CHANT(チャント) 湘南ベルマーレ

【湘南】 敗戦から見えた湘南スタイルの手ごたえ 【J1】

2015/03/13 12:35配信

CHANT編集部

カテゴリ:マッチレポート


2年ぶりのJ1の舞台となったその日、ホームスタジアムは満員に埋まった。
多くのサポーターを率いて対戦の地へとやってきたJ屈指の強豪・浦和レッズと、開幕戦からインパクトのある対戦となった。

J2を圧倒的な強さで駆け抜けた昨年は、新たな歴史となり刻んだ。

湘南ベルマーレのJ1での再チャレンジがいよいよスタートした。


●一貫してきたことが見えた前半

待ちに待ったJ1開幕戦はホームでの開幕となった 湘南ベルマーレ。
J屈指のサポーターを抱える浦和レッズの強烈な浦和レッズを応援する声を受けつつも、湘南サポーターもいつも以上の声で声援を送っていた。

昨年最後まで優勝争いをし、シーズンの大半を首位という位置で走った浦和レッズ相手にJ2覇者がどこまでできるのかに注目が集まった。

湘南は3-4-2-1のシステムでスタート。
試合序盤から湘南は持前の運動量と激しいプレスで、浦和の好き勝手にはさせなかった。
昨年、湘南はJ2で勝てるサッカーではなく、J1を意識し想定したサッカーを展開した。
J2で勝ててもJ1で勝てなくては意味がない。それを一昨年J1で思い知らされたからだ。
一昨年、あと一歩足りないという試合が続き、湘南はJ2へ降格した。
その時、J1を経験した選手たちがまだ多く湘南には残っている。

一時的にチームから抜けてしまったチームの核であった高山薫も柏レイソルから戻り、浦和レッズから山田直輝や坪井慶介といった新戦力も補強。
湘南ベルマーレはまたJ1に再チャレンジするために、J1で戦うことを想定し戦ってきたことで結果を掴み取ってきた。

昨年はJ2を圧倒的な強さで駆け抜けた。
終盤、昇格が決まる前後から失速してしまったものの、負けた試合はたった3試合。
年間42試合中、3試合しか負けなかった湘南は勝ち点100越えを達成し、J2優勝という結果で昇格を果たした。

一貫して貫いてきた湘南スタイル。
それは浦和レッズを相手にしても変わらなかった。
序盤から激しいプレスの連動で浦和にボールを運ばせない。
プレスによって奪ったボールで速いカウンターを仕掛ける。

昨年はペナルティエリアまでボールを運び、その中からワンタッチでゴールというゴールが多く、得点を重ねてきたものの
なかなかペナルティエリアの中にはボールを入れさせてはくれない浦和レッズ。

その中で、前半25分決定的なチャンスを迎える。
カウンターを発動させた湘南は、左サイドを縫うと三竿のクロスボールをゴール真ん前でフリーの大槻がダイレクトにボールに合わせるも、そこにブロックに入ったのは浦和レッズ槙野。
J2で重ねた湘南スタイルでのゴールパターンだったが、浦和ディフェンスはしっかりと危険察知能力を持ち、入り込んでいた。

しかし、前半36分。
何度も発動したカウンターから古林が売れたボールを受けようとした大槻が浦和森脇のファールを誘った。判定としては浦和にとっては厳しいものであったであろうPKを得た湘南。
それを遠藤が落ち着いて決め、J1再チャレンジは先制スタートとなった。

しかし、41分。
浦和はフリーキックからエース興梠がヘッドでゴールを決めすぐに追いつかれてしまう。
そのまま前半は終了。

前半は激しいプレスで浦和レッズの速いパス回しの中を切り裂き、高い位置でボールを奪うことができていた湘南のサッカーは見ている者をワクワクさせる力があった。
一貫して貫いてきたことが形となって表現できた前半の戦いとなった。


●プランB以上の必要性

しかし、後半には一転する。
前半のゴールシーンにて負傷してしまった興梠は交代し高木を投入。そして石原の1トップという形に変更があった浦和は序盤から湘南ゴールを脅かし浦和としては良い後半の入り方となった。

逆に湘南は後半も激しくプレスをかけるものの、前半浦和の速いプレーにプレスをかけていたため体力が激しく消耗。
J2では長い時間連動していたが、浦和のように判断やスピードが速い相手にプレスをかけ続けるのは相当な疲労を要したようだった。

後半11分、湘南は流れを変えようと大竹から岡田に選手交代すると、その選手交代によってうまく連動していた部分に逆に若干ズレが生じ、湘南スタイルを把握し後半立て直しを図った浦和の手中にハマってしまう。
浦和はその微妙なズレを見逃さず一気に岡田を中心とした中盤に激しく当たりボール奪取を続け浦和が主導権を握った。

ボールを奪っても奪い返されるような場面が続き、そこからは浦和の形が確立され、浦和特有のボール回しから前線にボールを入れられ崩されるといったパターンが続いた。
消耗から空いてしまったスペースを存分に使われどこからでもゴールを狙ってくる浦和レッズ。

サッカーはボールを持っていない時間帯が多ければ多いほどに疲れるスポーツだ。
しかし、湘南はそういったサッカーでも体力が尽きずプレスをかけ続け、走り続けるサッカーを展開してきた。
が、浦和の速さについていった前半で大半は消耗してしまい、湘南スタイルの継続は難しく、後半は浦和のサッカーが展開されることに。

逆に浦和レッズは、新戦力である高木を中心に武藤、石原が絡む前線の動きを確認するように発動させ、何度も湘南ゴールに襲い掛かった。

そして後半30分、ペナルティエリアギリギリ外のところで横パスから湘南ディフェンスが数名寄せている状態で、走り込んだ浦和・宇賀神が豪快なシュート。
見ているよりも難しいその低くスピードのあるシュートは、湘南ゴールに突き刺さった素晴らしいゴールとなってしまった。

鮮やかに決まる技ありゴールはチームに勢いを付ける。
浦和レッズはさらにサポーターと一体となり、勢い付いたところで浦和の熱き魂・那須大亮がヘッドで豪快にゴール。
セットプレーでもないのになぜそこにいる!?と驚かされる那須のここぞ!というゴールは今年も健在だと見せつける形で、浦和の勝利の方程式が揃ってしまった。

結果的に1-3で試合は終了。

湘南ベルマーレのJ1への再チャレンジ初戦は 3失点で敗戦ということとなってしまった。


負けてしまったという結果がある以上、当然課題を残す。
90分続けることのできなかったプレスと、相手に掌握され攻略されてしまったプラン。
その後の湘南のプランの引き出しのバリエーションは効果的ではなかったと この試合で観る限りでは厳しい結果となった。
選手交代も決して試合に刺激を与えるものではなく、効果的ではなかった。

しかし。

試合が終わった後の浦和レッズの選手たちは皆、肩で息をし、つらそうな表情を浮かべた。
もちろん浦和はACLを戦っているため、身体の疲労度は他のチームより大きいであろうが、湘南の脚で作るサッカーに合わせ試合を進めていったのは浦和にとっても厳しかったのだろう。

浦和レッズは今年、ACLの連戦をこなすために極度に厳しいキャンプを重ねてきた。
1.2日置きに行う練習試合は一日に2試合組まれた。
一人90分以上をこなすという目標の元、チームを2つに編成し、90分以上戦う選手たちを日替わりで使い、たくさんの練習試合をこなした。
ACLを見越してJの中でも1.2番目に早いシーズンのスタートを切り、しっかりとチームを創りつつ選手たちの体力も上げてきた。
その浦和がACLの疲れもあるものの90分を終えたとき、相当な疲労を見せていたのは、湘南のサッカーが与えていたダメージは少なからず存在したということだ。

試合後、湘南のようなサッカーをしてくるチームはあまり経験したことがないので、と宇賀神が口にしたが、湘南が昨年から一貫して行ってきた湘南スタイルはJ1で通用しなかったわけではない。
相手を苦しめることのできるサッカーだったということだ。

そして見ている側をワクワクさせるような 勢いを感じさせるパワーがあった。


今年は浦和レッズからレンタルながら湘南ベルマーレに加入した山田直輝。
山田にとって浦和レッズは自分が育ち成長した特別な場所であり、その場を離れることはとても大きな覚悟が存在したことであろう。
出る覚悟というものが存在し、浦和レッズを「相手」にするはじめての試合はかなり想いの詰まったものだったであろう。
しかし、結果的には大きな壁を感じさせられることとなった。その壁は自分も積み上げてきたものだ。
悔しい。
その悔しさはきっと今後の目標となり、パワーとなる。
浦和ホームの湘南との試合ではと、闘志にさらに火が灯ったはずだ。

昨年の終盤、思うように試合を制することができずJ1に挑む形に心配があったが、シーズン前のキャンプでしっかりと一貫してきたことへの確認を行ったことがわかる、湘南スタイルを強く感じることのできる試合だった。
ただの敗戦ではなく、得たものは大きく手ごたえもあった試合だったはずだ。

出来た前半。
出来なかった後半。

その違いを今後課題に、また一週間良い準備をして 次に挑んでほしい。


J1の舞台でどこまでできるかと品定めされる昇格組だが、
湘南ベルマーレ×浦和レッズの試合を観て
湘南スタイルの可能性を信じたい気持ちにさせられた一戦となった。


戦いはまだ始まったばかり。
J2を湘南カラーに染めた昨年の自信を持って、常に想定してきたJ1への戦いに全力を懸けてほしいものだ。

Good!!(87%) Bad!!(12%)

現地で参戦しました。
記事にもあるように、前半はほぼ互角。
後半は疲れて、浦和の1トップ、2シャドーにボールが渡るようになり、結果失点。

前半ハイプレスを仕掛けても、どこかで体力を温存し、後半も守備をコンパクトにすれば、勝機を見いだせると感じました。

頑張れ、ベルマーレ!!

名無しさん  Good!!0 イエローカード0 2015/03/14|06:31 返信

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