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長沢、室屋、橋本拳人 ハリル期待の新戦力候補が激突!

2016/09/28 19:26配信

武蔵

カテゴリ:コラム

9月25日、日本代表のハリルホジッチ監督がG大阪とFC東京の試合を視察しました。

報道によると、この度W杯最終予選の予備登録メンバーが増枠され

その中で、リストアップされた選手が揃ったこのカードの視察となったということです。

その記事内で挙がった、長沢駿、室屋成、橋本拳人は

いったいどんなパフォーマンスを披露したのでしょうか。

長沢は得点を挙げたものの・・・

試合は序盤から打ち合いの様相となり、3‐3のドローに終わりました。

長沢はその中で1得点を挙げ、ここ7試合で6得点とし、高い決定力を示しました。


長沢と言えば192cmの長身で期待を集める選手です。

今季は体重を減らさない取組みを行った効果が出て

密集や競り合い下においても、その身長を生かすことが出来ています。


ただ、ここにきての好調は、クロスへの入り方や相手マークの外し方など

地上戦で戦うための能力が向上したことが要因と言えるでしょう。

この日のゴールも、そういった質の向上が効いた得点でした。

しかし、後半には2つの決定機を迎えましたが、ともに秋元陽太のセーブに遭い

チームを勝利に導くことは出来ませんでした。


また、大部分においてG大阪が劣勢に置かれた後半では

主に日本代表CBの丸山祐市を相手にして、なかなかボールを収められず

チームの悪い流れを変えることが出来ませんでした。


長沢は最近、特に好調であり、この日も得点を挙げることが出来ましたが

もちろん、いつも得点を挙げられるワケではありません。

そこで必要となるのは、得点以外の、ベースとなるプレーでのアピールです。


日本代表に入るためには、代表のチーム事情、戦略を加味した上で

得点も含めて、どのようにチームに貢献出来るのかが問われます。

そういう意味では、この日の長沢のプレーは

そういった、ベースの部分でのアピールは乏しかったと言えます。


長身FWを熱望しつつも、総合力重視の人選となっているハリルホジッチ監督です。

長沢をオプションとして選出する可能性もあるでしょう。

しかし「さらにトレーニングをしてもらわないと」とした辺り

即戦力としてはとらえられていないのかもしれません。

ハーフナー・マイクなどと比べても、序列が上とは言えないのが現状でしょう。

室屋は持ち味のはずの守備で不安を露呈

長沢の挙げた得点、アシストをした藤春廣輝に裏を取られてしまったのが室屋成です。

そういう意味では、室屋は失点に絡んだと言えるでしょう。

ただこの場面は、現在のFC東京の弱点と言えるボランチ周りの守備を衝かれたもので

切り替えの際に空いた広大なスペースで、フリーで受けたアデミウソンがボールを運び

藤春に最も得意である、裏へのよーいドンの形を作ってあげることに成功したものです。


従ってこの失点は、キレイ事ではなく

明確に弱点を衝かれた、チーム全体の責任によるものと言えるでしょう。


では、予備登録メンバーとしてリストアップをされたという室屋が

内田篤人の穴を埋め切る人材に乏しいA代表に今すぐ食い込めるかというと

この日のプレーでは難しいと言わざるを得ません。


前半、2‐2となったあとのことですが、G大阪が左サイドでポゼッションをした際

サイドに開いた倉田に気を取られ、そのパスコースを切りました。

これは、相手の人とボールは外へ追い出す

まずは中央を締め、ゴール方向を切るというプレー原則から外れており

実際にこの場面では、空けてしまったゴール方向へパスを通されてしまいました。


強みのはずの守備でも不安を露呈した室屋もまた

A代表の即戦力とは言えないでしょう。

橋本拳人は、単純かつ致命的なミス

報道で挙がった3人の中で、唯一の途中出場となった橋本拳人は

そのユーティリティ性から、ベンチスタートであってもチーム内の序列が高く

この日も1枚目の交代カードとなりました。


右SHの入ると、相手DFラインの裏への裏抜けを繰り返し

次いでボランチに入ると、フィニッシャーとしてゴール前へ顔を出し続けました。

後半40分の前田遼一の落としは決めたかったところですが

それでも、難しい試合に途中から入り、攻守のバランスを支えました。

しかし、3‐2で迎えた後半ATに、失点に絡んでしまいました。

サイドの2対2を突破された後、米倉恒貴に付いていかなかったことで

その米倉が中で余り、結果的にその米倉のシュートが得点に結びつきました。

この場面、サイドの2対2に橋本が参加している時点で

中の枚数は5対6であり、FC東京が劣勢でした。

ここは、中はマンツーマンで守っていた場面のため、人数を合わせたいところです。

従って、前線で余っていた中島翔哉や、サイドで余っていた東慶悟が

戻りたいところだった、ということは言えます。


しかし、彼らはこの試合においてフル出場を果たしています。

途中出場であり、彼らよりも守備的なポジションである橋本が

相手を追いかけるのをやめ、自分のマークを離してしまうことは避けたいところでした。

彼に求められたのは、自分のマークを追うという単純なプレーでしたが

それを怠ったことで、より致命的なミスへと昇華させてしまいました。


確かにこの試合の橋本は、途中出場ながら、ハイペースでスプリントを繰り返しました。

ただ、ここはチームの為にエネルギーを絞ってほしい場面と言いたいところです。


しかし、無情にも結果として、この場面によりチームは勝ち点2を失いました。

もちろん橋本は、現状で代表云々という選手ではないでしょう。




この試合において、新戦力候補はいずれも一長一短を示したと言えるでしょう。

ただ、その短所は明確であり、10月シリーズでの招集は無いかもしれません。

彼らがA代表という高い目標を目指すのであれば、より一層の奮起が必要となります。

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