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【ロアッソ熊本】熊本180県民の想いを乗せて 終わらせるわけにはいかない夢の途中 【九州】

2014/05/09 15:48配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム

 


九州には現在Jクラブが6クラブもある地域となっており、九州にとってサッカークラブは身近なものとなっている。
福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県と7つの県がある中で、Jクラブがないのは宮崎県と鹿児島県、その他にはJクラブが存在する。
6クラブはそれぞれの「色」を出し各クラブ経営や運営に工夫が必要とされているが、中でも今回はロアッソ熊本に注目をしてみたい。

ロアッソ熊本といえば、Jリーグ入りを目指すとしたロッソ熊本時代から、急速に力を付け、あっという間にJリーグ入りをしたという印象がある。
それほどまでにロアッソ熊本は本格的なJ入りを目指すクラブだったといえる。
ロッソ熊本時代の手腕は現在J入りを目指す各チームにとってモデルになっているクラブといっても過言ではないであろう道を作ったクラブだ。


ロアッソ熊本は熊本県に存在するプロスポーツクラブの1つであり、熊本県のみならず遠く関東や関西、そして近隣県からのサポーターも多く存在するクラブだ。
特に宮崎県や鹿児島県はサッカーが盛んな地域であるもののJクラブが存在しないこともあり、ロアッソ熊本を応援している方が多いと聞く。

そんなロアッソ熊本が出す色とはどんなものなのだろうか。

●くまモンから発せられる全国区への道

現在日本中は空前のゆるキャラブームであるが、中でも有名なゆるキャラといえば「くまモン」だ。
くまモンの存在がどんどん認知され、熊本県をアピールする上で最大のキャラクターになったことは間違いない。
そのくまモンがロアッソの運営にも協力している。

くまモンはロアッソ熊本のホーム試合に毎試合訪れている。
くまモン見たさに訪れる新規客や県外からのアウェイ参戦者も少なくはない。

サッカークラブ経営は当然ビジネスであるが故に、こういった相乗効果のある集客はとても大切だ。

九州にチームが多いことで、ひしめき合っている感が強く、どこも収益に伸び悩んでいるのは確かだが、それでも九州にチームが多いことでの相乗効果もある。
各チームがぶつかる九州ダービーは注目度が高く、そして各県からの移動も九州外に行くよりも近いので、アウェイ参戦者が多く訪れる。
その結果、アウェイ観戦者も含めることで観客数が伸びるのだ。
実際、ロアッソ熊本の観客数を見ても、近隣のクラブとの試合での観客数が伸びる傾向であることがわかる。

近場にクラブがあることでスポンサーが分割しているといった意見や、元々九州は野球好き人口が多く、サッカー好き人口が少ない中でたくさんのクラブでその少ない人口を分け合う仕組みとなっていると唱える記事などもあるが、そうとはいえない。

野球とサッカーの観客数は常に比べられる対象となるが、プロ野球とサッカーを比較していてはいつまで経っても言い訳の類から抜け出せない。
野球好きの人がサッカーを観に来るのではなく、どこらも特別観に行くことがない人たちにどれだけ魅力を伝えるかなのだ。

●ロアッソ熊本 日本一の地域クラブに

ロアッソ熊本はホームタウン活動に力を入れている。
ホームタウン活動はJリーグ百年構想の中で絶対的な部分であり、Jクラブに義務化されている活動だ。
それぞれのクラブでその活動内容は違い、各クラブさまざまな工夫がされているが、ロアッソ熊本は日本一地域に根付いているクラブになろうと目標を掲げ、たくさんのイベントに積極的に参加し、たくさんの試みを行っている。

まず驚くのは地域のイベントなどにロアッソ熊本が絡む本数の多さだ。
選手たちはシーズン中戦っているので、なかなかたくさんの本数に出向くことはできないが、マスコットであるロアッソくんやスタジアムDJとアカデミースタッフとして活動している元GK選手のDJコバこと小林弘記氏やロアッソスタッフなどが出向きイベントに積極的に参加。
グッズ販売などもして、ロアッソ熊本の宣伝活動に余念がない。
4月のイベント本数だけでも15本以上とかなり多い本数となっている。
その他にもクラブでサッカークリニックを開校し、子供のボール遊びから身体を動かすことの楽しさを伝えるというレベルから、大人を健康的にするためのサッカークリニック、そして女性でも楽しんで健康的に身体を動かすことのできるレディースクリニックなど、サッカーに触れる機会を作るクリニックの開催を数多くこなしている。

熊本県内の各所で選手たちが親善大使役になり、試合会場やその地域で選手たちが町をアピールしたり、町おこしとしてイベントを開催したりと熊本県全土を網羅し、地域と密着できるよう積極的な活動をしている。
熊本全体に愛されるチームになるため、認知されるための活動であり、ロアッソ熊本が熊本を元気にしようという活動なのだ。

●ついに来た!巻誠一郎

ロアッソ熊本では地元選手の発掘や地元選手の獲得にも力を入れており、熊本の英雄の一人といっても過言ではない巻誠一郎を念願叶って今年獲得。
チームの副キャプテンとして試合に出場している。
巻誠一郎は日本代表としてW杯に出場するなど知名度も高く、日本サッカーに多くの影響を残したイビチャ・オシム氏の申し子として日本サッカーをけん引した選手の一人だ。
ロアッソはチーム、そして地域をあげて巻誠一郎獲得に力をいれてきた。
巻誠一郎獲得のため、資金の募金を集めたところなんと1000万円もの募金が集まるなど、地元地域から熱望されていたことがわかる。
W杯に出場した頃から、ずっとロアッソは獲得したいという意思を見せ続けていた。
その結果、念願叶っての獲得を経て、今巻誠一郎はロアッソ熊本の顔となった。

地元大津高校の出身である巻誠一郎の存在はロアッソにとっても熊本県民にとっても大きな出来事となり、観客数の増加にもつながることになると期待がかかる。

ベテラン選手として経験も豊富であり、日本代表経験者として一握りの選手しか経験することのない世界を歩いてきた巻が伝えるものはきっと多くのものがあるだろう。
熊本は戦力としても、チームの存在感、そして伝達者としても巻を獲得し大きな期待をかけている。

その他、今季は札幌から地元出身の岡本賢明も獲得し、ロアッソ熊本に所属する選手の 12名が熊本出身選手となっている。

●まずは存続へ

Jリーグは債務超過があるクラブは2015年シーズンからのクラブライセンスを発行しないと発表しているが、ロアッソ熊本にも現在債務超過が存在する。
債務超過の解消のために7千万円の増資と3千万円の募金という計画を発表。
5月から7月末までで3千万円の募金を募っている。
九州のクラブは債務超過があるクラブが多くこのままでは債務超過を解消することが難しいのではないかというクラブもある。
その中でJクラブの消滅を出してはいけないと各クラブ必死に債務超過を解消しよう奮闘中だ。

昨年アビスパ福岡がクラブ支援明太子を売り出したことが話題となった。
たった3時間で予定していた個数が完売、そして追加販売も出した結果アビスパ福岡のサポーターだけでなく全国のJリーグサポーターたちが購入をしたのだ。
その結果、その月から選手やスタッフの給料をも支払いができないとされていたアビスパ福岡の資金難は解消された。

クラブのサポーターはもちろんJリーグ全体として、サッカーファンたちは第二のフリューゲルスを出してはいけないと考えている。
明日は我が身として考えているサポーターも多いであろう。
地元地域との密着はもちろんだが、たとえばアウェイに行った先がとても良い遠征の思い出になった、良いチームだと感じたという理由だけでも、そのクラブの存続のためになんとかしようと考えるのがサッカーファンの素晴らしき絆だ。
そういったあたたかさがあるところがJリーグの良さのひとつだと私は思っている。

債務超過でJリーグライセンスを8月にもはく奪されるかもしれないとされているクラブは熊本の他にもまだあるが、その中で熊本はどんな活動をし、ライセンスはく奪阻止のために活動することができるか注目されている。
まずは7月末までの3千万円の確保のためにクラブは動かなくてはならない。
5月頭からはじまった募金の集計は現在300万円を突破。あと10倍の募金が必要となっている。
まだまだロアッソの築く道は終わらせてはいけない。だからこそ、存続がまずは第一条件。まだまだ熊本県民180万人の夢は途中なのだ。

 

ロアッソ熊本はまだJ1昇格を果たしたことはないが、当然目標はJ1昇格だ。

プレーオフに出場できる6位圏内までに入ることは今年の目標であり、昇格争いに食い込みたい。

まだまだ熊本全体として、そして九州の中でロアッソ熊本の存在は絶対的といえるまでになっていない。
地域密着をして知ってもらうこと、身近に感じてもらうこと、そして強くなることが必要となる。

熊本にはロアッソがある。

その存在が熊本県の人々を動かし、そして子供たちの将来の目指すべき場所になれるよう日本一の地域密着を目指しつつ、チームとして成長し続けることが求められている。

夢ではなく目標とするJ1昇格。
その目標に到達するのは夢物語では決してなく、可能性を充分に秘めている。

35000人を収容できるスタジアムに多くの人が集まり、真っ赤なロアッソカラーに染まったスタジアムで
J1昇格という快挙の瞬間が来ることを、一サッカー人として期待したい。

 


 

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