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【ガンバ大阪】 天皇杯優勝はガンバ大阪 モンテディオ山形との戦いの刻み 【モンテディオ山形】

2014/12/14 15:24配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:マッチレポート

三冠。

ナビスコ杯で優勝した11月。
Jリーグ優勝を決めた1週間前。
そして天皇杯決勝へと駒を進めていたガンバ大阪は、リーグ優勝から1週間という難しい日程の中
天皇杯をも制し、三冠という歴史を創り出した。

三冠達成。

Jリーグ中断期前のガンバ大阪の状態を見ているときは、そんなことは誰も予測できなかったことだろう。
今年ははじめからガンバの年だったわけではなかったはずだ。
しかし気づけば、ガンバ大阪の年といっても良いであろうガンバ大阪でサッカー界が染まった一年だった。

●総力戦で戦った天皇杯決勝 失点しても慌てない覇者としての落ち着きと決めれるところで決める仕事人がいるクラブ

ガンバ大阪は今年、多くのクラブの中でも一番試合数が多かったクラブだ。
カップ戦であるナビスコ杯、そして天皇杯と勝ち上がっているため、他のクラブよりも試合数が多かった。
中二日で戦った試合が多く存在し、その他に代表で選手が抜けることになるなどした中で、中断後から強さを維持続けたガンバ大阪だったが、選手たちの疲労はピークにきていたはずだ。
最終戦×徳島戦では選手たちが負傷。
その結果、本来スタメン起用で使っていた選手たちの欠場が決まり、天皇杯決勝ではスタメンやベンチメンバーが変わったもののそれでもガンバ大阪のサッカーを表現したサッカーを展開した。

ガンバ大阪は山形のハイプレッッシャーを避けることができるかが焦点だった。
モンテデイオ山形は石崎監督の持つ特有のアクションサッカーで守備を創り上げるチームであり、激しいプレスからのボール奪取や相手の攻撃を前へ出させない手法、プレスからできたコースにてタックルを多用しボールを確実に奪うといった守備を展開してきた。
J1とJ2ではプレスの連動の状態やスピードに違いはあるものの、ガンバ大阪の攻撃の弱点があるとすると激しいプレスからのタックルを受けた場合にボールを失うといったことも多く、山形がどうプレスをかけ、どこでボールを奪いにいくかが鍵とされていた。
シュートを打たせてしまってはガンバ大阪の決定率が高く、シュートで終わるようなプレーにしたくないと山形は準備してきたはずだ。

しかし、4分。
今季のガンバ大阪らしさがすぐに示された。
GK東口からのゴールキックを競ったパトリックが頭で落とし、宇佐美がボレーでシュートを放つ。
すると山形の守護神であり、チームリーダーである山岸が反応し跳ね返したが、シュートを打つ時にはさまざなな可能性を常に考え身体が動いている宇佐美は、すかさず詰めゴールネットを揺らした。
開始4分で先制点が決まったガンバ大阪。

続く22分には、宇佐美がシュートを打つと見せかけシュートを放とうとしたところにパトリックが詰め走っていたところにボールを配球。
それをパトリックが受け、シュート。追加点を前半のうちに決めたガンバ大阪は2-0にて前半を折り返した。

後半も怒涛のガンバ大阪の猛撃が山形ゴールを狙った。
2得点という貯金があったものの、ガンバ大阪は攻撃的に展開した。2得点奪ったものの、完全に山形の守備を崩していなかったもの確かだった。
ハイプレスの中から奪った2得点では足りず攻撃を仕掛ける。
スピードで山形を上回る機会も多かった。
しかし、山形も反撃を開始する。選手交代によってスパイスがあった山形は攻撃をしかける。
そして山形にもゴールが生まれた。
後半から交代で入った船津が好機を何度も演出すると、オーバーラップしていた石川に船津からのパスがつながったことで、石川はそれをマイナスに折り返した。
そのボールに松岡が触ったことでボールが変化し、中央に流れたボールをロメロ・フランクがシュート。
ゴールネットを揺らした。
その後も山形の時間帯が続き、効果的な攻撃も多々あったものの、山形にアクシデント発生。
ハイプレスでガンバ大阪のスピードに対応していた山形の選手たちに疲労が重なり山田が足をつってしまった。
その時すでに最後の交代カードを使っており、山形は一人少ない状況で試合を進めるにあたりシステム変更をし多少バタついてしまった時間帯をガンバ大阪は見逃さなかった。
試合は山形の時間帯が続いていたものの、その微妙なズレと隙をしっかりと感じ取り攻撃という武器を存分に使う。

ガンバ大阪の攻撃基地である遠藤から、宇佐美を知り尽くしたパスが供給されると、宇佐美はゴールまで距離がありながらも迷わずシュートを放った。
弾丸ではなくやさしく放たれたそのボールは山形のディフェンダーに当たりコースが変化し、ゴールネットを鮮やかに揺らした。

遠藤から宇佐美という今年のJリーグの脅威を最後の最後で見せつける形で3得点目を奪ったガンバ大阪は
そのまま試合を制し、三冠を達成。

昨年はJ2で戦ったガンバ大阪が、ナビスコ杯、リーグ、そして天皇杯という3つのタイトルを手にした。


宇佐美2得点
パトリック1得点

決めるべき人間が決めるべきボールが来たところで決められるという強みはガンバ大阪の今季の強さの象徴であろう。
ガンバ大阪は天皇杯優勝を決めた。


●モンテディオ山形のハイプレッシャーという攻守の武器

J2では攻守の切り替えの速さに定評があり、山形のハイプレスの前にうまく攻撃ができずに沈んだチームも多々あったが、ガンバ大阪相手にもそれは効果という手ごたえは掴んだことだろう。
試合前からガンバ大阪が優勢であることは山形の選手たちも十分に理解し、挑んだはずだ。
その中で、いかに真っ向から戦えるかという道を選択し、指揮した石崎監督。
モンテディオ山形はJ2のクラブだが、決勝までいけたことに満足せずに最後まで勝つことにこだわり続けた。

自分たちの限界というものは自分たちで決めてはいけない。
それはどのチームでも石崎監督が選手たちに言い続けていることであり、そして浸透させていることでもある。
選手たちだけでなく、スタッフやサポーターなども含めて全員で挑んだ天皇杯決勝だった。

全員力で挑み、山岸という強力なリーダーを有し中心にチームをひとつにし臨んだ。

全員が総力を挙げて、全身全霊で戦った今シーズン最後の試合は、全力を尽くした。
しかし、それでもガンバ大阪の強さには届かなかった―。

その悔しさを持って来季J1で戦うことで迎える新たなるスタート。
それがきっとモンテディオ山形を強くすることであろう。

タイトルという頂点が懸かった戦いをすることができたというその時間
勝ちたいというひとつの目標に向かってひとつになれたという事実
負けという敗者だけが得られる悔しさと
感じた壁。

そこで得たものはきっと大きくモンテディオ山形を動かすはずだ。


元旦決勝ではなく12月14日に行われた天皇杯決勝。
横浜の地で栄光を手にしたのはガンバ大阪。

タイトルには届かなかったものの、歴史に名を刻んだモンテディオ山形。


素晴らしい戦いを持って Jリーグクラブの2014シーズンは幕を閉じた。

来季すべてのタイトルを目指してのリスタートは
各チームこの瞬間から始まったはずだ―。

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