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【W杯】 NIKE?adidas?サッカー界のスポーツブランド契約事情 【日本代表】

2014/06/19 10:43配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


W杯が開幕し、早くも2ターン目に入った。
日本代表の次戦も明日と迫っている。
連日の熱戦をリアルタイムで見て、寝不足に悩まれている方も多いのではないだろうか。

ブラジルW杯本戦には32か国が出場しているが、その各国チームのユニフォームにも注目をしてみてほしい。


W杯とスポーツメーカーはとても深き関係にあるのだ。

●長年君臨するアディダス


アディダスがサッカー界に登場したのは1952年のこと。
ドイツ生まれのアディダスが当時、西ドイツ代表選手たちのスパイクを作成したことからはじまった。
そして西ドイツ代表はその2年後、W杯スイス大会で初優勝という結果をおさめたこともあり注目を受ける。

それからアディダスのサッカー界への影響は大きく、長年アディダスはサッカーと密接な関係にある。

アディダスの他に、アディダスの創立者と兄弟で、同じくスポーツブランドをドイツで立ち上げたプーマ、そしてアンブロなどが追撃するののアディダスは頭ひとつ飛び抜けた存在であり、世界のサッカーシーンで第1に選ばれてきたのはアディダスだった。
アディダス・プーマ・アンブロという3強がサッカーシーンを支えていた。

●サッカー界に手をあげたナイキ

そのヨーロッパスポーツブランドが占める市場に待ったと手を挙げ参入したのがナイキだ。
ナイキはサッカー国としてはまだまだ発展途上国といっても良いアメリカのブランド。
それまではスポーツブランドといってもバスケットボールやベースボール、陸上競技などの色が強かったがナイキは会社全体の全力を挙げてサッカー市場に参入した。
参入してからしばらくはまだアディダス・プーマ・アンブロ・ヒュンメルなどの勢いが強く、そこを切り崩していくのは難しかったが、将来有望な若手を見つけては契約するという手法をとった。
若き頃のC・ロナウドやロナウジーニョなど将来の大物になりそうな選手から先行投資のように大きな契約を組んだ。

スパイクの他に、代表ウェアに参入したかったナイキだが、なかなか参入することができなかった。
それは各国代表チームには歴史があり、その歴史を簡単に切り崩せないことと、代表ウェアは契約期間が長期であることが仇となっていた。
しかし、ナイキは大きな動きを見せる。
それは2008年にアンブロを買収したことだ。

アンブロといえばイングランド代表をはじめ歴史ある代表のウェア契約を結んでいる3強のひとつ。
そのアンブロを買収したことでアンブロが契約していた各国のウェア、そしてクラブのウェアをナイキが勝ち取った。
もちろん見越していたのは2010年南アフリカW杯。アンブロを買収した効果もあり、南アフリカ大会からはナイキのユニフォームも多く見かけることとなった。

買収から4年後。アンブロからサッカーメーカーとしてのノウハウとアンブロの持っていた契約国やクラブ、そして選手をナイキは手に入れる形でアンブロを売却。
ナイキはたった4年でアンブロから十分すぎるものを手に入れた形となった。

●日本でのアディダス×ナイキ

Jリーグでも現在、ナイキと契約する選手が増えているがまだまだアディダスが占める割合が多い。
と、いうのも日本代表をはじめ日本サッカー協会と契約していることが大きく関係している

アディダスが日本サッカー協会と契約を交わしていることで、世代別代表が選出された際には世代別代表の選手全員がアディダスを履く契約となっている。
世代別代表時だけに限っても良いのだが、若い世代は当然のことながら普段は自分たちでスパイクを購入するためプロのように何足もスパイクを購入するのはお金もかかり、最高級のスパイクを履くのは難しい時もある。
しかし、世代別に向けて開発しているスパイクをアディダスが無償で履いてもらうことになるため、多くの選手たちはアディダスを愛用するようになる仕組みとなっている。

世代別代表の選手たち1000人以上にアディダスのスパイクを履いてもらい、データを取った統計で、日本人の足に最も合ったスパイクを開発しようとアディダス ジャパンが開発したスパイクがFARUKASだ。
ファルカスは今、進化を経てパティークXとして内田篤人などプロ選手も多く愛用している。
ファルカスは日本を代表する桜をSAKURA→反対にし、footballのFとつけFARUKASという名前が付けられた足の甲が広い日本人向けに作られたアディダスジャパンの傑作のひとつだ。

世代別代表からアディダスを履く機会が多く、そしてどのメーカーよりも選手に接触できる機会が早いため、将来有望とされる選手たちはプロになる前にアディダスが契約を交わすことが多い。
その結果、アディダスは日本に多くの選手たちを抱え、世代別代表を経過してきた選手の多くが一度はアディダスと契約するという道を辿っていることが多くなっている。
もちろん若き頃からこのスパイクじゃないと!という強い相性のフィッティングがある選手たちはアディダスと契約せず日本メーカーと契約を結んでいる選手も多い。

日本メーカーであるアシックスやミズノは日本メーカーだけあって日本人の足にフィットするタイプのスパイクが多く、そのフィッティングの高さから契約する選手も多く存在する。

ナイキが参入したのはココ最近のことで、大きな機会となったのは長年アディダスと契約してきた横浜Fマリノスとナイキが契約を結んだことだった。
アディダスジャパンの中でも横浜Fマリノスは契約しているクラブの中でも一番の大きな契約となっており、長年私服からウェア、若手選手たちを含む選手たちのスパイクの個人契約まで隅から隅までアディダス一色にしてきた。
しかし、まさかのナイキの参入。ナイキは思いがけない大きな金額でマリノスとの契約を発表した。

当然アディダスは黙っているわけにはいかなかった。
その結果、契約期間が明ける年にナイキに負けないプレゼンをアディダスは用意し、現在はマリノスはアディダス契約に戻っている。

しかし、ナイキはマリノスで得たJリーグでのノウハウを武器にJリーグクラブとの契約も積極的に行い、鹿島アントラーズやサンフレッチェ広島など強豪クラブと契約することに成功した。

●日本代表はアディダス

Jリーグができた年から考えるとアディダスは常に日本代表に関わってきた。
しかし、ドーハの悲劇で記憶される1992年から1996年のモデル、そして1996年から1997年モデル、1998年から1999年モデルと3モデルに関してはプーマとアディダス、そしてアシックスが担当してきた。
同じデザインで3社が作るという形がとられていたのだ。
はじめてのW杯であったフランスW杯本大会に出場したときはアシックスが日本メーカーとして選ばれユニフォームなどを担当した。

その後の1999年から日本代表とアディダスはスポンサー契約を独立で結び、それ以来アディダスジャパンが日本代表を支えている。

日本サッカー協会とサプライヤー契約が満了を迎えるため、契約に注目されたが、ナイキが参入したと思われる契約競争はアディダスに軍配が上がり、これから4年間日本代表ほか、女子代用やフットサル代表、世代別代表などアディダスが担当することとなった。


●日本代表選手たちの契約

日本代表選手たちの個人契約をみるとやはり選手たちの中でもアディダスとナイキの2極化が進んでいるのがわかる。

ナイキ

長友佑都・伊野波雅彦・森重真人・山口蛍・柿谷曜一朗・大迫勇也・大久保嘉人

アディダス

内田篤人・権田修一・酒井高徳・今野泰幸・香川真司・斎藤学・清武弘嗣

ミズノ

青山敏弘・岡崎慎司・吉田麻也・本田圭佑

プーマ

川島永嗣・西川周作・酒井宏樹・長谷部誠

アンブロ

遠藤保仁

 

ナイキの選手たちを観るともともとアディダスで契約していた選手たちが多いのが分かる。
長友や伊野波、森重、大久保はアディダス契約だった選手たちだ。
アディダスからナイキへ移行する選手たちが増えており、ナイキもアディダスに負けずとアディダス契約の選手やクラブ、国に戦いを挑むことが多くなっている。

そして遠藤はアンブロと生涯契約を結んでおり、終身までアンブロがサポートするというVIP待遇となっている。
この契約を結んでいるのはイングランドの大エースだったマイケル・オーウェンと遠藤保仁だけである。


今回のブラジルW杯では、32か国中10チームがナイキ、9チームがアディダスという結果になっており、ナイキが1つリードした形だ。
しかし、どれだけ多くのサプライヤー契約を結んでいるかどうかではなく、その結果が大きく影響するといわれている。

W杯優勝を果たしたチームの胸にあるロゴにも注目したいところだ。

 


 

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間違いなくマリノスより鹿嶋の方が先に
ナイキと契約してますね。

名無しさん  Good!!1 イエローカード0 2015/01/10|13:43 返信

よく知ってる風に書いてあるけど...

少なくてもマリノスの件は事実と全く異なりますね。

訂正を求めます。

名無しさん  Good!!1 イエローカード1 2014/08/21|09:00 返信

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