FC東京のゴール裏に異議アリ! 武藤の新チャントについて思うこと
2015/04/20 17:10配信
カテゴリ:コラム
チャントとは
チャントとは、サポーターが作るソーシャルサッカーマガジン
・・・のことではなく、ここでは
サッカーにおける応援歌、サポーターズソングについて指します。
各チームの応援席、サポーター達の応援の音頭を取るコアサポーター(コアサポ)
それらが一体となり、プレーに呼応したリアクションで
スタジアムの雰囲気を作る、良い方向へと持っていくことは
サッカーの試合の現場における、サポーターの大事な役割です。
チャントはその代表例と言えるでしょう。
サポーター側がその力を過信する風潮には感心しませんが
良いチャントはスタジアム内でも共感を得やすく
選手側としても「ノってくる」と発言したり
プレー中に口ずさんだりすることもあるそうです。
サポーターの声は実際に届いていて、影響力は小さくないと言えるでしょう。
そんなチャントについての話ですが
今回は、あるトップ選手のチャントについて、考えさせられることがありました。
それは、FC東京の武藤嘉紀の新しいチャントについてのことです。
条件を満たしていた旧チャント
個別チャントはチームの主力、中心選手である証と言えます。
例えば奈良クラブのように、選手全員にチャントがあるようなクラブもありますが
しかしそれは、良いこととは思いますが少数派と言えます。
昨年、新人ながら開幕スタメン出場を果たし
それ以降、コンスタントに出場を続けた武藤は、個別チャントを手に入れました。
これがいわゆる旧チャントです。
このチャントの原曲は、Jリーグ創成期を象徴すると言って良い
「WE ARE THE CHAMP」という曲です。
世代にもよりますが、聞き慣れた曲にシンプルな歌詞ということで
初めてスタジアムに足を運んだというライトなサポーターでも覚えやすいものです。
そして、FC東京を長く見てきたようなサポーターにとっても
深い意義を読み取ることができる、良いチャントなのです。
1つは、このチャントの歌詞で使われる「よっち」という部分。
これは武藤の、FC東京の下部組織以来の愛称であり
他のチャントでありがちな「俺達の~」というようなフレーズを使わずとも
下部組織や大学時代も欠かさず応援していたというような
比較的ヘビーなサポーターの気持ちを表現できていると言えます。
もう1つは、このチャントの歴史です。
FC東京においてこのチャントは
古くは現FC東京U-15深川監督の奥原崇氏にさかのぼりますが
ここ3代、馬場憂太、大竹洋平、そして武藤嘉紀と
下部組織出身の選手に受け継がれてきたチャントなのです。
下部組織からこれだけ素晴らしい選手が出てきたんだぞ、と
歌う度に誇らしい気持ちを持つことができるのです。
スタジアムの雰囲気を構成するサポーター
そのサポーターの誰もが納得、満足でき
2014年は武藤のチャントが流れるたびに、得も言えぬ高揚感がスタジアムを包みました。
イマイチ浸透していない新チャント
2015年から新しいチャントになりました。
原曲は、プロレスラー・武藤敬司の初期の入場曲である「HOLD OUT」。
私はプロレスファンで、武藤敬司のファンだから分かります。
武藤繋がりということ、武藤といえば・・・というのも理解できます。
しかし、サッカー界隈での認知度は落ちると言って良いでしょうし
さらに弱年代に関しては絶望的と言えるかもしれません。
そして実際に、それほど浸透していません。
これは2015年の第3節の神戸戦です。
カメラアングルが違うので、2つは比べられません。
しかし一般的に、アウェイに駆けつける客層を考えると
ホームよりも、アウェイはより濃い客層となります。
にもかかわらず、チャントに関わるサポーターが少ないような気がします。
さらに映像はありませんが、第5節、近場のアウェイといえる湘南戦でも
似たような光景が広がっていました。
象徴的だった湘南戦での出来事
バックスタンドのアウェイ側にいてゴール裏を見渡せた私は
「武藤の新チャントは浸透してないな~」
などと、漠然と見ていました。
座って試合を見られる席種であり、やはり家族連れが多かったですが
少なくとも、武藤の新チャントを歌う子供の声は皆無でした。
試合後、湘南に所属する旧チャントの「前任者」である大竹洋平を呼ぶために
FC東京ゴール裏が、いわゆる旧チャントを歌いだしました。
すると、横の家族連れの方々、特に複数いたお子さんが一斉に
導入部である「オーレーオレオレオレー」に続いて
「よっちー よっちー」
と歌い始めました。
これは、大竹云々ということではなく
この日の決勝ゴールを決めたチームのエースを
チャントを歌うというしっかりした形で称えたかった気持ちの表れでしょう。
そして、武藤といえば旧チャントであるという認識の多さをも表しています。
私見ですが、浸透していない新チャントをいったん封印し
旧チャントに戻すには絶好のタイミングだったと思います。
ほぼ全員が知っているであろう、また、知らずともすぐに覚えられるという
旧チャントをもって作る良い雰囲気で、挨拶に来た武藤を迎えることができますし
さらに、移籍した大竹に対して、チャントが受け継がれたこと
つまり居場所という意味でも、移籍先の湘南で頑張るしかない、だから頑張れ!という
メッセージを伝えることができたと思うからです。
もしそうなれば、この記事を書くことはありませんでした。
横のお子さんの「違うじゃん・・・」という落胆の声が耳に残るばかりでした。
FC東京のゴール裏について
その中心人物は大のプロレス好きです。
自主興行を催すなど、業界に対する貢献もかなりのものがあります。
しかしそのような背景を知っていて、かつ同じくプロレスファンである私が見ても
新チャントにこだわり、このような形での「プロレスLOVE」を示し続けるのであれば
現状、自己満足としか映りません。
サッカーのサポーターが自己満足に陥るというのは
非常に危惧すべき事態のはずです。
FC東京のゴール裏といえば、古くは
ピクシーや中村俊輔、川口能活や今野泰幸などへの選手イジりや
ウィットに富んだチャントを生み出してきたという過去があり
その影響力は変わらず高いと言えるでしょう。
この日も、エキサイトしたFC東京の選手に対して
「落ちつけ河野!」とコールし
即応性とフェアプレー精神を見せつけるとともに
この日の中継の解説者に誉められるという好プレーを披露しています。
このような当意即妙さが有り、柔軟な対応ができるのですから
ぜひとも、サポーター達を統率するリーダーとしての責務を果たしてほしいと思います。
その責務とは即ち、良いスタジアムの雰囲気を作ることです。
この件に対して、客観性をもって考え、対処してほしいと思います。
音程が高いからはずしやすく歌いにくいだけだと思います。 浸透するまで少しだけトランペット等でガイドボーカルすればメロディーラインが安定してきてライトサポーターにも聞き取れるようになるでしょう。
名無しさん | 0 0 |2015/04/28|09:51 返信