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【日本代表】 札幌合宿二日目 公開練習レポート 【アギーレJAPAN】

2014/09/03 14:21配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:ニュース

 


日本代表の札幌合宿二日目が9月2日、厚別陸上公園競技場にて行われた。
初日に練習が公開されたことで、インターネットやメディアなどを通じて練習が公開されることを知った多くのサッカーファンが詰めかけた。
メインスタンドが開放されたが、集まった人の数は約3000人。
多くの人々が注目する日本代表はボールを使ったトレーニングを中心に2時間汗を流した。

この日、1日遅れで31日まで所属クラブにて試合があった本田圭佑、長友佑都、川島永嗣、柿谷曜一朗、岡崎慎司、酒井宏樹、田中順也が合流。
今回の日本代表に招集された23名の選手たち全員が揃っての初練習となった。

前日のトレーニングは軽めのフィジカルトレーニングやリラックスゲームなどをこなしたが、この日はボールを使ってのコミュニケーション練習がスタート。
用意されたメニューは3種類ずつであることが多く、スペイン式の練習方法が取られた。

●スペイン式トレーニングとは

日本サッカー協会が協定しているスペインサッカー協会。協定した理由は今後の選手強化のための指導者の派遣や選手育成にスペインの強化技術と組織を共有させてもらう狙いがあるが、アギーレ監督は日本代表にスペイン式の練習方法を持ち込んだ。
スペイン式のトレーニングとは大きく分けて3つのトレーニング方法に分かれる。

1 分析的なトレーニング
2 グローバルトレーニング
3 インテグラルトレーニング

分析的なトレーニングとは、相手がいない状態の中で判断力を要求しない反復練習
グローバルトレーニングとは相手を配置することで状況に応じて判断力が必要なトレーニング内容
インテグラルトレーニングとは実践形式を取り入れながらチームとして特定のテーマを盛り込み実践するトレーニングとなっている。

昨日の練習ではこのうち、分析的なトレーニング、そしてグローバルトレーニングが行われた。


●ビブスを付けてのパス回しを基本にした反復トレーニング

フィールドプレーヤー20人を4人1組に分け、パス回しからトレーニングはスタートした。
その後、4対1が行われ4対2、4対4そしてフリーマン2人を配置したパス回し、5対5と人数を増やし、8対8にフリーマン4人、最終的にはハーフコートで10対10のミニゲーム形式を取り入れた。

その合間に行われたのがサイドからクロスを入れてのシュート練習。
右サイドからのクロスから取り込む形でのシュート、右サイドからのボールにゴールに背を向けた状態で反転してヒールで処理しシュートといったように技術が必要なシュートを狙うことも全員に課した。
これはディフェンダーであっても中盤であっても前線の選手であっても同じく同じメニューで行われた。
そして同じく左サイドからも。

サイドからクロスを上げていた選手の中には本田圭佑が。
アギーレ監督の中で本田は右のウイングで使うという考えというのがあるのかもしれない。
途中からクロスを上げるのではなくシュートを打つ側に回ったが、さすがといったようなボール処理も観られ本田のゴールに歓声が沸くこともあった。


●アピール合戦のボランチ

10対10が行われる際には、所属クラブで31日90分試合に出場した酒井宏樹、岡崎慎司、本田圭佑は早めに切り上げストレッチでクールダウン。
10対10ではGKも参加する形で行われたが、熾烈だったのはボランチの競争だった。

長谷部はこの日も左ひざの痛みから別メニュー調整となっていたが、細貝、柴崎、扇原のボランチの戦いに激しいものがあった。
ハーフコートで行われているため、ポジションでの動きというのは流動的であったものの、守備も攻撃面でも存在感を示していたのがボランチでポジションを争うことになる3名だった。
中でも細貝は守備にも攻撃にもスパイスを効かせる激しさがあり、判断も速く切り替えも速い。
しっかりと前にいる選手を使うことのできるボランチとしてセンスと存在感を発した。
読みの判断も速く危険察知能力に富み、さらにキーパーとの兼ね合いも絶妙だった。
柴崎、扇原も積極的にコントロールし守備面でも判断を遅らせるような守備やコースを消しボールを下げさせる、ボール奪取したところから素早い前線へのパスなど光るものをたくさん見せてくれるゲームとなった。

●勉強熱心な姿

トレーニング終了後のクールダウン中、選手同士でゲーム中のポイントについて数人で話し合う姿が見られた。
特に扇原は長友に身振り手振りで質問を重ね、長友が指導のように説明するという場面が見られた。
積極的にコミュニケーションを図り、サッカーについて知ろうとする連携を取ろうとする姿は向上を意味する。
選手間でもっとこうした方が良いといったことや、相手にしていた選手にボールを奪われた際にどうして奪われたのかを問うなど、そういった姿勢と意識、行動が今後を左右するだろう。
日本代表での貴重なトレーニング時間を無駄にすることなく、少しでも吸収したいと貪欲な選手たちの姿が見えた。

ポジション的な練習やフルコートでの実践練習などはまだなく、スターティングメンバーなどはまだわからないが今日からの非公開練習で煮詰めることだろう。
今日は紅白戦などを行い、明日試合前日はセットプレーの確認などが行われるのではないかと予想される。


アギーレJAPANの初陣まであと3日。
どんなサッカーをするのかという部分は、いまだベールに包まれたままだ。

 

 

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