2015/03/02 18:29配信

武蔵

カテゴリ：コラム

パウリーニョ

栃木→(川崎→)千葉

日本語の達者なこのブラジル人ボランチは今季再びJ2に戦場を移します。

川崎へのレンタル移籍は2014年シーズンを持って期間満了を迎え

そして今度は、所属元の栃木から今度は千葉へ完全移籍を果たしました。

特徴は運動量と、強いコンタクトに裏打ちされたボール奪取です。

特にフィジカルに関してはJ1でも上位でしたのでJ2では、いわゆる「反則外国人」と言えるレベルでしょう。

現に、栃木はパウリーニョに浮沈がかかっていましたしパウリーニョのケガによる離脱後に、大きく順位を下げてしまう

ということが多々ありました。

パウリーニョのJ2における実績は、全てが栃木SCと松田浩と共にありました。

2010年7月の加入以来、その特徴を充分に生かし

また、松田浩の規律とオーガナイズを最重要視する厳格なチームにフィットし

その中で存分に持ち味を発揮し、チームの中心となってきました。

能力もさることながら、異なる環境や戦術への適応能力は折り紙付きです。

川崎にフィットしなかったのは

川崎のサッカーがさすがに特殊すぎたとしか言いようがありません。

確かに川崎でのパウリーニョは、ショートパスの経由地点としての役割を

全うすることは出来ず、いつもノッキングを起こしていました。

しかし、やるサッカーが変われば選手も変わるのがサッカーというものです。

その点、千葉の関塚監督が見せている堅守速攻においては

フィットどころか、チームの中心になるでしょう。

千葉の長年の懸案事項だったセントラルでのボール奪取力と合わせて

まさに待望の人材と言えるかもしれません。

また、千葉の懸案事項といえば、キャプテン・山口智の後釜の問題もありました。

しかし、栃木でも2シーズンキャプテンを務め、日本語も堪能

そして何よりプレーで味方を勇気づけられるパウリーニョの就任により

解消されたとみて良いでしょう。

千葉は本当に良い補強をしました。

来期、7年ぶりにJ1への帰還を果たす準備が整ったと言えるでしょう。

それと同時にパウリーニョにも、J1へのリベンジを果たしてもらいたいものです。

山田直輝

浦和→湘南

FC浦和、浦和下部組織時代、さらには年代別代表における数々の栄光

2009年、19歳にしてA代表選出、そして初出場のチリ戦でのアシストも今や昔

2010年からの5シーズンでリーグ戦出場は29試合に留まりました。

知っての通り、その間に2度のW杯を消化しましたが

彼の名前を見る機会はケガ関連のものばかりでした。

代表はもちろん、所属先の浦和での出場機会も限られるということが続き

彼は、幼少期から過ごしてきた浦和周辺を離れ

レンタル移籍先の湘南で25歳の今季を迎えます。

彼の特徴は運動量、それと細かいところで技術です。

それこそその2つは、A代表に呼ばれるレベルで備えていたものです。

どの専門誌を見ても、湘南の予想スタメンのトップに山田直輝の名を

見つけることは難しい状況ではあります。

しかし湘南の代名詞である激しい運動量と切り替えの速さ

また、カウンターの最短ルート、つまり真ん中の狭いところでの技術が必要とされる面で

山田直輝は非常に有利と言えるでしょう。

必ず出番が巡ってくるものと思われます。

その出番の時の為には、コンディションと試合勘

とにかくケガの無いように過ごすことが大前提ではありますが

昨年、大胆に取り入れた体幹トレーニングによりケガの発生を減少させた

湘南のマネージメントと合ったのか、順調にキャンプの日程を消化している模様です。

「良い時」「全盛期」の山田直輝とは、現状では20歳までの彼を指すことでしょう。

しかしそれはあくまで20歳にすぎません。

多くの選手がそうであるように、20歳よりも25歳の彼の方が選手として上だと

そう言わせてくれるような活躍を、今年期待しています。

茨田陽生

柏

彼は他の2人と違い、移籍をしていません。

しかし、注目選手という括りでいえば、彼を挙げざるを得ません。

今季に懸けるという意味では、移籍をしていない彼も重要だからです。

彼も柏の下部組織時代から高い評価を受け

U-18在籍時、18歳の誕生日にトップチームの公式戦に出場しています。

トップチームに上がってからも1年目から出場機会をつかみ

そこから毎シーズンJ1で、一定の試合数に出場しています。

しかし、なぜかこれでも伸び悩んだと見えてしまうのです。

それはなぜでしょうか。

ユース時代の輝かしい実績のせいでしょうか。

思うのは、毎年のようにタイトルを獲得してきたネルシーニョ監督の柏で

その「ヴィトーリア」の精神を体現出来ていたと言い難いからではないでしょうか。

精神的なことだけをクローズアップしているワケではなく

誰からも、あのフランサでさえも絶賛するほどの卓越した技術を

「ヴィトーリア」に結び付けることが不十分だった

それが、今ひとつレギュラー奪取に及ばなかった原因ではないでしょうか。

2014年シーズン、34試合のうち23試合出場で、うち16試合がスタメン出場

自他共に、これで満足なはずがありません。

そして今年は、その輝かしい下部組織を形作ってきた

吉田達磨監督が就任し、まさに一皮も二皮もむけるチャンスがやってきました。

吉田監督のサッカーで技術をフルに発揮し

そこにネルシーニョ時代に足りなかったものが加われば

私を始め、伸び悩んだと言う人はいなくなることでしょう。

しかし、彼に最適な、そして彼を理解している人物としては

これ以上無い人選ということ

また、特殊な戦術への適応という意味でも

上記のパウリーニョや山田直輝以上に

茨田としては、あとがない、とも言えるかもしれません。

「バラダマン」のカラータイマー、まさに鳴っています。

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