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サッカーを知るための「視点」 ~微妙な判定編~

2015/03/20 16:19配信

武蔵

カテゴリ:コラム

サッカーをより深く知るために意識したいことそれは「視点」です。

その意味は2種類あって

①比喩的な「視点」と②直接的な意味での「視点」とに別れます。

①は、その試合やプレーに関して、様々な人の意見を入れた後にまた見直す

②は、例えば現地で見ていた場合は帰宅後に録画を見直す

生中継をテレビ観戦した場合は、そのシーンをスローなどにして見直すという風なことです。

つまり両者とも、同じ試合を何回も見直してみよう、というものです。

それにより、サッカーについて、いろいろなことが分かってくるというものです。

今回は3月18日に行われたヤマザキナビスコカップ開幕節

FC東京vsアルビレックス新潟のある判定について取り上げたいと思います。

微妙な判定に際し「視点」を変える、増やす

https://www.youtube.com/watch?v=l9Z5X9AZcVc&feature=youtu.be&t=3m3s

その判定は、後半30分に起きました。

FC東京のFW林容平を、新潟DF大井健太郎が倒したとの判定でファウル

それがペナルティエリア内での出来事だったためにPKとなったプレーです。

結局、その1点が決勝点となり、FC東京が勝利を収めることになるのですが

このような深い時間帯でのPKは試合の行方を大きく左右します。

従って、PKの判定が出た際には、与えた選手とその味方選手による

執拗な抗議というものを、割と頻繁に見ることが出来ます。

そして今回も、その例に漏れることはありませんでした。

大井と新潟の選手達による派手なアクションの抗議を見ることが出来ました。

瞬間的なことではありますが、選手というものは試合中

いろいろなことを考えながら、しかし集中してプレーしているはずです。

つまり、冷静沈着であるはずです。

その選手達が派手なアクションを取るということは

冷静に考えて、その判定に不満があったということでしょう。

ここで「視点」を変えたいと思います。

上記における①にあたるものですね。

取り入れたいのは試合後の新潟・柳下監督のコメント記事です。

この記事によると柳下監督は試合後の公式会見で

「ボールと相手と一直線上になっていっても、相手の体が入っているから、ファウルにしかならない」

とコメントしているようです。

選手達の判定直後のリアクションとは正反対で、判定に沿った意見です。

「いつも言っていることだが」

ともコメントしています。

日頃から審判をリスペクトしつつ、基準に沿った合理的な指導をしていることが窺えます。

そして、この手の意見が分かれそうなジャッジに関しては

言う時はビシッと言う柳下監督の発言だけに価値がありますし

選手も見る側も、次のプレーに参考にしてほしいと思います。

そうすることで、ジャッジに対する批評も中身を伴うというものです。

異なる視点を持つことが出来たと思いますのでもう一度同じプレーを見てみましょう。

先ほどとは見方が変わってくるのではないでしょうか。

この後、大井は柳下監督にたしなめられたんだろうなぁ・・・

というような想像とセットになっているかもしれません。

これは私見であり想像でしかないのですが

このファウルに関して、もしハーフウェーライン付近であったらどうでしょうか。

少なくとも見る側は、必要悪と言えるファウル

いわゆる「プロフェッショナルファウル」と感じるのではないでしょうか。

それなら判定に不満を示す者が内外に出ることはなかったかもしれません。

今回はそれがペナ内で起こったということです。

ファウルと判定され、PKとなったこう考えると、実に平素なものです。

そして、この判断をした榎本一慶主審のジャッジの迅速さも目を引きます。

笛を吹き、ペナルティスポットを指し、カードを提示するまでには

まるで躊躇がありませんでした。

それだけの判断を、日本のトップカテゴリーを裁く資格のある

レフェリーが下したのです。

それなりの基準に依るものだと感じることは容易でしょう。

誤審が続いた後であるだけに、よりフェアに見たい

ご存知の通り、Jリーグは開幕直後から誤審が続きました。

それも点数に関わる、勝敗に関わるレベルのものです。

そのため、微妙な判定があった場合、その判定に対して懐疑的になる向きが

増えたのではないかと思います。

少なくとも今シーズンに関して、発端は審判とはいえ、それは避けたいことです。

それらの審判へのリアクションが仕事に影響がないとも限りませんし

また、的外れな批判は恥です。

今回の微妙な判定でもそうですが、審判を批判してガス抜きしておしまいにして

審判へのヘイトだけ持ち越し、というのでは進歩もありません。

審判も努力をしています。

ならば、見る側に出来る努力はあるでしょうか。

あるとすれば、サッカーについてより知ることで解決できそうではないでしょうか。

それが、今回取り上げた「視点」に関することです。

見る側にとってサッカーはあくまで娯楽です。

判定にストレスを溜めるのは一番良くないことです。

例えば上記で挙げたような

他の意見を入れて、録画を見直す

というようにしていくことで、あなたのサッカーを取り巻く環境が

ガラッと変わることでしょう。

例えば判定に対してストレスをためないようにすることというのは

案外、自分で解決できる類のものだったりします。

そしてそれは、今回の話題に限らず、言えることかもしれません。

皆さんのサッカーを取り巻く環境が良くなることを祈っております。

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