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今、日本代表サポーターはどう振る舞うべきか。

2014/07/02 00:17配信

ミノル・スアレス

カテゴリ:コラム

不定期連載コラム『サポーターとは何者なのか。』

はじめに~当コラムについて~

私はこれまでサッカーに関する記事を書いてきましたが、最近は「ブログを書くことに一体、何の意味があるのか。」という自問自答を繰り返しています。

なぜかといいますと、私は一サポーターとして、何らかの形でサッカーに貢献していきたいと考えているのですが、その気持ちが強くなるにつれ、「自分はそもそもサポーターと言えるのか。」、「自分は何か少しでもサッカーに貢献出来ているのか。」といった疑問が湧いてきたためです。

そこで今回から今までと少し志向を変えた連載コラムを始めることにしました。
このコラムでは、サポーターにまつわる様々な出来事や意見をもとに、

「サポーター論の必要性」

「サポーターの定義・役割」

「サポーターによるサポートの手段」

について考察していきたいと思っています。

最終的には、何らかの結論を出したいと考えていますが、多くの時間を要するかもしれません。
手探りで進めていきますので、本来の目的とは逸れるような話を取り上げることもあるかもしれません。

ただ、そこから何か発見があるかもしれませんので、あまり縛りを強くせず、色々な話題を取り上げ、皆様と意見交換しながら進めていければと思っています。
よろしくお願いします。

Vol.1 失意のうちに終わったW杯。今、サポーターはどう振る舞うべきか。

今もW杯は続いていますが、残念ながら、日本代表は敗退してしまいました。
選手や監督に対しては、労いの言葉をかける方々もいらっしゃれば、強く批判されている方々もいらっしゃるようです。
中には、選手や監督だけでなく、労いの言葉をかけるサポーターを批判するような声もあるようです。

日本代表のサポーターは今、どのように振る舞うべきなのでしょうか。

今回は、野球の野村監督の言葉をもとに考察してみたいと思います。
野村監督は、ご自身の著書『野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉』の中で興味深いことを仰っています。

「人間は、無視・賞賛・非難という段階で試されている。」

実際に野村監督は指導者として、三流選手は無視し、二流選手は賞賛し、一流選手は非難するというアプローチをされているそうです。

もし仮にサポーターの振る舞いが、多少なりともチームの成長に影響するとしたら、この言葉から今、サポーターがどう振る舞うべきか、見えてくるかもしれません。

それを考える前に、一流、二流といった表現では少しわかりにくいため、もう少しこの言葉の意味を掘り下げておきたいと思います。

一流を非難するというアプローチの裏には、高い要求をするに値するという考えがあると思われます。
一流は、結果で評価するに値するレベルにあるということだと言い換えることもできるかもしれません。

そうすると、二流はまだまだ結果を要求できるレベルになく、プロセスで評価される段階ということになるでしょう。
だから、結果に関わらず、頑張れば賞賛するのだと思います。

三流は、今のままでは可能性がないため、相手にしない、無視するということになるでしょうか。

少なくとも、これだけの関心を集めている日本代表が三流ということはなさそうですので、今回のW杯の日本代表が「結果で評価すべきレベルにあったのか」、が日本代表に対するスタンスを決める鍵となりそうです。
ここでは、求められる結果がどのようなものであったかも重要になると思われます。
この結果については、優勝、ベスト8と言う声もあるかもしれませんが、ひとまず決勝トーナメント進出ということにしておきましょう。

野村監督の言葉を参考に、日本代表のサポーターがどう振る舞うべきか考えると次のようになるのではないかと思います。

・日本代表は決勝トーナメント進出を「要求」できるレベルにあると評価していたのであれば、非難すべきである。

・そういった目標がありつつも、日本代表はまだまだそれを要求できるレベルにないと評価していたのであれば、賞賛すべきである。

労いは賞賛とは同義ではないかもしれませんが、少なくとも非難とは性質が大きく異なりますので、今回は賞賛に含めることにしておきます。

実際に日本代表を非難しているサポーターは、日本代表への期待値がもっと高いものだったのでしょう。
前述の考えに当てはめれば、そのようなサポーターの姿勢は正しいと言えそうです。

それに対して、日本代表に労いの言葉をかけているサポーターはどうでしょうか。
彼らは果たして、日本代表が決勝トーナメント進出を要求できるレベルにないと評価していたのでしょうか。
真意、本人達に聞いてみないとわかりませんが、
個人的にはそうは思いません。
労いの言葉を書けているサポーターも決勝トーナメントに行けると考えていた人が大半だったのではないかという気がしています。

以上のことを踏まえますと、今回の考察の結果としては、日本代表を非難しているサポーターの振る舞いこそがあるべき姿だといえそうです。

ただし、これは野村監督の言葉が日本代表とサポーターの関係にも当てはめられる、また、サポーターの振る舞いがチームの成長に影響を与えるという仮定が正しいという前提での話です

今後、それらの仮定についても考察していく必要があると感じています。
また、そもそもサポーターに対してこう振る舞うべきだと主張すること自体が正しいのか、あるべき振る舞いをしていない人達はサポーターではないのだから、どう振る舞おうが自由なのではないか、といった疑問も解決していかなければなりません。

まだまだ考えなければならないことがたくさんありますが、今回はこの辺で失礼したいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

バックナンバー

Vol.1 失意のうちに終わったW杯。今、サポーターはどう振る舞うべきか。

Vol.2 サポーターはなぜサポーターを批判するのか。

Vol.3 サポーターによる「サポート」とは何か。

Vol.4 サポーターはサッカーに詳しくなければならないのか。

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