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【FC町田ゼルビア】「+one to the next STANDARD」 目指すはJ1「定着」。FC町田ゼルビア新体制発表会【J2】

2016/01/24 20:38配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


一時も気の抜けない長い戦いを越え、入替戦までを戦い抜き、4年ぶりのJ2への挑戦権を手にしたFC町田ゼルビア。
J2へは2度目の挑戦となるが、気持ち新たに再びJ2へと挑む。

昨シーズンは本当に苦しく厳しい戦いが続き集中する日々を送ったが、緊迫した時を経験したからこそ身に付いたものがあるはずだ。
その経験を持って、ひとつ上のステージへとチャレンジする。

相馬監督の下、新加入選手を迎え、新たに迎える2016シーズン。
1月15日に始動したFC町田ゼルビアだが、23日には過去最多となる約800名が集まりJ2シーズンを戦う新体制発表会が行われた。
クラブと地域、そしてサポーターが一体となり目指すはJ2「定着」。そして、その先へ続くJ1への土台作りだ。


●「+1」から「one」へ

昨年のFC町田ゼルビアのチームキャッチフレーズは「+1~熱き想いとトモニ~」だった。
はじめてのJ3というステージの設立初年度となった2014シーズン。
J2昇格を目指し戦ったFC町田ゼルビアはあと一歩というところで昇格に関わる枠を逃してしまう結果に終わった。
自動昇格圏である1位には勝ち点7差、入替戦に進める2位との勝ち点差はほんのさずかながら1。
あと一歩というその差を痛感する結果となったことから、2015年はそのあと一歩での後悔をすることがないよう
「+1」という目標を掲げたのだった。

2014年シーズンの悔しさを持って挑んだ2015シーズンは、後悔のないよう毎日の練習にもより力を入れ取り組み、試合をこなす度に一体感を増していく良い雰囲気の中で結果を出すことに成功し昇格争いとなる負けられない状況の中
サポーターが届けてくれる力や地域の後押し等、選手たちの持つ100%以上の力となる応援があったことで「+1」としてチームに大きな力が加わった。
リーグだけでなく天皇杯では4回戦まで勝ち上がり、入れ替え戦ではJ2大分相手に2戦2勝という結果で、J3チームの中では一番多く試合数をこなしながら最後の最後までを戦い、J2昇格を掴んだ。

2016シーズンはこの+1を含め、さらにスタンダードを高め一体となることを目指し
「+one to the next STANDARD」というキャッチフレーズを打ち立てた。

J2残留という目標だけでなく、ひとつでも上へを掲げるFC町田ゼルビアにとって必要なことは
ステージがひとつ上がるリーグにおいて当然今までとは対戦相手の質が上がることはもちろん、リーグ全体の試合だけでなくクラブの質も上がることとなり
個々のスキルやフィジカル、メンタル等のスタンダード部分を向上しなければならないこと。

さらにクラブとしては、J1への道を考えクラブハウスや専用練習場の確保、1試合平均観客数の増員、
1万5千席以上規模のスタジアムなど問題解決、そして向上に向けて歩み、クラブとしてのスタンダードの向上も目指すこと。

1からoneという表記となったのは、oneには「一体」や「一致」という意味があることからだ。
さらに一歩ステップアップすることに加え、昨年も強く感じた一体感や、一致団結が起こせる力を大切に、J2定着を目指す。

チームのグラフィックアドバイザーである水谷慎吾氏がデザインしたキャッチフレーズロゴは
oneの「o」にはチームマスコット・ゼルビーの鋭い目で力強く「n」はトビラと見立てられ、一体となって次のトビラを見据えるというイメージが表現された。

●2016シーズンを戦うFC町田ゼルビアに加わった新加入選手

2016シーズンを戦うFC町田ゼルビアには8名の新加入選手が加わった。
昨シーズンを戦ったチームとは選手の入れ替えがあることもサッカーチームの持つ宿命であるが、充分な実績・経験を持つ選手が加入したことなど、チームに刺激となり期待できる選手が揃いJ2での戦いに向けてスタートを切った。

ジェフユナイテッド千葉から加入のJ1そしてJ2で多くの活躍を重ねてきた谷澤達也は、柏レイソル、ジェフユナイテッド千葉、FC東京でプレーしてきた。
ジェフユナイテッド千葉では昨年も主力の一角として多くの試合に出場し、J1で160試合以上、J2では220試合以上の出場記録を持つハイキャリアな選手だ。
中盤から積極的な攻撃参加で得点チャンスを作り出し、自らもゴールを決めることができる選手である。
どのチームにおいても愛されてきたそのキャラクターはJリーグサポーターに広く知られており、町田でもそのキャラクターでチーム、そしてサポーターを引っ張る存在になるであろうことに期待がかかる。

モンテディオ山形から加入となった中島裕希もJ1J2併せて350試合以上に出場経験のある充分なキャリアを持った選手であり、得点部分に絡む活躍に期待したい選手だ。
J2での経験も豊富であり戦い方を知りベテラン選手としてチームを引っ張りながら刺激を与える選手として期待がかかる。
山形時代には相馬監督がコーチとして指導した期間もあり選手としての能力や起用方法などを理解する相馬監督の下、新たに出発する。


そして注目したいのは、センターバックだ。
昨年リーグ最少失点を記録したFC町田ゼルビアだが、ゼルビアのサッカーを支えるディフェンスラインの選手たちの移籍があったことで
新たなセンターバックのポジション争いには注目が集まっている。
守備が固かったことはチームの強さの土台となった部分だけに新たなディフェンスラインの構成は気になるところだ。
2016シーズンの補強のポイントとして絶対に欠かせないポイントだったはずだ。

センターバックの選手が複数補強された中で、新戦力となる国士舘大学からの大卒ルーキーとなる福田友也に注目したい。
国士舘大学サッカー部で副キャプテンを務め、昨季はほとんどの試合で90分出場し、関東大学リーグ所属の強豪大学でありインカレではベスト4となった国士舘大にとって欠かせない存在であった。
身長以上の大きさを感じさせるその存在感をプロの世界でさらに磨き大きくなってほしい。


●「残留」ではなく「定着」へ より己に厳しく立ち向かう

J2残留というよりも、J2定着という意識を持って挑むシーズンとなるFC町田ゼルビア。
厳しい負けられない戦いを乗り越えてきたからこそ、簡単に掴んだ場を手放すわけにはいかない。

J2へとチャレンジした2012シーズンは最下位という結果で終わってしまった。
その時学んだこと、経験したこともプラスし、2度目の挑戦を残留ではなく定着とすることで、「+one」を計る。

3年目となる相馬監督は、新体制発表会にてステージに立つと、改めて昨シーズンまでのたくさんの支援や応援への感謝を口にした後、2016シーズンの目標を語った。

「まずは残留ですが、あまり残留という言い方も好きではないので、我々の居場所がJ2にあるということを自分たちの力で創っていかなくてはいけません。
そこから先に初めてもう1個先のステージ…それはJ1ということになりますけど、そこには現場だけでなくクラブ、そして地域の皆さんにもご協力していただかなければならないことだと思います。
そういった上を、前を、見えるようなシーズンにぜひ、したいと思っています。」

「我々にとってすべての試合がチャレンジです。すべてのものをぶつけて、キックオフから終了のホイッスルまで出し切るという戦いをしていかなければならないと思っています。
そのためには自分たちからトレーニングを厳しくして、その中でJ2にふさわしいチームにならなくては。」
と、ひとつ上のステージに上がったことでより厳しくトレーニングをし、向上する意識を持たなくてはならないこと、、
これまで以上に90分すべてを出し切る試合が求められるシーズンとなることを、相馬監督は言葉にした。


チームは今後、宮崎県内、鹿児島県内でキャンプを行い、2016シーズンの土台となるチーム強化を図り
2月28日に行われるセレッソ大阪との開幕戦に備える。
J2最高レベルともいえる戦力を持つセレッソ大阪とのホームでの開幕戦はJ2開幕の大一番として注目されることが予想される。
どんな相手を迎えても、FC町田ゼルビアは一体となり、全力で挑戦する。

町田市民のシンボル的存在へ―。

FC町田ゼルビアが目指すのは、町田に欠かせない存在となること。

昨シーズン。
J2昇格に向かったその厳しい道のりを支えてくれる人たちが一人、また一人と増えた実感があった。
多くの人々が、チームを応援してくれた、支えてくれた。
+1があったからこそ、最後に最高の瞬間を迎えることができた。

2016シーズンはFC町田ゼルビアにとって、チャレンジのシーズンとなる。

+one to the next STANDARD―。
自らを高めることが、戦いに繋がる。

(PHOTO by FC町田ゼルビア)

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