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【ガンバ大阪】 ついに首位に立った!優勝へ向けた争いは残り1戦!【浦和レッズ 鹿島アントラーズ】

2014/11/30 12:14配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


ついに立場が逆転した。
絶好調といって良いであろう時期を迎えている、ガンバ大阪がついに首位に立った。

4月の末から首位に立ち、何度か2位の位置にいることがあったもののそれでもほぼ今年は浦和レッズのシーズンだと印象を残すほどに、強さを発揮してきた浦和レッズ。
リーグ序盤は苦しい戦いが続き、降格圏順位になったこともありながら、中断期間後の猛烈な追い上げでついに浦和のしっぽを掴んだ形となったガンバ大阪は、リーグ首位に躍り出た。

勝ち点は同じ62。
しかし、得失点差がなんと7差もついており、ガンバ大阪優勢という立場となった。

●終盤の失速は失うものが大きかった…浦和レッズのダメージ

今年は間違いなく浦和レッズのシーズンだったはずだった。
しかし、ここ5試合で勝った試合は1試合と、タイトルに手を伸ばし届きそうな場面で失速してしまったことは大きな損失を生んでしまった。
なによりも大きかったのは、勝てば優勝となるはずだった、ガンバ大阪との直接対決だ。

日本代表週間で短期間の中断に入った時期に、どう準備ができるかというのがとても重要だった。
その時期、ガンバ大阪はナビスコ杯の決勝を戦っている。
結果、優勝という結果を掴み、タイトルを手に入れた。
はじめてのタイトルを経験したエース宇佐美は泣き、大きな歓喜がガンバ大阪周辺を包んだ。
その後、主力の3名が日本代表に招集され、代表招集された選手たちは練習はもちろん試合に出場した選手、そして移動も2度重ねた。
体力的にはガンバ大阪の方が難しい日程ではあったものの、今年のガンバ大阪はタフに試合をこなしながら試合を重ねるごとに強くなっていった。

浦和レッズとの一戦で、勝利をしても首位に立つことはできないガンバ大阪だった、それでも優勝の可能性が出てくるという強い気持ちがあった。
しかし浦和レッズは真っ赤に染まる埼玉スタジアムの地で、優勝を決めるチャンスであり、2位との直接対決で決めることができれば最高という舞台だった。

しかし。
結果的にガンバ大阪の完勝といっても過言ではないほどの試合だった。
J1の首位と2位の戦いにふさわしいレベルの高い熱戦となった試合。
前半は浦和ペースで試合が進み、後半に入ってもなかなか両者チャンスを物にできない時間が続いたもののガンバ大阪指揮官・長谷川監督が送り込んだ途中出場佐藤が先制点を決めると、続いて送り出された倉田が追加点を取った。
ガンバ大阪が勝利したことで、浦和の優勝はこの日決まらず、この敗戦のショックは大きかったはずだ。
プロだといっても彼らは鉄人ではない。絶対に決めたかった場面で決めることができなかったショックはメンタルに大きなダメージを与えたことだろう。

そして迎えた昨日の試合。
もうひとつも落とすことができない浦和レッズだったが
1-0で試合は進み、勝利を得る直前。最後のワンプレーとなるはずだった場面で鳥栖はパワープレーで挑んだ。
そして優勝の可能性をその時わずかながら残し、はじめてのACL挑戦の夢を残したい鳥栖は1ゴールを掴んだ。
その結果1-1のドロー。
浦和レッズはガンバ大阪の結果を受けて2位へと後退してしまった。

●戦うほどに強さを重ねるガンバ大阪

なぜこんなにも強いのか―。
そう感じてしまうほどに、今のガンバ大阪は誰にも止めることができないであろう。
あの浦和レッズでも止めることのできなかった、ガンバ大阪。
本当に今ガンバ大阪はノリにノッている。

まずそのひとつの要因として宇佐美の絶対的エースの活躍があるが、それは第一の要因ではないと考える。
大きなポイントは今野がボランチとなったことにあると考える。

今野はもともとボランチの選手だ。
プロ生活としてスタートさせた札幌では、岡田監督の指揮の元でボランチとしてのプレーを磨き、五輪代表ではこんなボランチが日本に出てきたなんてと驚異をサッカー界に与えた。
その後FC東京に移籍し、センターバックに転向。
センターバックになりながらも守備センスもたしかに富んだ選手であることは間違いないが、最終ラインから試合を作ることができるのはとても大きな武器となった。
当時のFC東京の中心はセンターバックである今野であり、チームの攻撃も守備もセンターバックの位置から今野が形成していた。

その後、ガンバ大阪でもセンターバックを務めたが今野の良さがいかされない起用が続いた。
今野の良さはディフェンスという部分だけではなく、バランスの良い攻撃と守備と、攻撃に転じるときの起点となれる点だ。
その点を評価していたザッケローニ監督は今野にこだわり続けたのはそういった点であった。

そのバランサーとしての部分や起点となるセンス、そし全体の守備を統率できる戦術眼。
それがいかされるのはやはりボランチと睨んだ長谷川監督は、今野をボランチにコンバートした。

その結果。
今野がボランチの一角となったことで遠藤がそれまで背負っていたバランスの部分と、守備にかけるプレーの数々が軽減され、より自由に仕掛けることができるようになったこと。
そして今野が一列前に出たことで、守備のバリエーションが増えたこと。ボランチの位置で相手のエースを潰すことができるようになったこと。
今野が起点になることもでき、前に出て攻撃にも参加できること。
そういった効果で遠藤が今までにないほどの好調となり、遠藤のピークはまだまだと思わせるほどに現在躍動を魅せている。
そして今野がボランチになりアギーレ監督が評価し、日本代表に招集したように、今野はボランチとして今野らしさを取り戻した。
結果、日本代表の試合でもボランチ位置でボールを奪取し、すぐに攻撃に転じるボールを何度も配球するなど光った部分がたくさんみられ、さらには得点も記録した。

今野がボランチとなったことでガンバ大阪の全体の質が向上したといっても過言ではないはずだ。

それに加え、大事な場面や決めるべき時に決めてくれる存在である宇佐美やパトリックが得点を積み重ね
阿部や大森など選手たちも成長を魅せるだけでなく、そういった選手たちをいかす方法を戦いながら得ていった。
控えの層も厚く、競争をチーム内で熾烈とすることで途中交代した選手たちが結果を残そうとすること、そしてガンバ愛が深いこと。
J2でもJ1の質を意識してプレーし、遠藤が質を落とさないサッカーを演出してきたことで、それについていくことが難しかった選手たちが、試合を重ねて育ち、そのレベルにまで達することでチームとしてのレベルが向上したことも大きい。

一度、下に落ちたことで知った 下から見た「上」。
だからこそ、上を目指すことはモチベーションに繋がったはずだ。
そしてついに、一番上の位置に立った。

●優勝の可能性をわずかながら残す 鹿島アントラーズも忘れちゃいけない

優勝の可能性を残すのは現在3位の鹿島アントラーズだ。
鹿島もここ最近はかなり好調といって良いであろう。
世代交代に成功し、誰が出ても鹿島アントラーズのサッカーを表現できるサッカーはさすがといったところだ。
何度もタイトルを経験してきたのは偶然ではない。その経験で満足することなく挑戦し続けてきたからこそ鹿島のサッカーは「鹿島のサッカー」として継続される。
Jリーグ1の若さを誇るディフェンスラインだが、安定しており鹿島の壁を作っている。そして中盤から前線も少し前までは名前を聞いてもピンとこないような人も多かったであろうが、このシーズンでその名前が知れ渡るようになったほどに活躍を魅せている。
年齢としてはまだまだ若い選手たちだが、メンタルの部分も強くここぞという場面で結果を出すことができるのは鹿島スピリットが起こすものなのだろうか。
人間形成の部分も携わる鹿島の手腕といったところだろうか。

ガンバや浦和が注目される今年のJリーグだが、鹿島アントラーズの今シーズンもかなり注目すげきシーズンだった。
鹿島は若い選手たちが中心核となり世代交代に着手してから選手たちが今年は本当に強く育ち、常勝鹿島のサッカーをけん引している。
そして小笠原満男はもちろん、西大伍をはじめとするサッカーセンス溢れる部分はジーコサッカーを主とする鹿島ならではの一つの芯を感じることができる。

ACL圏内、そして優勝の可能性を残す鹿島アントラーズも最後まで走り続けることだろう。

残る試合は1試合。

最終戦は

浦和レッズはホームで名古屋グランパス
ガンバ大阪はアウェイで徳島ヴォルティス
鹿島アントラーズはACL圏内の可能性を残す鳥栖と直接対決をホームで

キックオフは最終戦なので15時30分と同時刻。

どちらも勝利となると勝ち点差7があるガンバ大阪の優勝が濃厚
ガンバ大阪が勝利し、浦和レッズが引き分けや敗戦だとガンバ大阪が優勝
浦和レッズが勝利し、ガンバ大阪が引き分けや敗戦だと浦和レッズの優勝
ガンバ大阪も浦和レッズも敗戦となった時に勝利していると鹿島アントラーズの優勝

ガンバ大阪は徳島ヴォルティスとJ2時代を含め4回過去に戦っているが、その4戦で合計11得点も記録している。
力の差でいえばガンバ大阪優勢であり、今のガンバ大阪を止めることは難しい。

しかし、最後まで何が起こるかわからないのがfootballだ。

残り一週間の準備期間。
良い準備をして集大成を懸ける想いで、決戦を迎える―。

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