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【湘南ベルマーレ】 湘南スタイルの継続そして熟成へ 湘南ベルマーレ2016展望 【J1】

2016/02/16 19:44配信

CHANT編集部

カテゴリ:コラム


湘南スタイル―。

一昨年のJ2での圧倒的な強さと、昨年J1で各チームを苦しめたその姿から高く評価され、湘南独自のそのスタイルは深く爪痕を残し、チームを指すその表現が定着した年となった。

J1昇格を経てJ1で戦ったが、現実は厳しく一年でのJ2降格。
J1の戦いでは、圧倒的にすべてが通用しなかったという印象ではなく湘南らしさが効果的だった部分もあった。しかし、J1で戦うにはまだ足りなかった部分も感じたシーズンだった。
それを経験と課題として持って降格し、目指したのはJ1に定着するためのチーム作り。

J2での戦いも、対J1を常に念頭に置いての戦いを意識し、勝っても勝ってもJ1で戦うためにはという目標を持って自らに満足せず突き進んだことで勝ち点を100に積み重ねるほどに強く圧巻した。
圧倒的となったJ2優勝を掲げ、改めてチャレンジしたJ1での戦い。

ここまで走るチームがあるのかと驚くチームも多かったかもしれない。
湘南ベルマーレは自らのスタイトルを貫き年間8位の位置でフィニッシュし、J2から昇格したチームは厳しい結果となることが多い中で8位という位置を得た湘南ベルマーレの戦いはJ1で戦うことができていたという結果といって良いであろう。
湘南スタイルはJ1でも存在感を示すことができた。

一人一人の選手たちの能力も湘南スタイルの中で高く注目されるようになり、今オフは湘南の主力の選手たちが新たなチャレンジへと旅立ってしまったスタートとなり、新加入選手たちを迎え新シーズンを迎える。

●主力選手たちの移籍

キャプテン永木亮太
日本代表、五輪世代U-23代表キャプテンも務める遠藤航
守護神 秋元陽太
大けがから復帰し、昨季終盤期にはひとつポジションの位置を上げたことでさらに可能性を生んだサイド 古林将太

湘南ベルマーレにとって大きな存在である選手たちが新たなチャレンジへと旅立った。
永木は鹿島アントラーズへ、遠藤は浦和レッズへ、秋元はFC東京へ、古林は名古屋へ…
ビッグクラブ、強豪クラブから求められる選手たちがこれだけ生まれたということは、湘南スタイルで育った選手たちが質の高いチームから高い評価を受けたということだ。

特にキャプテン永木、遠藤、秋元に関してはメンバーを固定せずさまざまな起用をする曺監督ながら、代えることのできない3人だったであろう選手たち。
永木は存在、精神部分含めてチームの中心選手であり、守備に関しても攻撃に関しても舵を握り走り続けた。
遠藤も守備面での貢献度高く、湘南スタイルを構築するには絶対的な存在だった。
秋元は数あるJ1の強豪たちの強烈な個を持った選手たちを前に、ビッグセーブでチームのゴールを守ってきた守護神だった。

プロサッカー選手ならば、チーム愛があってでも次のチャレンジへと進むべきものである。
短いサッカー人生だからこそ、チャレンジをするチャンスがある時にこそ、チャレンジへと向かうべきだ。
そのタイミングが同時期に来てしまった今オフ。

湘南ベルマーレのサッカーを支え、実現してきた大きな存在たちがチームから旅立った。
それでも戦いは当然続く。
残った選手たちの意地を持って、それらの大きな穴を理解した上で戦っていかなくてはならない。

主力が多く抜けてしまったが、チームを離れてしまう報道も多くされた曺監督だったが、チームへの残留となり
湘南スタイルは主力が抜けたものの「継続」の道を選択したこととなった。


●新加入選手、そして既存選手への期待

とにかく走る。
湘南ベルマーレの武器は走るサッカーである。
積極的にプレスに走り、ボールを奪うとショートカウンターでゴールを狙い前線にスピードをかけて圧力をかける。
湘南は走ってくる―。
そうわかっていても、強豪クラブの多くのチームも湘南スタイルに苦しめられたシーズンだったように、湘南の「走り」は大きな武器となっている。

どうしても疲れる時間帯が出来てしまうものの、それでも最後まで体力を振り絞り走り続けることでfootballを成り立たせられるところが、湘南サッカーの強みのひとつだ。
どうして湘南ベルマーレの選手たちはそんなに走れるのか、というのではなく「サッカー選手なのだから走れるはずだ」と曺監督がいうように、
走ることを意識的に取り入れることで、走る意識を高め、それを当たり前としている。
それが湘南スタイルの土台だ。

最高位でセカンドステージでは4位の位置まで駆け上がった湘南ベルマーレ。
年間で積み重ねた勝ち点は48。
13勝9分12負 得た得点は40得点、失点は44と得点よりも失点の多い結果となった。
J2では得点力というのも武器となっていた湘南だったが、J1では簡単に得点はさせてくれなかったのはもちろん、J2で強さを誇った湘南をよくスカウティングして挑むチームが多かったことで得点が思うように重ならなかった。
失点が多かったものの、負けた試合よりも勝った試合が多かった湘南ベルマーレの年間順位は8位という位置だった。

ショートカウンターで得点を奪い、攻撃にも守備にも全力疾走で上下運動をチーム全体で行う湘南ベルマーレ。
今季は主力選手を失ったが、それでも湘南スタイルは変わらず、ひとつでも多くのゴールを生み、守備に走る。今季も走るサッカーは健在だ。


◇新しく加入した選手たち

GK 村下智彦 松本山雅
GK タンドウ・ベラビ メルボルンシティ(オーストラリア)
DF  奈良輪雄太 横浜Fマリノス
DF  岡本拓也 浦和レッズ
MF 下田北斗 ヴァンフォーレ甲府
MF パウリーニョ ジェフ千葉
MF 山根視来 桐蔭横浜大学
FW 端戸仁 横浜Fマリノス

3バックの一角となるであろう浦和レッズよりレンタルでの加入となった岡本は、
昨年浦和レッズの3バックの選手たちが負傷や出場停止時に出場機会を得たり、ACLや天皇杯に出場するなど、タイトルを獲るために突き進んでいた緊迫した浦和レッズの試合含めて、持ち味のドリブルを武器に攻守に渡り存在感を示すなど、貴重な経験を積んだ。
試合出場数は少ないが、結果を出して当たり前のような緊張感のある真っ赤に染まる浦和の舞台で出場数よりも濃い経験を取得し、試合へ出場したいという気持ちもより膨らんだであろう岡本。
若き浦和ユース出身の期待のディフェンダーだが、湘南ベルマーレの一員となったことでより深くfootballを知り、理解し、走るというプラスを得て成長し、開花することに期待だ。

ボランチが抜けた湘南にとって下田やパウリーニョといった選手たちは主力となるであろう即戦力の活躍を求めたいところだ。
永木や遠藤との比較をどうしてもしてしまうかもしれないが違った持ち味を持って、運動力を求められる湘南のボランチだからこそこの時期にしっかりと身体を作り、湘南スタイルに慣れていてほしい絶対的な位置である。

新戦力にも期待はしたいが、湘南の場合は既存選手たちのより熟成された湘南スタイル実現に期待が高い。

まずは今季キャプテンを務めることとなった高山薫。
高山はエースとして攻撃の要としてのポジションでプレーすることとなり、一度チームを離れた時期もあったものの降格した年の悔しさはまだ忘れてはいないであろう。
今季は主力の抜けた湘南だからこそ、その存在感を示し、数字にこだわるほどの活躍を期待したい。

若くしてチームのレジェンド的存在、菊池大介。
運動量を豊富に持ち、自分のポジションだけにこだわらず各所に顔を出す。
時にはボランチ位置の深い位置にまで走り、ディフェンスに走る頼れる存在だ。
若き頃から天才と評され注目を受けてきた菊池大介は、湘南でプレーすることにこだわりを持っているはずだ。
曺監督からの信頼も厚く、今季抜けてしまった大きなマイナスをマイナスと言われないよう、より求められる質を高める。湘南スタイルには欠かせない存在の背番号10は今季も健在だ。

サイドバックの位置で古林と熾烈なポジション争いをしながら、終盤は右の位置で縦に並ぶ形で湘南の攻撃スタイルに新たな一手を生んだ藤田征也は、湘南スタイルには欠かせないスピードスターだ。
加入3年目となる湘南でのプレーだが、湘南に加入してからさらにクロスの正確さを増し、こだわりを持っている。
ただ速いだけではなく、中への勝負に出ることも、シュートを選択し、自らが中に入ることも持ってプレーにバリエーションが出ている。
スピーディーに得点へと向かう湘南footballの起点になれる機会も今季さらに増えることに期待したい。

菊池俊介は昨年大きく成長した選手の一人だ。
湘南のサッカーを構築する上で必要な1ピースとして確たるポジションを得たといって良いであろう。
ボランチの位置で永木のキャプテンシー、そしてチームの舵取りを見てきただけに、その経験を持ってチームの軸になることに期待だ。

抜けた穴は、間違いなく大きい。
しかし、湘南スタイルを持って自信を付けた選手、成長した選手が他にも湘南ベルマーレには多く存在する。
曺監督体制となって5年。
J1定着を8位という位置で実現した昨年から戦力はダウンしてしまったことは否めないが、湘南スタイルに戦術的なプラスαや成長のプラスαを期待し、今年も一生懸命に走り、最後まであきらめないサッカーが見れることを楽しみにしたい。

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