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【FC大阪】 クラウドファンデイングという新しい繋がりの形 既存クラブにはない発想を持つ運営 【地域リーグ】

2014/11/14 13:03配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム

 

現在、西日本最大の都市である大阪には2つのJクラブが存在しているが、第3のクラブを目指し戦っているのがFC大阪。
日本全国を9つに分けた地域リーグで、関西リーグに所属しているFC大阪は本格的に次のステップに向けて現在地域決勝で戦っている最中だ。

予選リーグを全勝で突破し、22日からは地域決勝の決勝ラウンドを戦うこととなる。
初戦の相手は同じ関西リーグで戦う奈良クラブ。
とても重要な試合になるが故に、予選リーグを戦い終えた今、次の戦いに集中している。


そのFC大阪が取り組むクラウドファンディングという取り組みをご紹介しようと思う。
Jのクラブでも運営資金の確保が難しく、収入と支出の間で苦しむクラブがあることはサッカーファンなら誰でも知っていることだろう。
Jリーグという後ろ盾があり、Jリーグという日本中に認識されたリーグに所属していても難しい運営。Jリーグ以下のリーグはもっと厳しいことは安易に想像がつくことと思う。

それでも今、時代は本当に変わったと感じる。
それは地域リーグのクラブやJFLのチームにもたくさんのサポーターが見に来ていること、そしてスポンサーがついていること。
少し前では考えられなかった現象だ。
それだけ、Jリーグというリーグが日本全国に与えたサッカーを観る、支えるという「文化」を根付かせ拡げたものであろう。
注目は日本代表というトップ機関から地域リーグまでさまざまであり、その幅広さを伝えたのもJリーグというfootballの可能性だ。

FC大阪は第3のJクラブとして戦っているだけでなく、独自の運営方法や独自の取り組みが非常に多いクラブだ。
その中のひとつである、クラウドファンディングに注目したい。


●クラウドファンディングという新たな可能性

(PHOTO by FC大阪)


クラウドファンディングという言葉を聞いたこともない人も多いことだろう。
これは、製品開発やプロジェクトを実行するために必要な資金を、インターネットを通じて不特定多数の人々から募る方法だ。
そして、その支援者たちには支援を「購入」してもらうだけでなく、リターン(見返り)が約束されている。

今回FC大阪が発信するクラウドファンディングは2回目となるが、11月22日から千葉県にて始まる地域決勝の決勝ラウンドを戦うためのサポート資金を募チャレンジとなる。

千葉県市原市で行われる地域決勝・決勝ラウンド3日間3連戦をベストな状態で戦い抜くための活動資金の支援をお願いしている。
予選リーグの前に、第一弾が行われ、予想を上回る支援を受けることができたために、その時の支援金額をプラスし、足りない部分をクラウドファンディングにて第二弾として支援を募るという取り組みだ。

金額によって支援者へのリターンに違いがあり、

1000円サポートした支援者へは…

FC大阪よりお礼のメッセージカード

3000円サポートした支援者へは…

FC大阪よりお礼のメッセージカード
選手サイン入り生写真
JFL昇格記念ポスター(昇格が達成されなかった場合は2014シーズンポスターに選手のサイン)

5000円サポートした支援者へは…

FC大阪よりお礼のメッセージカード
選手のサイン入り生写真
JFL昇格記念ポスター
FC大阪オリジナルマグネットセット

10000円サポートした支援者へは…

FC大阪よりお礼のメッセージカード
選手のサイン入り生写真
JFL昇格記念ポスター
FC大阪オリジナルマグネットセット
選手サイン入りニットマフラー

30000円サポートした支援者へは…

FC大阪よりお礼のメッセージカード
選手のサイン入り生写真をご希望の選手やスタッフから手渡し
JFL昇格記念ポスター
FC大阪オリジナルマグネットセット(5種類)
選手サイン入りニットマフラー
選手サイン入りTシャツ
選手サイン入り選手着用シューズ

50000円サポートした支援者へは…

FC大阪よりお礼のメッセージカード
選手のサイン入り生写真を希望の選手やスタッフから手渡し
JFL昇格記念ポスター
FC大阪オリジナルマグネットセット(10種類)
選手サイン入りレプリカユニフォーム
FC大阪所属のブラジル人選手やスタッフとフットサル

100000円サポートした支援者へは…

FC大阪よりお礼のメッセージカード
選手のサイン入り生写真を希望の選手やスタッフから手渡し
JFL昇格記念ポスター
FC大阪オリジナルマグネットセット(10種類)
選手サイン入りレプリカユニフォーム
FC大阪所属のブラジル人選手やスタッフとフットサル
選手・FC大阪広報gilsとの食事会
2015年開催のリーグ開幕戦を特別席でFC大阪広報タレントまたはFC大阪広報girlsと観戦
2015年FC大阪ホームページにて企業名や名前を年間を通じて掲載
2015年ホームゲーム年間チケット

https://www.countdown-x.com/ja/project/U6084881

と、いったように支援の金額によってリターンにも段階があり、最大で30万円支援までのリターンが開示されている。
気軽に1000円から支援をすることができるのは入り口としてとても広く、誰でも支援に参加することができることがとても興味深い。

少し前の時代に比べると地域リーグのクラブにサポーターがいるというのはとてもありがたいことだと思うが、それでもまだまだ少ないのが現状だ。
こういった支援にチームのサポーターや応援者という枠ではなく、1サッカーファンとしてや、大阪に第3のクラブができてほしい、関西にまた新しいクラブがJに上がってきてほしいなどという気持ちのある人々、今まで地域決勝を戦った歴史のあるクラブや地域決勝をステップに現在Jで戦うクラブを応援する人々などが気軽に支援をすることによって、将来Jという舞台にFC大阪が立った時や、ステップアップした時には自分もあの時支援した一人だと思うと感慨深くものがあるだろう。


近年のインターネット社会において、今は人々がインターネットという場所を活用しさまざまな情報を発信し、収集する世の中となった。
そういった中で、こういった呼びかけをインターネットで日本中、そして世界中に発信できる機会はとても良い案であり、興味深いものだ。
FC大阪はクラウドファンディングという取り組みの場として「COUNTDOWN」という場所を選んでいる。
日本だけではなく世界への発信する場所として世界中のクラウドファンディングを取り扱う場所を選んだ。
これまでにたくさんのアーティストや制度、プロジェクトが支援の呼びかけを行い、達成してきている。

目標金額に達成できなかった場合はチャレンジへの支援は行われず、支援した資金は返金されるというのも安心感がある。

今回のFC大阪が支援をお願いするチャレンジは300000円。
支援がその金額に達成された場合実行され、FC大阪は地域決勝・決勝ラウンドにて支援の力を使うこととなる。


●地域リーグを勝ち上がる熾烈な戦い

地域リーグというとまだまだJに遠い存在という感覚かもしれないが、そうではない。
地域決勝は地域リーグで優勝、または全国社会人サッカー選手権(全社)にて3位以内に入ったチームの合計12チームが出場できる場所だ。
しかし、この上を目指すチームは何年も地域リーグという場所にいるわけにはいかないというのが正直なところだ。
と、いうのも地域リーグのクラブは運営費が厳しい状態だ。
当然地域リーグのクラブよりもその上のステップのクラブにお金を出したほうが、スポンサー的には露出も多く、お金を出す理由として成り立つが、ずっと地域リーグよりも上を目指せないチームにお金を出すかというと難しい部分がある。
そうなるとチームの在籍選手たちにかかる費用や遠征費などの確保はとても難しいものだ。
だからこそ、勝負年を決めてしっかりと結果を出せなくてはいけない。
FC大阪は今年、勝負の年へと設定しJFLを目指しシーズンを戦うだけでなく、クラブ運営もしてきた。

運営状況が毎年変わるため、地域リーグのクラブが毎年同じ戦力で同じ強化資金で戦えることは難しい。
そして今年は力を入れてこなかったチームが来年には本腰を入れるという場合も当然あり、先行きが読めないからこそ、地域リーグから勝ち上がるための地域決勝はとても熾烈な戦いとなるのだ。

チームの運命のかかる戦いだからこそ、こういった資金も必要となり、支援をお願いする。
その方法としてクラウドファンディングという方法はサッカークラブにとって新しい試み・取り組みであり、興味深い。

FC大阪の取り組みはJリーグでも発信されていない形のものが多く、人に魅せるクラブの取り組みとして、そして独自の世界観を持つクラブとして魅力的なクラブと感じる。

このクラウドファンディングという形が、今後サッカー界に新たな支援の形として浸透する可能性もある。

支援という形から身近に感じるクラブ というのも新しい道かもしれない。


FC大阪のクラウドファンデイングというチャレンジはあと7日間行われている。
リターンのある支援という形。

クラブと繋がるひとつの方法 クラブを支えるひとつの方法


可能性は無限、だ―。

 

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