【京都サンガ】 J3に落ちるわけにはいかない。京都サンガ厳しい現在の極地 【J2】
2015/08/01 12:00配信
カテゴリ:コラム
京都サンガ。
パープルサンガ時代も含めて京都サンガという名前には数々の歴史を振り返ることができるほどに、Jリーグに浸透したクラブである。
天皇杯優勝の記憶も遠いわけではなく、京都が強かった時代や、多くのスター選手が在籍していた時代など
Jリーグの歴史においても数多く関係しているクラブのひとつだ。
その京都が今、極地に立たされている。
現在26試合を消化したJ2だが、京都サンガは勝ち点25。
現在21位とJ3との入れ替え戦位置にいるのだ。
最下位となっているFC岐阜との勝ち点差はたったの2。
このままでは降格圏にもという極地となっている。
●すべてを仕切り直して迎えたシーズン
京都サンガは今季、強化部長や監督、スタッフ陣ら一新して挑んだシーズンとなった。
Jクラブにおいて強化部長や監督など、クラブの強化の部分に関わる人事が一新されることは少なくはないが、その人事が機能するまでの我慢が必要となることが多く、難しい。
今季の京都のこの一新も難しいと言いざるを得ない状況となった。
監督に就任したのは和田監督。
ヴィッセル神戸にて選手として活躍し、指導者としての道の大半も神戸で歩んだ。
トップチームの監督も経験し、ヴィッセル神戸初の一桁順位を達成するなど結果を残した。その後ヴィッセル神戸の運営会社であるクリムゾンフットボールクラブでは副社長を任されたこともある。
そういった同じ関西の別クラブで現場、そしてクラブの内部で働いてきた経験のある和田監督に入ってもらうことで、外部からの良い部分を取り入れようと計算し考えた部分もあったであろう。
京都サンガとしては昨年の9位という成績以上を当然狙わなくてはいけなかった。
むしろ、目指すは昇格圏であったはずだ。
これまで京都はJ2昇格レースにシーズン終盤やシーズン中盤に関わってきたが、昨年はレースに加わることなく9位に終わった。
昨年もシーズン中に監督交代があったが、立て直すことはできず9位という成績となりプレーオフ圏内にも入ることができなかった。
大黒という大エースを有し、9位の位置でも得点王となるほどの活躍をみせたものの
それでも上位に食い込むことも、上位との争いにも入ることができなかった。
この結果を受けて、京都サンガは本格再建へrと進まなくてはならなかったはずだった。
そして迎えた今シーズン。
京都は新スタジアム建設予定のことも考慮し、J1に上がらなくてはいけないという目標のもとで動き始めたはずだった。
しかし、蓋をあけると厳しい現実が待っていた。
和田監督はシーズン前にキャンプで固めたはずの布陣を結果が出ないと早々に見切りをつけ、迷走とも取れる指揮が目立つようになった。
キャンプで準備してきたことはなんだったのかと疑問が生まれるほどに、和田監督は良い言葉でいうと「可能性を探って」。悪い言葉でいうと「迷走して」京都サンガを動かした。
京都は昇格を逃した年が2年続いたこともあり、重要な戦力が新天地を求めここ数年は戦力の放出が続いていることもあるが
それでもリーグ全体として見ても能力の高い選手たちが揃っている。
しかし、能力があっても能力を最大限に生かすことのできる監督がいなければ、チームとして戦うことは難しい。
和田監督が指揮した選手の起用法と理想に掲げるサッカーはチームとして融合するには難しいサッカーを展開していた。
このままでは勝てない。
そんな印象さえ観ている者に与えてしまうほどの、厳しい状況が続いていた。
●石丸監督でどこまでを見据えているのか
和田監督解任をどこまで我慢するのかという、空気が漂っていた7月10日。
京都サンガは和田監督を更迭し、コーチとして今季から迎えた石丸氏をコーチから監督に昇格させた。
しかし。
石丸監督は京都サンガでも選手としてプレーした経験があり、ゆかりのある人物だからこそ、京都サンガにコーチとして招聘されたのかもしれないが
愛媛SCで指導者として経験を重ねてきた人物だ。
愛媛で指導者としての道を歩みはじめ、S級ライセンスを取得すると2013年からはトップチームの監督として愛媛SCを導いた。
しかし、結果は年間19位。2014年も20位と降格圏ギリギリの結果だった。
和田監督から石丸監督に交代したものの、Jリーグにおいての監督経験としてはまだまだ浅く
結果を残していない監督へと交代したことで、京都サンガになにを生もうとしているのか経営陣の思い描く今後にプランがあるのか、疑問を感じてしまう。
石丸監督に交代し、現在3連敗。21位まで転落した京都サンガだが、今後の策をどう取るのであろうか。
負け続けるとチームはどうしても雰囲気は良くないものになる。
結果が出ないと監督を信用することも難しくなっていく。
泥沼にはまりつつある京都サンガを救援するには、経営陣のしっかりとした舵取りが必要となる。
●具体的な内容が見えない疑問が残る 3か年構想
Jクラブは立て直しを図る際に、数年先を見据えた中期構想を練ることもあるが
京都サンガは3か年構想を打ち出している。
と、いうのも3年後である2018年には京都府亀岡市にサッカー専用新スタジアムを建設することとなり、新スタジアムができる頃にはJ1で戦っていることを目標とした計画となっているのだ。
2万5000人収容の球技専用スタジアムが亀岡市にできることは、京都サンガにとって、そしてサッカーを後押ししてきた京都府民にとって想いの詰まった新スタジアムとなる。
何度も何度も新スタジアム構想が立っては立ち消えになってきたため、念願のという結果の形となる。
そのためには、なんとしてもJ1で戦っていなくてはならないという目標の元、3か年計画を打ち出したのだ。
今季 J1昇格
来季 J1残留
2017年以降にはJ1定着を目指すという計画だ。
しかし、この計画は本当にしっかりと練られ、実現することを第一としている計画なのだろうかと疑問を抱く。
現在の位置を考えるとそれが可能であるかと言われると、それはほぼ否である状態だ。
そんなに甘くない。そんな言葉が飛んでくることであろう。
22チーム中21位。
現在1位を頭ひとつ抜き出た形で走り、個の能力も抜群に高い大宮アルディージャほどの力がなくては、おそらくJ1に定着することは難しいであろう。
今の状況で大宮の勝ち点が現在61であることを踏まえて考えると、京都サンガの現在の位置で今季昇格という絶対的目標を目指していたチームの結果とは思えない。
そしてその目標に今でも向かっているのであれば、人事交代のタイミングや人選が今後を見据えたものなのかと疑問を抱いてしまう。
昇格を本格的に目指すチームが乱立つしている今季の戦国J2で、その存在感を示すほどのチームでなくてはJ1に定着するようなクラブにはなれないであろう。
しかし、現在は昇格争いには全く絡んでいない状況どころかJ3降格まで見える位置にきている。
目標からは遠く離れてしまっているこの状況で今、目標達成に向けた動きはあるのだろうか。
具体的な対策をフロントが先行きを見てこの窮地を脱却するプランを持っているのであろうか。
J2を戦う上で充分上位を狙えるであろう選手が京都に在籍している今だが、
このままではチームのすべてが同じ方向に向いているとは言えず、チームが空中分解してしまわないかという心配も生まれる。
京都サンガには育成組織から時間をかけて積み重ね育ててきた選手が何人もいる。
少しずつ結果が出ない状況にチームを離れた選手もいたが、これ以上の戦力の放出は避けたいはずだ。
しかし、このままの状態が続けばこのチームにはいられないという選択をしてしまう選手もまた出てきてしまうかもしれない。
3か年計画が本当に目指すべき具体的な案なのだとするならば、なんらかの対策や説明があっても良いはずだ。
2018年。
2万5000人収容のスタジアムができる。
その時には盛り上がっていたいというが、このままの状況でその時を迎えてしまった場合。
せっかくの新スタジアムに2万人どころかガラガラのスタジアムになってしまわないであろうか。
現在のサポーターたちがそのまま一人も離れないなんて補償はない。
事実、一昨年の昇格を目の前にした時よりも、サポーターは減っているのだ。
これから先、たくさんの人たちの夢を叶えるためには結果がついてこなければならない。
京都は100万人都市であり可能性を大きく秘めているが、現在の状況で京都府民すべてが興味を持つクラブになるのは難しい状況だ。
京都で育ちたいと京都に残りサッカーをするという選択をしている選手もいる中で
その選手たちをも裏切ってしまうような末路にはなってほしくはない。
京都サンガは強いクラブであり、相手にすると厄介であり、輝く選手が在籍するクラブ。
その印象が在る京都サンガを間違った舵取りでその価値を下げてほしくはない。
サポーターがJ3にだけは降格しないほしいとチームに伝えたのは、シーズンのかなり早い段階だった。
そんな想いを共に戦うサポーターに抱かせてしまうことに対しての責任を感じるべきは選手ではなく、クラブである。
歴史を積み重ねてきたからこそ、得てきたものがあったはずだ。
言い訳ばかりをしていたら、Jクラブの未来はない。
チームの再建。
全力を注ぎ、残りの時間を有効に使い、立て直すことが使命だ。
愛媛SCじゃありません。京都サンガFCを京都パープルサンガと言うのと同じですよ。ご注意下さい。
名無しさん | 1 0 |2015/08/01|12:12 返信