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ブンデス、ウインターブレイク突入 武藤嘉紀のタフな2年間

2015/12/29 16:40配信

武蔵

カテゴリ:コラム

ドイツ・ブンデスリーガは前半戦が終了しました。

第17節で一区切りとなり、1月22日のリーグ再開まで

約1ヶ月のウインターブレイクということになります。

さすがに1ヶ月丸々休みというわけにはいきませんが

それでも、各選手にとって束の間のオフということで

思い思いに過ごすことができる貴重な期間となります。


その中でもマインツの武藤嘉紀は

特に激動の2015年を過ごしたと言えるでしょう。

さらに、そこに昨年も含めて

武藤の濃密な2年間を振り返りたいと思います。

武藤嘉紀の「14‐15シーズン」

ウインターブレイクにより帰国した武藤は、記者会見で

「せわしなく動いた1年だった」

と語りました。


ではなぜ、武藤のこの2年間が濃密なものとなったのでしょうか。

なぜなら、実はこのウインターブレイクが

この2年間では初と言って良いほど

まとまった期間のオフと言えるからです。


武藤は、2014年に大学在学中ながらFC東京とプロ契約を交わし

いきなり開幕節の柏戦に先発出場しました。

それが3月1日のことです。

以降、チームのエースに成長し

ルーキーイヤーは33試合に出場し、13得点を挙げました。

そしてその間、日本代表に招集され

年が変わって2015年、Jリーグのオフシーズン期間には

アジアカップ2015を戦いました。

その最終戦となった準々決勝のUAE戦が1月26日のことです。

当然、チームは始動していますから

帰国後、3日のオフの後にすぐ合流となりました。


2015年1stステージは全17試合に出場し

ここでも不動のエースとして2ケタ得点を果たしました。

その間、もちろん日本代表としての活動もありました。

リーグ戦やナビスコカップにフル回転し

ハリルホジッチ新監督の求めに応じて

日本代表合宿が行われることもありました。

文字どおりの働き詰めと言える状況でした。


そして、ドイツ・ブンデスリーガのマインツへの移籍となります。

ここで新チームから約10日間のオフが与えられ

ようやく、リフレッシュできるかと思われました。

しかしその間、マインツでメディカルチェックを受けるなど

オフが丸っきりオフであったわけではありません。

また、新しい環境に対して平常心でいられない部分があれば

良い休暇を迎えられるような精神状態ではないと言えたかもしれません。

このオフ期間中に結婚を発表するなど

変わる環境の中で、落ち着ける時間は限られたものでした。


マインツでは、当初は2列目での起用が模索されましたが

すぐにセンターフォワードとして定着しました。

前半戦の17試合全てに出場し、7得点。

気付けば、1つの目安である2ケタ得点へ向け

順調なペースとなっています。


これが武藤嘉紀の2014、2015年の活動です。

FC東京とマインツで合わせての公式戦78試合。

そして日本代表として18試合に出場しました。

この他にも、その話題性からくる露出増もあり

非常に負担の多い、タフな2年間であったと考えられます。

負担増となった2つのこと

武藤の負担が増えた要因としては

2つのことが挙げられます。

1つはプレースタイルの変化です。

FC東京入団当初は、433のウイングで起用されました。

サイドでボールを受け、ドリブルでゴールに近づく

サイドからゴール前に入ってきて、クロスに合わせる

そういった役割を与えられていました。


しかし、FC東京ではチーム事情もあり

徐々にセンターフォワードとしての仕事が増えていきました。

スピードやテクニックというよりは

パワーの部分が求められるようになり

シーズンが進むにつれて、体付きも大きく変わっていきました。

ただ、それを自身のキャリアアップへと繋げた部分はあります。

例えば日本代表において

アジアカップではUAE戦で決定機を外すなど

従来の2列目での起用に頭打ちの感が漂っていました。

しかし、現在では1トップとして

ハリルホジッチ監督の起用法に応えるかのようなプレーが評価され

今では、エース・岡崎慎司を脅かす位置に至っています。


もう1つは、それに伴うコンディション不良です。

このプレースタイルの変化は

結果を出し続けた武藤へのマークの厳重化という以上に

相手DFの当たりを強くさせるものでした。

2015年1stステージ第4節の甲府戦では

GKからのゴールキックの競り合い時に

相手DFのヒザが武藤の腰の辺りに入り

武藤は途中交代を余儀なくされ、それ以降

リーグ戦の度に出場が危ぶまれると言う事態になってしましました。

2015年1stステージは

自身のコンディションとの戦いでもありました。

タフな2年間でよりタフに

ただ、現在ではマインツで結果を残しつつあります。

プレースタイルが変わり

そして結果を出し、マークが厳しくなりながらも

大きなケガもせずに試合に出場し続け

必ずと言って良いほど、1試合で12km以上を走り回り

得点以外でもチームに貢献し続けられるようになりました。

このタフな2年間は、武藤をよりタフにしてきたと言えます。


ウインターブレイク前最後の試合である

第17節のヘルタ・ベルリン戦では

さすがに疲労の色が濃く

後半20分で早々とピッチを去りました。

完敗を喫したチームを象徴するようなデキと言えるものでした。

しかし、ウインターブレイクという

ここ2年で初と言える、まともな休暇を経ることで

2016年の武藤嘉紀は

よりタフな姿を見せてくれることでしょう。

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