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変わる「日本食」の形 外国人選手と日本食

2015/04/17 18:17配信

武蔵

カテゴリ:コラム

「スシ、テンプーラ」からの変化

先日、FCバルセロナのトップチームの

トレーニングや試合後の食事メニューが公開されるということがありました。

その中で、多いのはピザやサンドイッチでしたが

その次に多い主食が寿司でした。

それらに共通する利点として、手軽につまめるという点がウケた格好です。

さらに、ザッケローニ元日本代表監督も推奨したように

お米、特に日本で一般的なジャポニカ種がより多く含む

良質な炭水化物と、比較的消化しやすいというところが

アスリートにとって、より有効であるということも影響しているでしょう。

ただ、日本食という観点でいえば

海外で食べられるものが、寿司や天ぷらなど

いわゆるステレオタイプな日本食に限られるということは見逃せません。

いざ来日してみると、それらの代表的な日本食とは違ったものを

志向する外国人関係者が目立ちます。

上でも出たザッケローニ元監督で有名なのはワサビでしょう。

擦った生ワサビではなく、チューブの練りワサビがお好みだったようで

それをご飯に乗っけて食べることもしばしばだったそうです。

その2つは、沢ワサビと山ワサビとで、種類が違うようですが

ともかく、ワサビ飯など日本人でも好みが分かれるところではあります。

日本食通であると認めざるを得ないでしょう。

練りワサビは、日本の会社以外は製品として出していないということで

日本独自の食文化とも言える練りワサビが

食の都として名高いイタリア出身の名将

さらには実家がレストランであるザッケローニ元監督のお誉めをいただいたことは

ひとえに栄誉だし、良い宣伝になったと言えるのではないでしょうか。

ジェイ・ボスロイドのコーンスープ

先日、今季からJ2の磐田に加入したジェイ・ボスロイド選手の

Twitterの投稿がちょっとした話題となりました。

その内容は、日本人なら食べたことはなくとも

存在は知っているはずである缶のコーンスープ。

これを飲んだジェイ選手の感想でした。

曰く

「今までの人生で一番おいしいスープを今日飲みました」

とのことでした。

ジェイ選手は元イングランド代表ということで国籍はイギリスです。

さきほどのザッケローニ元監督のイタリアと比べ

イギリスの食糧事情を考えると、なんというか

いろいろと割り引いて考えねばならない部分はあるとは思いますが

ともかく光栄な事です。

コーンスープは日本独自、とまでは言い切れませんが

欧米では、日本ほどは一般的ではないようです。

今回のような、自動販売機で売っているようなコーンスープ缶ではなくて

クリームコーンの例ではありますが、あのキャンベル社製のコーンスープですら

アメリカでは販売しておらず、キャンベルジャパン社独自のものということです。

つまり、日本の食文化と言っても良いであろう、コーンスープ。

元イングランド代表であるジェイ選手には、これを機会に

母国を始めとして海外に広めていただき

コーンスープ、ひいては日本の食文化の広告塔としても

活躍していただく機会があるやもしれません。

来日選手の1番人気はあの「日本食」

日本贔屓として有名なドラガン・ストイコビッチ氏の好物が

鮎と納豆というのは有名なところです。

ただ、鮎はともかく

日本人でも大いに好みが分かれる納豆です。

ストイコビッチ氏の薦めにより、納豆にトライした外国人選手は数知れず。

しかし、定着した選手やスタッフはほぼいなかったとか。

やはりストイコビッチ氏はプレー以外も特別、というか例外だったということですね。


そのストイコビッチ氏が指揮を取った時期に名古屋に在籍したダヴィ(現鹿島)。

そのダヴィが好物としていたのはラーメンです。

名古屋の前の所属先、札幌在籍時にラーメンを知ってしまったということで

大好物は味噌ラーメンだそうです。

そのおかげで、しばしばウェイトオーバーとなったこともありました。

高給のカタールから日本に帰ってきた理由として

美味しいラーメンが食べられないから、ということも囁かれました。

実際に来日した外国人がラーメンを好物に挙げる割合が高くなってきています。

それはアスリートに限ったことではありません。

よく聞くのが

「主食となる麺があり、スープも飲めて、具の肉や野菜も摂れる」

そしておいしい、という意見です。

これは概ね、日清食品創業者である安藤百福氏がラーメンの良い所を

挙げたことを網羅しているという点で、感慨深いものがあります。

中国発祥の食文化でありながら

魚介や昆布のダシなど、日本の食文化の影響を得て絶えず進化し

今や「日本食」と定着したラーメンの理念を

日本に来る外国人が肌で感じ取るというのは

なにか、ロマンを感じさせるものがあります。

インドネシアサッカー界の英雄であるイルファン・バフディム選手。

そのイルファン選手が好物として挙げる日本食もラーメンです。

2014年に甲府に加入することになるのですが

その直前に来日した際、新横浜のラーメン博物館で

記念撮影に応じるイルファン選手の写真がアップロードされ

話題を呼びました。

甲府加入後であれば、なにも横浜まで行かなくても例のラーメン師範に

教えを乞うことができたのに・・・と惜しんだサッカーファンが

大勢いたとかいないとか噂されましたが

イルファン選手のTwitterのフォロワー数はなんと約445万。

日本人最多の、タレント・有吉弘行氏の430万を上回る数であるということで

昨今需要を伸ばしている東南アジアへのラーメン展開に一役買ってもらえた格好です。


2015年は札幌に籍を移したイルファン選手。

大のラーメンどころである札幌では

どのようなラーメンと出会うことができるのでしょうか。

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