CHANT(チャント) 日本代表

ハリルホジッチジャパンの初陣を採点する

2015/03/27 22:40配信

ユッキー8番

カテゴリ:マッチレポート

3月28日(金)午後7時半 大分スポーツ公園総合競技場で、ハリルホジッチジャパンの初陣が戦われた。

相手はFIFAランキング25位のチュニジア。格上である。

「絶対に勝つ!」という監督の言葉通り、2-0で勝利を飾った。

新しく就任した監督にとって、最初の試合で勝っておくことは、選手に対する求心力を維持する上でも極めて重要なことである。

そして、日本国民に対しても。

この試合で、ハリルホジッチ監督は、口やかましい日本代表サポーターの支持を得ることに成功したと言っていいと思う。今日の試合を見た多くのサポーターが及第点を与えたのではないか。

たった4日の準備期間で、格上のチームから勝利をもぎ取るあたり、確かな手腕を見せ付けたと思う。

だが一方で、「待てよ」とも思う。

点を取ったのは、結局、岡崎慎二と本田圭佑である。アギーレジャパン、いやザックジャパンのころから変わらぬ代表の得点源である。

試合が膠着していた後半、最初に交替選手として送り込まれたのが本田圭佑だ。清武に代わっての出場だった。相前後して香川が投入された。

いよいよ残り15分というところで武藤嘉紀に代わり宇佐美貴史。川又に代わって岡崎慎二。

岡崎は、ピッチに入るや否やゴールネットを揺すって見せた。

この時間帯、チュニジアは足が止まってきており、日本代表は前半に比べて楽にボールをまわせていた。ワンタッチパスが2本3本とつながり、チュニジア守備陣を翻弄。そろそろ入るなあという雰囲気が漂ってきた中での得点だった。

前半のチュニジアは、さすがと思わせるプレーが目立った。例えば川又のヘディングシュート。ディフェンダーが体を寄せていなければ、川又は楽々上から叩き付け、ゴールを決めていただろう。だが、ディフェンダーにも勢いがあり、川又のシュートはクロスバーを叩いた。

あるいは武藤のシュート。相手ディフェンダーはペナルティエリアの中できちんと体を投げ出し、武藤のシュートをブロックした。Jリーグだったら入っていたのではと思わせたシュートだった。

そうした、前半の体を張ったプレーの積み重ねがあって、後半のチュニジアは足が止まってきたのだと思う。

そこに、本田、香川、岡崎の流れるようなコンビネーションがあって生まれた点だと思う。見ていて楽しいコンビネーションだった。パススピードが早く、前への意識も強かった。いずれ入るだろうという予感があってのゴールだった。

では、退いた川又、武藤、清武、永井がダメだったのかといえば、そうともいえないと思うのだ。

何と言っても、インテンシティが高かった。互角のボールは体をぶつけて確保に行ったし、間に合わないボールでも後ろから体をぶつけて相手のボールコントロールを乱そうとしていた。これは、ザックジャパン後期から途絶えていた傾向だと思う。ザッケローニ監督も「インテンシタ」を強調していたが、メンバーを固定したせいか、後半は球際で勝負を仕掛ける姿勢は弱まっていた。

ハリルホジッチは、短い準備期間にそこを修正したのだと思う。

180センチ以上の選手を10人揃えたというチュニジアは、体格で日本代表に勝っていたし、ピッチに並ぶと日本の選手は線が細く見えた。でかくて早い選手に、体を当てることで、ボディーブローを食らわせていたのだと思う。

その効果が後半になって現れていた。そこに、ザックジャパン以来のこなれたコンビネーションを持つメンバーが投入され、試合を決めたのだ。

その意味で、代表新顔の若手を先発で起用した監督の英断が光ったし、試合を決めに行く時間帯で投入した選手がきちんと結果を出したあたり、采配も見事だった。

インテンシティーの強化に重点を置いた準備、ロシアワールドカップを見越した若手の起用、選手交代を含めたベンチワーク。そのいずれにおいてもハリルホジッチは、良い仕事をしたと思う。

欲を言えば、宇佐美のサイドネットを狙ったシュートがポストに嫌われず、3点目を決めていれば、「完勝」と言えたと思う。あれが決まっていれば、宇佐美にとってもフル代表初ゴールであり、自信になっていただろう。

左サイドバックで先発した藤春も、スピードを生かした上がりを見せていた。牧野と吉田のセンターバックコンビも相手にシュートらしいシュートも打たせず無失点に抑えた。ただ、酒井宏樹のプレーだけには疑問が残った。上がって行ってもクロスもいれず、ボールを下げてしまう消極的なプレーが目立った。交代した内田篤人が、コーナーフラッグあたりまでボールを運んでいたことで余計に、酒井の消極性が目立った。怪我を押して召集に応じた内田篤人は誕生日だったそうで、点にこそ絡まなかったが、良い誕生日となったのではないか。代表暦の長い彼にとっても、新監督の初陣、それも勝利の初陣に試合に出場した意味は小さくないと思う。

3月31日の次戦、ウズベキスタン戦が楽しみである。

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鋭い観察眼です!

名無しさん  Good!!1 イエローカード0 2015/03/28|02:24 返信

ありがとうございます。

ユッキー8番   Good!!0 イエローカード0 2015/03/30|21:36

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