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【Jリーグ】 人種差別問題に思うこと。 【バナナ】

2014/08/26 23:24配信

飯守 友子 (CHANT編集部)

カテゴリ:日記

バナナ差別問題。

この問題を取り上げるか否か数日悩んだ。
この問題にはいろいろな視点があり考え方があると思うが、行為は絶対的にNOであることは間違いない。
個人的意見にすぎないが、興味があれば読んでいただきたいと思う。


問題となったのは
8月23日に行われた神奈川ダービーでの出来事だった。
Jリーグデヴィジョン1 第21節 横浜Fマリノス×川崎フロンターレ戦において、試合中にバナナを挑発的な道具として使うような行為があり、それがフロンターレ所属のレナト選手への差別行為をしたとみなされた。
その行動をとった本人はそういったつもりはなかったと弁明したというが、それでも、フロンターレがバナナをさまざまなイベントやチームのイメージ物のひとつとしてバナナを取り入れていることを知り、それを逆手にとって挑発行為の道具として使ったことは良いといえる行動では当然ない。

この問題は試合中のテレビ中継で映り、インターネットを舞台に人種差別行為ではないかと問題となった。
それを早い段階で把握したマリノス側がすぐに個人を特定し、試合後面談を行った結果、クラブとして人種差別に当たる行為として捉えられる問題と受け止めその個人を無期限の入場禁止とした。

今Jリーグ全体で人種差別行為、そして問題行動にとてもピリピリした状況であることはサッカーファンであれば誰もが知っていることだろう。
それは今年3月に浦和レッズゴール裏にて人種差別ととらえることのできる横断幕が張られており、、指摘があったにも関わらず浦和は対応が遅れ、以前の問題行動や人種差別的行為も含めた措置としてJリーグ初の無観客試合という厳しい処分が下った。

サポーターがとった行動により、クラブに、そして同じ仲間であるサポーターに、さらに戦う選手たちに迷惑をかけてしまう行為に繋がってしまうことがある。
サポーターに問題があるとクラブが責任を取ることとなり、制裁金や大きな責任を背負ってしまうのだ。

サポーターはチームと共に戦う12番目の選手であること。
それをクラブ側も受け止めているからこそ、個人の責任にしてその個人に制裁金を請求したりするのではなく、クラブで支払うこととなるクラブが多い。

事の重大さに後から気づいた
というのでは遅いのだ。

サポーターにも自覚が必要だと浦和の問題の時に 今までにない大問題となった事の大きさを伝える連日の報道やネット上での議論、そして初の無観客試合という異様な光景を見て、各チームのサポーターが胸に今一度、とそれぞれが大切なものを確認したはずだ。
身の振り方、行動の自覚、責任、クラブのサポーターだという重いものを背負う覚悟。

浦和だけの問題ではなく、Jリーグ全体に対しての厳しい発信となったはずだった。


しかし、だ。


今回こういったことが起きてしまった。
バナナは海外サッカーシーンにおいて差別行為を示すものだと問題となっていたことは日本でも充分すぎるほどに情報として入っていたはずだ。

こういったことが起きてしまったのは現実であり、本人がそういったつもりはないとどんなに言っても、バナナを挑発的な道具として使ってしまった以上は受け止める側がそう受け止めてしまうと=で繋がってしまうのだ。

いじめをしたつもりはなくても
いじめられたと感じてしまうといじめが成立してしまうことと同じで
やった側の主旨ではなく、それを見て受け止めた側がどう感じたかというところが主となることもある。

あれだけ大きな事態となった人種差別問題。
Jリーグ1のサポーターを持つ浦和レッズのサポーターが太鼓も使わず幕も出さず手と声だけで応援しているあの姿を見て、何も思わなかったのだろうか。

たった一人のそういった行動が、クラブにどれだけの迷惑をかけ、どれだけの影響を与えるかを。
サポーターはクラブより立場が上でも下でもない。戦う選手たちの上でも下でもない。12番目の所属選手としての自覚が必要なのだ。

Jリーグの制裁はまだ決まってはいないが、マリノスは初めてだからという理由で500万円の制裁金となるのではとの見解があるが、ちょっと待ったと言いたい。

「はじめてだから」

この違和感はなんだろうか。

マリノスに厳しい処分を求めるわけではないが、浦和は何度も問題行動がありさらに人種差別という大きな問題があったから無観客試合。
マリノスは一度目だから500万円の制裁金…。

Jリーグ全体の問題だったのではなかったか?と思ってしまう。
その問題行動の回数で罪の重さが違う、量刑が違うと言わんばかりのJリーグの対応に疑問を持ってしまう。

では、浦和サポーターの行った行為が人種差別じゃなかったら…?という主旨の違う考え方をしてしまうかもしれない。

問題は
どこのクラブがそういった行為を行ったか
ではなく
人種差別ととれる行為があった事 だ。

浦和がマリノスが ではなくJリーグクラブで今年2回目の人種差別行為があったことが問題なのではないのだろうか。

…それが私個人的な差別問題に感じたこと、だ。


それともう一つ。


バナナは悪くないということ。

差別問題=バナナという認識である国もあり、スタジアムへのバナナ持ち込ちが禁止されているリーグもあると耳にしたこともあるが、Jリーグは現在バナナを持ち込むことが禁止にはなっている試合はない。
サポーター席だけではなく大学サッカーなどではハーフタイムにベンチでバナナを栄養補給に食べているチームもあり、Jのチームでも練習後の栄養補給にバナナが配られるチームもある。

川崎フロンターレはスポンサーであるドールが協力の元で川崎応援バナナというものを出しており、そのバナナを購入することでその売り上げの一部が等々力競技場の改修資金になるという物で販売されており、川崎市内のスーパーやホームゲームでも販売されている。
スポンサーであるゴールからは年間約4万本のバナナが提供されており、トップチームから下部組織まで消費するバナナをドールが提供し、クラブの大切な栄養の一部を担っている。
そのため、川崎フロンターレのサポーターはバナナを持っている機会が多く、相手クラブに自分たちのクラブの象徴としてバナナを贈呈することもある。
この問題がネット上で大きく取り上げられた時、フロンターレサポーターがセレッソ大阪を旅立つ柿谷曜一朗にバナナを差し入れたのは問題ではないのか!?という意見も見られたが、それは川崎サポーターからクラブを象徴するバナナを渡すことで敬意と示す贈り物だったと思う。
フロンターレとしてはバナナは特別なものであり、今回のこういった行為を経て、バナナが全てにおいて悪いもの といった認識に他サポーターから見られるようなことにはなってほしくないと願う。


バナナを舞台にさまざまな感情や論争が起きている今だが、バナナという食べ物自体は悪くない。
そしてフロンターレのホームゲームで売られているバナナは差別行為の道具としてではなく、等々力競技場の改修への協力と、スポンサーであるドールへの感謝の示しだ。
それも問題だ!というようなリーグにはなってほしくないと思う。
そういったものを販売しているのは問題!といったようなことにだけはなってほしくないと個人的には思っている。

バナナを食べることは決して悪いことではないし、バナナをスタジアムで食べることを禁止しないといけないほど秩序を持たない人が多いとは思いたくはない。
Jリーグでこういったことが問題になったからこそ、バナナを挑発的に使ってはいけない、バナナは食べるもの。という認識でそういった行為はないリーグになることを願う。

今回はマリノスのホームゲームで起きたことであり、挑発行為に使おうとしてバナナを持ち込んだのかはわからないが、それでも挑発行為の道具として使った以上、アウトであるだろう。

一人が起こしたことなのに、「マリノスサポーター」というくくりになってしまう。
マリノスサポーターは浦和の問題があった後、人種差別に対し厳しい取り組みをしてきたとされ、挑発行為の自粛も促してきた。
それでも起きてしまった今回の事件は非常に残念でならない。

人種差別だけに限らず挑発行為そのものがどこからどこまでOKという線引きはない。
どこがOKでどこがNGか

まず。サポーターというものは相手を罵ったり挑発をお互いにすることが主ではないはずだ。


サッカーを介して自分と融合し、全力で応援できるクラブがあるというのはとても幸せなこと。
それを自らの手で捨ててしまうようなことがこれ以上増えないことを願う。

 

 

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