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天皇杯の生中継 課題への対処と明確な基準を!

2015/12/25 13:46配信

武蔵

カテゴリ:コラム

Jリーグはリーグ戦が終了し

11年ぶりに復活したチャンピオンシップが行われ

そこでは年間勝ち点1位の広島が年間王者に輝き、幕を閉じました。

それから3週間。

天皇杯は準々決勝が行われます。

過密日程が問題となる中、このような長期のオフは

ある意味で歓迎されるべきとは思います。


しかしこの時期、天皇杯を残していないクラブ

つまり、オフシーズンに入るクラブの方が多く存在します。

いわゆる、ストーブリーグの季節です。

来期へ向けた補強とは、早い者勝ちという側面があり

天皇杯を残すクラブであろうとも否が応にも補強に動かざるを得ません。

もちろん、天皇杯を制すればACL出場権を獲得します。

つまり、現在の状況とは

来期のチーム内のA契約枠すら決まっていない状況であり

補強に関しては不利と言えるかもしれません。


そして当然、表沙汰になっていようと無かろうと

来期の去就が決まっている選手、スタッフがいるでしょう。

そんな中で、チームの雰囲気が

伝統ある天皇杯を勝ち抜くに相応しい戦闘態勢となっているかどうかが

この天皇杯を勝ち抜くために必要なチーム力だと言えそうです。

ちなみに、なぜチャンピオンシップから天皇杯まで3週間

リーグ戦終了からは4週間も空かなければならないのか。

理由の1つはクラブワールドカップの存在です。

今年、3年ぶりに日本開催となったこの大会は

広島の躍進や、その賞金額もあって、とても素晴らしい大会と言えます。

ただ、天皇杯準々決勝以降の中2日続きの日程を始め

最短で元日決勝と「せざるを得ない」現状からして

現行Jリーグの過密日程にとっては

最大級の「外患」であると言うこともできます。

天皇杯の放映問題

とはいえ現状、日程は変えることはできませんので

粛々と消化していくこととなります。

ともかく、12月26日には天皇杯準々決勝4試合が行われ

そのあとは中2日続きでの連戦を迎えます。

クラブによっては2月中旬に公式戦を戦ったところもあったので

11ヶ月の長きに渡るシーズンを締めくくる大会となります。

勝ち上がった8クラブが、元日決勝を

さらには天皇杯優勝を巡って争います。


さて、天皇杯といえば、その他にも問題が起きています。

それは、テレビの生中継に関することです。


ベスト8ということで4試合行われるのですが

この中で、生中継は2試合だけとなり

あとの2試合は録画放送を待たねばならないのです。

これは、天皇杯準々決勝というビッグマッチの

存在意義に関わる事態ではないでしょうか。

なぜそうなったのか。

天皇杯の放映権を持つNHKが生放送を2試合に限定し

その上で、スカパー!に生中継での放映権を譲らなかったからです。


生中継をしないのであれば、譲っても良いのではないでしょうか。

少なくとも、Jリーグサポーターを無視した行為と言えます。

地上波デジタルに移行した後も、各テレビ局が

サブチャンネルを活用しないことを問題視する昨今ですが

まさに、このように、なんの捻りもなく

録画放送を待たねばならない事態となったことは残念としか言いようがありません。

生放送が限られるのであれば、対処と明確な基準を!

NHKの判断としては

Jリーグのチーム同士の試合中継では

視聴率が見込めないという判断もあるでしょう。

それを言われてしまうと、サッカー側、Jリーグ側の問題でもあり

立場の弱さを痛感することとなってしまいます。


また、公共放送ということを踏まえれば

真冬ということで試合の時間帯も限られ

その同じ時間帯でサッカーを4試合も放映することは

なかなか難しいのかもしれません。

そして放映権を、お金を出して獲得したこと。

これに関して放送局には、あるコンテンツの放映権を持つという

責任を感じてほしいところではありますが

ただそれだけに、他局に譲るということも

難しいのかもしれません。

であるならば

開催地と生中継との兼ね合いを考えてほしいのです。


天皇杯において、サポーター間でしばしば問題になることと言えば

対戦する両チームのフランチャイズで行われるのではなく

地方、中立地での試合開催

いわゆる、ドサ回りとも言われる事態です。


これに関して、私はそこまで否定的ではありません。

今回の天皇杯でいえば、J1クラブを持つ経験をしたことがなく

それでいて、スタジアムの改修、拡張をした長崎県に

今年の王者である広島と

タレント軍団で鳴るFC東京がやってくること。

この誘致は、Jリーグ100年構想的観点からしても

非常に意義のあることだと思うからです。

今回のマッチメークは

あらゆる意味でサッカー熱の非常に高い

長崎県のサッカーファンのためにはなるでしょう。

しかしその一方で、対戦する両チームのサポーターを

軽視することになりはすまいか、とも思います。

時期的に天皇杯は、開催が遠方となると

サポーターが公共交通機関を抑えにくくなりがちです。


もし「1試合くらい良いではないか」と言うのであれば

それこそ、天皇杯の存在意義や

サポーター達の天皇杯への見方が

悪い意味で変わってくる恐れもあります。


もし今回のように放送枠が限られるのであれば

中立地で行われる試合を優先的に生中継したらどうでしょうか。

偶然にも今回は、2試合がどちらかのホームスタジアムで行われ

2試合が中立地で行われるという風に、上手い具合に分かれています。


来年も、CWCの日本開催と

天皇杯の元日決勝が予定されています。

来年こそは、不満の出ないテレビ中継を行ってほしいものです。

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