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【FC大阪】 大阪第3のクラブとなるために ニュースタイルの確立とWINを生む関係性 【JFL昇格】

2014/11/25 14:06配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


2014地域決勝の決勝ラウンドが行われ、JFLに昇格を決めたひとつのチーム。
FC大阪。

FC大阪の次のチャレンジの場となるJFL昇格を決めた。
しかし、FC大阪の目指すところはそのもっと上となる。

大阪第3のプロクラブになるため、FC大阪が取り組む様々な興味深い活動について、FC大阪のクラブ事業部マネージャー高橋氏にお話しを聞いた。

●大阪第3のクラブになるための「オンリーワン」戦略

サッカーファンでなくとも知っているほどに大きなクラブが大阪にはすでに二つ、存在する。
ガンバ大阪 セレッソ大阪
この二つの巨大クラブはJリーグの中でも大きな存在感を放ち、全国的に浸透している2チームだ。
その大阪という大きなサッカークラブが2つすでに存在している中で、FC大阪は第3のJクラブになることを目標に現在前を向き進んでいる。

ガンバ大阪 そしてセレッソ大阪
この二つのクラブは母体となったチームがJリーグの前身であるリーグに参加しており、そこからガンバ大阪はオリジナル10のクラブに、そしてセレッソ大阪は、まだJ2がなかった頃J1のすぐ下のカテゴリーだったJFLで戦うことで上位となりJリーグ昇格を決めたクラブだ。
今のJリーグまでの道となる、地域リーグ→地域決勝→JFLという道を歩んだクラブは大阪ではまだ、存在しない。
地域リーグは現在上から数えると5部という数え方となる。
そこからひとつひとつ段階を踏み、プロを目指すクラブは大阪では初となる。


大きな2チームがあること。
それは大きな鏡となり、良いところは取り入れ、そしてその2クラブにない部分も出していきたいとFC大阪は狙う。


ガンバ大阪ジュニアユース、ガンバ大阪ユースとガンバ大阪のアカデミー出身の高橋氏はアカデミー選手としてガンバ大阪を経験し、プロ選手として徳島ヴォルティスでプレーした経験があり、Jクラブというものを肌で感じ、過ごした経験を持っている。
その上で他にはないFC大阪らしいニュースタイルを築くことを目標に、これまでになかった試みを地域リーグのクラブながらたくさん取り入れているクラブなのだ。

巨大な2チームが存在し、Jリーグのクラブ。という間近に感じることのできる大きな壁。
しかし、FC大阪にはFC大阪にしかないカラーを出す自信がある。

ライバルという土俵にはまだ上っていない。
ライバルではなく、良き目標、良き示しとして捉え、その上で新しいことを発信できるクラブに―。
それがFC大阪のスタイルだ。


●入口を拡げ、footballに人を呼び込む力

FC大阪は当然のことながらフットボールクラブだ。
しかし、その入り口をFC大阪はとても拡げている。

サッカーを観に行く。
それはfootballを観に行く人たちにとって基本的な部分だと思いがちだが、日本のサッカー文化は実はそれが基本ではない。
もちろんfootballが強く根付いてるチームも地域も多くあるが、Jリーグの良さはサッカーを観に行くというよりも応援しているチームを観に行くという感覚の方が近い文化だ。
サッカーを詳しく知ろうとするとそれは限界があり、プレーしている選手以上には理解することは難しく、サッカーというスポーツの持つ単純なゴールをした数が多い方が勝ちというものが分かってさえいれば、そのチームを好きになったり応援する選手たちを観に会場に足を運ぶことができる。
チームや選手といった「入り」で試合に足を運ぶ人たちが増える文化がある。

FC大阪はサッカーではない入口も開放していきたいと話す。
近年、Jクラブでもホームゲーム開催時にさまざまなイベントが組まれそのイベントによって集客に変化があることが多くなってきた。
一昔前はサッカーだけで人を呼んでいたJリーグだが、これだけクラブが増えてくるとそれだけでは生き残れない時代にもなってきている。

根本はもちろんサッカーの部分ではあるが、その「入り」をもっと増やしたいと高橋氏は語る。

そのひとつにFC大阪広報ガールズというひとつの挑戦がある。


FC大阪広報ガールズには、モデルやタレント、元アナウンサーが所属している。
FC大阪の広報的な部分を彼女たちが発信し、呼びかけることが基本的な仕事となっているが、これには狙いがある。

Jリーグのクラブにもチアチームやチームのガールズという位置で女性を起用し、チームの発信を行っているところが近年多いが
FC大阪広報ガールズは地域リーグのクラブとしてこれを取り入れた数少ないクラブだ。

彼女たちはもともとそれぞれのカテゴリーで自分たちのファンを獲得してきた。
そしてFC大阪広報ガールズとなることで、FC大阪のサポーターからも注目されることとなり、そしてもともとのカテゴリーで応援してきてくれた人たちがFC大阪に興味を持ち、彼女たちを観にFC大阪の会場に足を運ぶ。
逆に、FC大阪広報ガールズとして活動することでFC大阪サポーターは彼女たちの顔と名前を憶え、彼女たちだけのイベントがあっても普段はFC大阪のために頑張ってくれているからと、そちらの活動にも足を運ぶ。
そんなお互いへのWIN/WINな流れが起こるのだ。

彼女たちはもともとサッカーに興味があり、深く知っているわけではなかった。
しかし、FC大阪の広報ガールとなることで試合を現場で観て感じチームを応援し、そしてサッカーの面白さを知る。
そしてそれをSNSなどを通じてたくさんの人たちに発信する。

footballへの入り口がfootballではなくとも、流れを生むことで自然と生まれる新たな気持ちや興味を摘むことができる
それがFC大阪が考えるひとつの可能性なのだ。

さらに、FC大阪はフットボールクラブという見えない枠にとらわれることなく、様々な活動を取り入れているが、この広報ガールズを発信にして新たなる企画を発案中だ。
元アナウンサーの広報ガールズが在籍しており、これまでの活動やアナウンサーになるために大阪という地で難しかったことなどを話したことがきっかけとなり
アナウンサーを育てるための養成所を基本として、女性としてのマナー講座や就職に役立つ面接指導などを総合した場を作ろうと模索している。

FC大阪ではUstreamで生放送で放送している番組があり、述べ20万人の人たちがこれまでに見たとされる番組に急成長している。
その番組と連携し、アナウンサー講座のカリキュラムに番組で実際にアナウンスやリポートをする機会を与えたり、FC大阪を取材するという機会を作ることが可能だという。
その他、運営会社であるFC大阪は営業力に自信を持っており、営業努力を日々行っている場でもあるため、そういった場の現場に出し社会の営業の場でマナーや姿勢、取り組みなどを実践として取り入れることができるようなカリキュラムも可能だ。

サッカーには関係ないように思えるが、
FC大阪というクラブがあり、そこに広報ガールズが存在し、そこに属する女性からの発信で拡がり講座を作り
その向上の場としてサッカークラブが発信する現場を使うことができる

この可能性の広がり方は新しく、そしていかなるものも無駄にはせずに様々な角度からの視点で種を撒き、実とする可能性を持っているということをFC大阪は発信しているのだ。

サッカークラブはサッカーだけしていれば良い―。
それでは第3のクラブとしての新しい発信はできないと考えている。


FC大阪はまだ地域リーグに所属していたクラブだ。
しかし、チームの運営はプロクラブにかなり近く、そしてプロクラブでもやっていなかった発信も行っている。

ニュースタイル。

それを掲げるFC大阪の発信はとても興味深く、新しい。


footballを伝える方法は、footballという入口だけでなない。
それを確立させていこうとしているのだ。


地域リーグからJFLに昇格が決まったFC大阪。

現在すでにプロ契約を結ぶ選手を有し、提携しているスポーツジムやFC大阪のスクールで指導するなどしチームの連携に関わりつつプレーしている選手たちもいる。
JFLに上がることが決まった今、選手たちの志気もさらに上がることであろう。

FC大阪の目指す道は


最短―。

Jリーグという場所にたどり着くまでに、時間をかけるつもりはない。

FC大阪のさまざまな活動においては興味深いものがたくさんあるので、次の機会にまだお伝えしようと思う。
Jリーグ発信だけがすべてではない、まだ見ぬfootballの可能性をFC大阪は持っている―。

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