魅惑のベルベットパス
2014/08/07 23:52配信
カテゴリ:コラム
6月、オーストラリアのウェスタン・シドニー・ワンダラーズから、天才、小野伸二が日本へ戻ってきました。
移籍先は、以前所属していた清水エスパルスでも浦和レッドダイヤモンズでもなく、J2のコンサドーレ札幌。
年齢は34歳とサッカー選手としては大ベテランの域に達してますが、
オランダを中心に世界で称賛を浴びた「ベルベットパス」や華麗なボールタッチを、また日本で披露してくれるはずです。
◆ヨハン・クライフに評価された男
天才として清水から出てきた小野伸二、1999年にはFIFAワールドユースに準優勝を経験。
この時はキャプテンとしてゲームメーカーとしてチームを牽引していました。
そこから海外からでも注目されるようになり、2001年にオランダの名門フェイエノールトに移籍しました。
ウィング、トップ下、ボランチといろんなポジションでチームに貢献し、
ヨーロッパでの大会である、当時のUEFAカップでも優勝を経験しています。
彼はどのポジションでもシンプルに正確にプレー、
そしてその中でもイマジネーション豊かなプレーを魅せていました。
シンプルでイマジネーション豊かなプレーを好む、あのヨハン・クライフからも
小野伸二は評価され注目されていました。
◆ベルベットパス
彼はオランダでゴールも決めてきましたが、数々のアシストも決めています。
いつの日か、彼のパスはオランダで「ベルベットパス」と呼ばれるようになりました。
「ベルベットパス」とは、「布のように柔らかいパス」という表現です。
彼の数々のアシストも、柔らかく受け手の受けやすい優しいパスがほとんどでした。
現在マンチェスターユナイテッドにいるロビン・ファンぺルシー、リバプールのディルク・カイト、
以前チェルシーに所属していて今はリールにいるサロモン・カルーなどの
若き日のスーパースター達にも、彼は「ベルベットパス」を供給していたのです。
◆北の大地へ
海外では、ドイツのボーフム、オーストラリアのウェスタン・シドニー・ワンダラーズでも活躍し、
そして再び今年日本に戻ってきました。
現在、中位に位置するコンサドーレ札幌への移籍。
小野伸二がコンサドーレにもたらすものは計り知れないものがあります。
集客やグッズ売上ももちろんですが、特にチームメイトにもたらす影響力が大きいはずです。
プレー面での貢献もそうですが、彼の経験や人間力がチームを良い方向に向かせてくれます。
彼はコミュニケーション能力にも長け、若い選手達に自分の経験を伝えることもできます。
暑い夏を迎え、これからの熱いJ2リーグで、彼が躍動してくれることを期待しましょう。