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J1昇格争い カギを握るのは長崎と東京V

2015/10/28 17:54配信

武蔵

カテゴリ:コラム

熾烈なJ2も38節を消化しました。

J1昇格争いも残すところ、あと4試合となっています。

2位までに与えられるJ1自動昇格と

3位から6位までに与えられる昇格プレーオフ。

ともに、ここにきて更なるヒートアップを見せています。

J2には代表休みもナビスコカップ休みもありません。

毎週末の熱い争いは、いったいどのような状況になっているのか。

そして、今後の展望を見ていきたいと思います。

自動昇格圏争いは大宮の失速で混沌に

首位を独走していた大宮が、ここにきて大ブレーキ。

8連勝で迎えた第29節では、第2節以来の3失点を喫し

愛媛に1‐3と敗れてしまいました。

それ以降、2勝3分4敗と足踏みを続けています。

ホームでもアウェイでも、上位対決でも下位相手でも

まんべんなく勝ち点を落としており

まさに、チーム状態が落ちている、と言えます。

中にはムルジャと家長昭博、外には泉澤仁と

いずれにも、強力なアタッカーを抱えているのですが

パスの出どころとなるカルリーニョスを中心としたビルドアップを

上手く抑えられてしまっており

泉澤のドリブルには、スライドを速くして組織で対抗するという

大宮対策が各所に浸透してしまっている格好です。

これほどの攻撃陣でも抑えられてしまうほどの対策が

あっという間に広まるJ2の恐ろしさを

今になって味わうこととなりました。


2位磐田、3位福岡との勝ち点差は

それぞれ、4と6と迫っています。

9戦負け無しの磐田と

その磐田に、10戦前に黒星をつけた福岡は

ともに好調を保って、この終盤を迎えており

自動昇格圏外となる3位転落もあり得ると言えます。

プレーオフ争いは5チームで2枠の争いか

圧倒的戦力を揃え、戦前の予想では

昇格候補最右翼であったC大阪は

上位3チームには離されてしまいました。

2位とは勝ち点差が9となっており

自動昇格圏は絶望的となっています。


攻撃で手詰まりになると

両SBからの距離の遠いクロスしか無くなるという

攻撃のアイデア不足が目下の課題で

チーム内では不協和音も聞こえてきます。

過去の栄光や、他での実績は通用しないという

J2の怖さをどっぷりと味わうこととなっています。


とはいえ、第3グループとも勝ち点差が6あり

プレーオフ進出は確実と言えますので

ここからの4試合で、どれだけその大一番に向けて

良い調整が出来るかどうかは要注目です。

J1昇格がミッションである中で

プレーオフでは意地を見せたいところです。


その第3グループは、5チームで5位6位を争う状況です。

5位長崎と6位東京Vは勝ち点差無し。

そこから1差で愛媛、さらに2差で千葉。

さらに2差の北九州までが、プレーオフ進出枠を争う

と言ってしまって良いように思います。


これらのチームは、昇格プレーオフというさらに厳しい戦いのために

今ある厳しい戦いを勝ち抜かねばならない状況です。

1シーズンという長丁場を戦ってきた選手たちにとって

その戦いは、過酷を極めることになりそうです。

カギとなる長崎、東京V

選手たちはプロフェッショナルとして

毎試合良い試合を見せたいと思っていることでしょう。

しかし、選手も人の子です。

その試合に、より大きなものが懸かっていることで

より大きな力を発揮できることは確かです。

このラスト4試合においては、5位長崎と6位東京Vが

特にそれに該当していると言えるでしょう。

5位長崎は高木琢也監督の特徴である

「相手の長所を消すサッカー」が

この若いメンバーにも、第1クールの終盤ごろから浸透してきました。

第19節の讃岐戦で、今シーズン初めての0‐0の引き分けを記録すると

それ以来8つのスコアレスドローを重ねてきました。

引き分け自体も、J2では3位タイとなる15を記録しており

上位陣では唯一、勝ちより引き分けが多いチームです。

プレーオフも含め、この終盤戦において

待つことのできる相手はイヤなものでしょう。


6位東京Vは、ここのところの財政面の問題があり

選手の入れ替えが激しいシーズンが続いていましたが

ユースを率いていた冨樫剛一監督をトップチームの監督に据えると

開き直って若いユース出身選手や、時には2種登録の選手も起用し

方向性を定めたことが功を奏し、躍進を果たしています。

ヴェルディユース特有の、世代トップレベルの技術と

若い選手特有のスタミナ、アグレッシブさを持つ選手たちは

田村直也、平本一樹などのベテランと

永井秀樹という大ベテランと融合し

立派な、昇格争いをするチームとなりました。


ラスト4戦の日程ですが

長崎は、大宮、磐田、C大阪、北九州と

ここにきてヘビー級との連戦となります。

最終節も直接対決となる可能性のあるバトルオブ九州と

キーパーソンならぬ、キーチームとなっております。


東京Vも、磐田、千葉、金沢ときて、最終節はC大阪です。

野心を持つ若いチームが

昇格戦線をどのようにかき回すのか

注目できるのではないでしょうか。


それぞれ、金沢を除く全てのチームとプレーオフで当たる可能性があるため

手の内はできるだけ隠しておきたいでしょう。

しかし、それが許される状況ではありません。

魑魅魍魎が住むJ2のラストスパートは

オールアウトが求められる、ガチンコバトルの連続となりそうです。

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