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【セレッソ大阪】 二度目の監督交代!セレッソ大阪は再生できるのか 【Jリーグ】

2014/09/08 18:06配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:ニュース

何が起きてしまっているのか…。

セレッソ大阪が今季二人目の監督、ペッツァイオリ監督の解任を発表した。

セレッソ大阪は本当に苦しい状況に今立たされている。
2人目の監督交代がもたらす結果がどういった結果になるかは誰にも今はわからないが、かなり危機的な状況にあることはサッカーファンなら誰もが感じることができるであろう。

●新体制となった2014

今年はセレッソ大阪にとって新しい門出となった。
強化部長、GM、そして監督を一新したセレッソ大阪は特大の花火を打ち上げた。
それはウルグアイ代表で前回W杯得点王のフォルランの獲得というビッグプロジェクトだった。

いつもJリーグには大物外国人が来るという噂が飛び交い、期待されながらもなかなか実現することはできず、J開幕当初のような大物外国人はなかなかJリーグクラブが招聘するには至らなかった。
フォルランが移籍かと出たときも来ないだろうという見解の方が大きかったのではないだろうか。
しかし、セレッソ大阪はJリーグ側と協議を重ねフォルラン獲得を実現させた。

Jリーグはじまって以来の大きな招聘プロジェクトとなったと言ってもよい獲得劇は世界各国から注目を集めた。

フォルランの入団会見はスカパーで中継され、そしてセレッソ大阪のホームスタジアムである長居陸上競技場(現ヤンマースタジアム)にはたくさんのフォルラン入団を喜び受け入れるサポーターが集まった。

フォルランの年俸は6億円から7億円と言われており、その実力や経済効果に期待が大きくかかっていることがわかる。
大物外国人であるフォルランにJリーグ№1といってよい人気を誇っていた柿谷曜一朗の共存は大きな可能性を大きく秘めていた。

リーグ序盤こそ良いスタートとなったものの、その後は低迷。
リーグ戦は5月の名古屋戦から勝利がない状況となっている。

新監督として就任したのはFC東京を率いていたポポヴィッチ監督。
しかしポポヴィッチ監督のサッカーはそれまでのレヴィクルピ監督が創り上げたセレッソ大阪のサッカーとは違ったサッカーであり、深く浸透していたセレッソ大阪にポポヴィッチ監督のサッカーは浸透しなかった。
うまくいかない状況でポポヴィッチ監督は名指しで選手批判をはじめ、選手の責任にする言動が多く見られたこともあり、選手たちとの溝が深まり、結果も出ない状況が続いたことで中断前にクラブは解任を発表。

W杯が開催されている中断期間に二人目の監督となるペッツァイオリ監督を就任させた。

●なぜ時間のかかる監督を選択したのか

中断期間という短い準備期間の中で、日本サッカーを指揮したこともなく監督経験も浅いペッツェイオリ監督に与えられた時間が短すぎた。
ポポヴィッチ監督よりは明確なプランを持ち、セレッソ大阪をこういったチームにしたいという意図は見ることができたものの、それでも昨年までのセレッソ大阪らしさがみられた試合はなく、選手たちの能力の良さをすべて引き出せるような試合は少なかった。

中断期間を終えた時点で優勝を狙うと公言していたチームは低迷といってよい位置にいた。
そして中断後に発表されたセレッソの申し子エース柿谷の移籍。

絶対的エースがいなくても大丈夫と選手もサポーターも柿谷の移籍に背中を押したが、今季柿谷がいた時も思うようにチームは機能しなかったものの、その後はさらに攻撃力が低下。
複数得点を挙げられる試合もあったものの、全体的に波があり難しい状況となった。

12戦勝利なし、勝った試合は格下相手の天皇杯のみという状況。
そしてその天皇杯も格下という言葉ではかたずけられないほどの相手であり、三重県社会人リーグのクラブに1-0、現在J2最下位のカターレ富山に1-0という辛勝という結果は穏やかではなかった。

史上最攻 とチームスローガンを掲げた今季リーグ戦での総得点数は現在27。
この得点数はリーグ下から5番目となっており、昨年の同時期と比べると7得点少ない。
史上最攻というほどに攻撃力の爆発に期待されたフォルランの獲得と柿谷の共存。
しかし、そんなにうまくはいかなかったというのが結果論だ。

そもそも、攻撃力を重視したサッカーとして昨年までのクルピ監督のサッカーよりもポポヴィッチ監督のやり方が攻撃バラエティに富んでいたかというとそうではない。
フォルランという大物外国人の加入はチームにとって大きなものとなったかもしれないが、期待したような結果も今の時点では現れていない。

フォルラン一人ではダメだと踏んだクラブはさらに元ドイツ代表で無所属となっていたカカウを加入させた。
カカウにかける金額は2億円と言われているが、今のところその2億円の価値があるのかは微妙なところといって良いだろう。

日本人選手たちは他クラブと比べても平均的な金額となっており、二人の巨額の外国人を前になにを想うだろうか。
お金で買えない想いや物事はたくさんあるが、それでも金額というのはサッカー選手にとって一番の評価だ。
しかし、未知数の外国人に大きなお金が動いたことは所属選手たちにとっては穏やかな状況ではないであろうことが予想できる。

フォルランはJリーグきっての大プロジェクトであり、観客収入やグッズ収入、広告収入、経済効果などを考えての日本とウルグアイの国同士のプロジェクトといって良いほどに大きな大きな背景があるのだろうが、カカウに関しては戦力としての金額以外何物でもない。
残留請負人としてなら大きな金額を出してでもということだったのだろうかわからないが、それでもシーズン途中から億単位の金額を出しての外国人獲得は疑問が残る。

フロントから監督まで交代してのシーズンスタート
そして監督スタッフの一新にて中断期から1からスタートさせた引き継ぎ感のなさ
浸透には時間がかかることを想定したと思われるような監督人事にしたにも関わらず、それを全うすることもできずに最終的にクラブ内人事により1シーズンで3回目のチーム作りが始まる状況。


大物外国人の獲得
エースの移籍
そして未知数の巨額外国人の獲得。

完全なる 迷走 の中にいるセレッソ大阪だが、昨日行われたナビスコ杯2ndレグの戦いは奮わせてくれるものがあった。
トータルスコアでは負けとなり、先がないものになってしまったものの久々に得た勝利。
圧倒的不利な-3の状況からあと1点まで追い上げた気迫と気力、そして意地。
まだこのチームは下なんて向いていない、目の前の試合を必死に戦っていると思わせてくれた戦いから一夜明け、まさかの監督交代、強化部長交代、スタッフ陣の一新という衝撃的なニュースが駆け抜けた。

この状況で我慢をしているのは選手たちだけでは当然なく、サポーターも戦い続けている。
その状況でまたもクラブを一新する人事が発表された。
明後日には天皇杯を控えている。


新監督となるのはセレッソ大阪ユース監督を務めている状態だった大熊裕司氏。
同じくユースから村田・田島両コーチの就任
昨年までコーチを務め、一昨年の天皇杯では監督代行を請け負った小菊コーチも再びスタッフとして入閣することとなった。

小菊コーチは現在クラブの将来を見越しS級ライセンスを受講しており、本日より行われている中期合宿に参加予定だったと思われるが、クラブの緊急事態によりライセンスの取得ではなく現場スタッフとして入閣することが第一とされた人事となったようだ。

選手たちからの信頼の厚い身近なクラブ内人事となったものの、それでもこの厳しい状況でこの一手をつかわなければいけなかったのかという疑問は抱く。
育成チームとして名高いセレッソ大阪の基盤を作る大切なスタッフたちをトップチームのこの厳しい状況の中で責任を大きく背負った状態で任せる状況となり、残留を目指すこととなる。
トップのこの状況の混乱をユースにまで拡げてしまうこととなり、ユースの選手たちの未来に大きく関係する指導者たちがシーズンの途中で異動となってしまうのは良いことではないだろう。

この状況をセレッソ大阪全体でなぜ取り組むことが遅れてしまったのか。
今季のセレッソ大阪のフロントの判断は現在のところすべて外れてしまっているといってもよい。
選手、サポーター、下部組織も含め、一丸となる戦いが必要となる。

史上最攻を掲げ、優勝を狙うなら今年と意気込んだチームが現在降格圏という現実を受け止め、これからどういった戦いをしていくか、そしてこの時期はクラブとして来季の構想、そして評価もしなくてはいけない時期だ。
そういった大きな現実を前に逃げずに戦ってほしいものだ。

今回の人事はさまざまな人間、選手に影響がある人事。
だからこそ絶対に失敗はできないところに来ている。

信頼は失うのはあっという間だが、取り戻すのは難しいからこそ
もう間違いは許されない。

誠意を持って、セレッソ大阪はfootballに向き合わなくてはならない。

選手とサポーターが一体となって桜満開の中、笑顔があふれる形となるよう、願うしかない―。


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