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【鹿島アントラーズ】 アカデミーにも一貫するジーコスピリッツ 強化と育成を追求し全うする鹿島らしさ 【アカデミー】

2015/04/14 14:00配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


今、改めて注目されているのがJリーグクラブに義務付けられている下部組織。
アカデミーに注目が集まっている。

先日、今季の高円宮杯U-18 プレミアリーグが開幕した。
プレミアリーグはイーストとウエストに分かれたリーグ戦を頂点とし、その下にプリンスリーグを備える。
イーストとウエストの頂点が最終決着を付ける形となり、昨年はセレッソ大阪U-18が優勝を果たした。
この大会はJ下部組織であるユースチームと、高校の部活チームが地域を勝ち上がりピラミッド型に参加している。
4月から12月まで続く18歳以下年代の中で最高峰の大会と位置づけられている。

その他、ユースの三大大会として数えられる二つの大会がある。
ひとつは日本クラブユース選手権 U-18アディダスカップだ。

全国を9地域に分け、地域代表32チームが4チームごとに8グループで予選リーグを戦い、その後各グループの2位までのチームが決勝トーナメントで戦う方式となっている。
Jに関係なく、クラブユースチームが参加できる夏の大会となっている。

もうひとつはJユースカップ。
これはJクラブのアカデミーチームが中心となった大会であり、Jリーグと共催している日本クラブユースサッカー連盟からの出場枠もある。
これは冬の大会となっており、年度を締めくくる大会となっている。

これらの大会が三大大会となっており、Jユースもトップチームのように忙しく一年間を通じてたくさんの試合をこなしている。

●鹿島アントラーズの選手としてトップを経験した監督が育てるユース

Jリーグでもさまざまなチームがあるように、ユース年代のチームも各クラブごとにそれぞれの色がある。
その中から今日は鹿島アントラーズユースを取り上げたい。

鹿島アントラーズユースは昨年、最後の戦いであるJユースカップで優勝を果たした。
これは10年ぶりの快挙である。
鹿島ユースというとピンと来ない人も多いかもしれない。
鹿島アントラーズといえば、ユースよりも高校から選手を獲得し、育てている印象が強いが、今鹿島もユースからの選手の底上げをし、試合で起用している。
過去の鹿島ユース出身者といえば、現在も鹿島の守護神として君臨するGK曽ヶ端、その二つ下からは現ベガルタ仙台の野沢がいる。
その後も現水戸の小谷野や現岡山の島田など、プロ選手も生んだが鹿島ユースの選手として鹿島で長い目を持って主力として戦うという結果には至らなかった。

しかし、現在鹿島にはスタメンで活躍する土居を始め、現在育成途中である鈴木、小泉、大橋などユースから上がった選手たちがトップチームに存在する。

ユースの大会において、鹿島ユースとして目立ったことは近年少なかったものの10年ぶりにJユースカップで頂点に立った。
昨年はプレミアイーストでも3位という過去最高の成績を残した鹿島アントラーズユース。
現在の監督は昨年から指揮を執る、熊谷浩二監督だ。

熊谷監督は鹿島の元選手でもある。
鹿島アントラーズは1993年にJリーグではじめてのタイトルを獲り(1stステージ優勝)Jリーグ開幕で日本中がサッカーに湧く中、鹿島は強烈な存在感を残した。
誰もが注目として挙げていなかった鹿島を一気に有名にしたのは、ジーコの存在であり、ジーコの魅せるプレーだった。
アルシンドと量産するゴールの数々が、サッカー初心者が多い日本のサッカーファンにたくさんの記憶を残した。

そんなサッカーブームの渦中だった1994年。熊谷浩二氏は鹿島アントラーズに入団した。
ボランチとして活躍し、鹿島アントラーズで多くのタイトルを手にした。
その後、ベガルタ仙台でプレーした後、現役を引退。
鹿島アントラーズに戻り、まずは鹿島の強化部にてスカウトの仕事をこなした。

5年間、高校や大学の選手たちを鹿島に合うかどうかを見定めて獲得する。
大迫勇也や柴崎岳、昌子源や梅鉢貴秀など、多くの有望選手を鹿島が獲得するにあたり動いた。
鹿島のスカウトはとても能力が高いとJクラブの中でも評価が高いのは、鹿島アントラーズというチームが結果を出しつづけてきたことと共に、鹿島の一員になるためという考え方を置いたうえで、選手を獲得するところにある。
巧い選手であれば良いわけではない。
鹿島アントラーズの一員になるべき人間としてふさわしいかどうか、チャンピオンを目指すために必要な強いメンタルを兼ね揃えているかなど様々な角度から選手を絞っていく。
その上で、獲得するのであれば家族になるために全力を尽くし、サッカーのためだけではなくお互いをファミリーとして関係を築き、選手の家族へのコミュニケーションも忘れない。

そういった深さのあるスカウト活動をする鹿島スカウトは、鹿島アントラーズを創りあげる上でとても重要な役割だった。

選手たちを選別し、獲得する能力を培った後、熊谷氏はユースのコーチに就任した。
それが2011年のことだった。

選手として鹿島アントラーズでプレーしただけでなく生活をしたことで、トップの選手としてなにが必要かを知っている。
鹿島は一貫したジーコスピリッツによる「芯」がある。
だからこそ、それを引き継ぐことのできる選手を育成するためには、人間形成の部分で土台作りが必要なことを身をもって知っているのだ。
さらにスカウト業をしてきたことで、その年代の指導者たちに直接触れてきた。
さまざまな指導者に出会う中で、良い部分悪い部分に触れたことで自分の中で指導者となった時の理想像が出来上がっていた。

16歳から18歳という多感な時期は、サッカーだけでなく日々の楽しさはそれ以外にも山ほどあり、欲も多くなってくる。
それらの気持ちとサッカーへ向かう気持ちの方向性をしっかりと作り、行動を示し向上心の矛先を示すことは指導者として、そして大人として必要なことだと考えた。

コーチとして3シーズンを過ごし、そして監督に就任したのは昨年のこと。
しかし、コーチ時代と主観は変わっていない。鹿島には一貫したジーコの教えがあるからだ。

規律とプロ意識をしっかりと植え付け大事にしたジーコの理念が鹿島の一貫した思想なのだ。

●競争であり、強化であり、育成。そのすべてを追求する

鹿島ユースで選手となると、鹿島アントラーズと提携している鹿島学園へと進学することとなる。
鹿島学園と提携していることで、ユースの試合の日程や遠征などを考慮し、授業を組むことができ、全員がきちんと高校卒業となるようプログラムされる。
修学旅行として海外遠征も実施し、海外の強豪チームと対戦して帰ってくるサッカー漬けの修学旅行も行われている。

鹿島学園と提携することで、学業とサッカー育成の両立が可能となっており、それはこの年代の選手たちにとってとても恵まれた環境といえるだろう。
Jクラブではユースとトップの選手が同じ寮というところが多いが、鹿島はトップ選手との違いを付けるために同じにはしていない。
あくまでトップはプロ選手であり、トップにあがったからこその環境を用意している。
ユースの選手たちの寮はスポンサーでもあるエア・ウォーターの社員寮となっている。

社会に出た大人たちと過ごす寮ということで、時間厳守や社会的マナーを身につけることができ、社員寮といえどもユース選手たちのためにトレーニングルームが完備されているなど、快適に3年間を過ごせるようになっている。
さらに食事は栄養面からサポート。
株式会社明治ザバス(ZABAS)と連携し、栄養管理と指導を行っている。
この年代は身体の成長期だからこそ、しっかりとプロ選手になるための身体づくりが必要であり、それに必要な栄養の指導を行い、どういったものを食べることで変化や効果があるのかをユース年代のうちにしっかりと根付かせるという指導をしている。
こういった中で生活することで意識を高めることもできる環境となっている。

アカデミーの永遠のテーマである強化と育成。
これを天秤にかけた時、どちらに配分を置くかというのはとても難しい選択となっている。
トップに上げて通用するトップチームに必要な選手を育てること、そしてチームとして結果を出すこと。
それはイコールではないというチームが多い中、鹿島ユースはそのどちらも必要でイコールと考えている。

王者とも呼ばれる常に頂点を目指していくチームであること、そしてそう歩んできた鹿島の歴史を背負うことは簡単なことではない。
だからこそ24時間すべての時間で気を抜くことなく、プロであり続けなくてはならない。
プロサッカー選手としての高い意識を持つ生活を送ることが必要となると考えている。だからこそ、ピッチ外でも規律のある規則正しい生活をし、サッカーに集中するようかなり厳しく指導するというのが鹿島ユースのスタイルだ。

鹿島アントラーズはトップチームだけが鹿島アントラーズの看板を背負っているわけではない。
アカデミーの選手たちも含めて鹿島アントラーズであること。
だからこそ、それに恥じない姿でいなくてはならないのだ。

東京をホームとするFC東京や、そのお隣である横浜Fマリノスのアカデミー生の人数に比べると人数は少ない。
ユースやジュニアユースのセレクションを受けにくるのも、そういったところでふるいにかけられ落選してきた選手も少なくはない。
それでも鹿島は鹿島らしく選手たちを育成し、選別し、鹿島の一員になれると判断した選手を育てていく。

今年は昨年以上の結果を残す目標を置き、そしてトップチームに輩出できる選手を育成できること。
その二つをいつも通り追求することとなるであろう。

熊谷監督になり2年目の今年。
鹿島ユースはどのような結果を出し、どんな選手が育っていくのか楽しみである。


次世代の鹿島アントラーズを背負う選手が今、ユースで芽を出すことをいまかいまかと待っているのかもしれない。

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鹿島ファンなので読ませていただきました。とても興味深かったです。これからはユースの事も考えながら、トップチームを見ていきたいと思いました。

あしゅん  Good!!2 イエローカード0 2015/04/20|11:24 返信

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