スパイクの履き心地やスパイクの質、自分の足へのフィット感は当然重要になる。
しかし、実はスパイクそのものだけにこだわって契約している選手もいれば、私服やその他の商品、金額なども考えた上でトータル的に契約する選手も少なくない。

例えば、私服で人気があるのはやはりアディアスやナイキ。
私服の提供があるが故に契約を代える選手も多いのだ。

スパイクは日本製にこだわり、ウェア契約は別にしている選手もいる。
例えば足はミズノでウェアがsvolmeという時は、svolmeの私服提供によって着ることで広告塔になることもできるが、スパイクだけでなくスニーカーなども履くことはできない。
ランニングシューズやスニーカーなども契約しているメーカー以外のものは基本履くことはできないという厳しい契約が存在するのだ。
足と身体で分けて契約をすることも可能ということだ。

無償提供の他に、契約金が発生する選手たちもおり、契約する上で大きなお金が動くのはやはり代表選手たちの契約だ。
日本代表の選手たちや未来の日本代表候補たちの契約には、メーカーの威信をかけたプレゼンが行われており、足型をとってオリジナルのスパイクを作ることはもちろん私服提供からオリジナルスニーカーの製作、契約金などもすべての上で考慮して契約することとなる。
数社から依頼を受けてその中から選ぶという形になるのはこういったトップクラスやトップクラス入りを期待される選手たちの特権だ。

メーカーは契約選手の数も計算しており、契約選手の数によって広告供給のバランスを見てシーズンオフに契約している。
メーカー側から契約を切られることも当然あり、チームがJ2に降格したことで有名メーカー契約を切られたという選手も多数いるのが現実だ。

スパイクは1足2万円前後のものが多く、高いものだと5万円近くするものもある。
そのスパイクは消耗品であり、シーズンを通じて何回も替える必要がある場合も当然あり、メーカー契約はとても重要となっている。

●メーカー契約はどのように交わされるのか

メーカー側から選手に声をかける場合と、代理人が契約を取ってきてくれる場合がある。
その他、クラブが契約しているユニフォームメーカーにスパイクがある場合には、そのメーカーと優先して契約を結べるようになっているクラブもある。

メーカー側がうちのスパイクを履いてくださいと申し出るのは本当に一部の将来性を強く感じる選手のみ。
その他は代理人がメーカー側に売り込みをかけて代理人の力や代理人の人脈によって契約できることも多々ある。

そしてクラブで契約しているメーカーがある場合には、メーカー側とクラブとの契約内容により所属選手に無償提供する場合もあり、その他クラブ側からの紹介という形で選手とメーカー契約を交わす場合も。
メーカーによっては選手個々のスパイク数をあらかじめ決めておき、それ以降は割引で購入することができるというオプションを用意している場合もある。


サッカー選手にとってサッカーをする上で必要不可欠なもの【スパイク】。
そのスパイク一足一足には魂が込められており、プレーを左右する大事な「足」の一部だ。

メーカー契約はシビアな世界だが、そういったメーカーに認められるよう向上心を持ってプレーしている選手もいる。
さまざまなスパイクがある中で、たくさんの選手たちがそれを実際に履き、世界でそして日本でトップレベルの中、プレーしながらそのスパイクを履いてプレーした感想をメーカーに伝える。それを元に作られた新たなスパイクが世に出る。
それはサッカーシーンを大きく支えているひとつのサイクルとなっている。

ここ20数年でスパイクはサッカープロ化と共に変わった。
本当に大きく進化したのはココ数年。

カンガルー皮ではないもっと機能性の高い皮以外の素材が使われるようになったり、ポイントを交換できるタイプのもので良質のものが生まれたりと変化を遂げている。
メーカー契約の選手の中でも、この選手!というメーカーの顔となっている選手のスパイクを把握し、試合で観ることで誰よりも先に最新のスパイクを履いていることを発見するのもひとつの楽しみだ。

色とりどりのスパイクの中で、毎試合どんなスパイクを履き、戦っているかに注目するのもひとつのサッカーの楽しみ方だ。
ひとつ、注目してもらいたい。

 

 

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名無しさん  Good!!0 イエローカード0 2017/08/15|09:39 返信

スパイクします

名無しさん  Good!!0 イエローカード0 2017/03/14|21:07 返信

あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわをん

名無しさん  Good!!0 イエローカード1 2017/01/20|14:47 返信

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