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【天皇杯】 天皇杯3回戦9月22日開催 注目カード 日本サッカーの頂点への挑戦 【第96回】

2016/09/22 08:53配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


今年の開催で96回目を迎えた歴史ある大会、天皇杯。
今季ACLを戦った4チーム以外すべてのJリーグ所属クラブが登場し、本日3回戦を迎える。

プロアマ問わずノックアウト方式で戦う大会は、毎年多くの波乱を生み、夢や奇跡を生んできた。
冬の風物詩とも言える天皇杯は、今大会から再び決勝を元日に開催し決戦を迎えることとなる。

サッカーを愛する者たちにとって、天皇杯決勝のない元日はなにかぽっかりと穴が空いたような感覚だったのではないであろうか。
天皇杯決勝と共に迎える元日。決勝に勝ち進んだ2チームだけが年を跨いでタイトルに挑戦することができる。

チーム、選手たちが元日にタイトルを懸け特別な舞台に立ちたいと目指すことはもちろん、サポーターにとっても愛するチームのタイトルを懸けて戦う年の始めを迎えることを目指しひとつひとつを戦う。
決勝は大阪・吹田スタジアムで行われる。

今季は2015シーズンJリーグから3チーム
優勝のサンフレッチェ広島
リーグ2位だったガンバ大阪が天皇杯優勝したことで、天皇杯優勝でのACL出場権が確定したため、リーグ4位のFC東京がACLプレーオフを戦い勝利し本戦出場を決め
リーグ3位の浦和レッズ
と、日本からは4チームがACLに出場した。

しかし、来季は日本勢のACL出場枠が減ってしまうことも考えられる。
プレーオフ2回戦等、かなり早い段階からACL本戦出場を懸け戦うということも想定され、Jリーグ優勝チーム、そして天皇杯優勝チームだけがストレートに本戦出場ということも考えられるだけに
天皇杯で優勝にACL出場を懸け重要なタイトルということになるだけに、いつもに増してタイトル争いが激化しそうだ。

Jリーグでは上位に食い込めない位置にあっても、天皇杯で勝ち上がることも当然可能であり、ステージの違うJ2やJ3そしてアマチュアチームにも同等の可能性がある。

9月22日には、3回戦が行われる。
これを勝ち上がるとACL出場チームを含めた16チームで再び組み合わせが発表されることとなっている。

4回戦の組み合わせは3回戦終了後、10月4日に抽選会が行われることになっている。
4回戦以降の日程は以下の通り。

4回戦  11月9日(水)…J2・J3チームが対象、11月12日(土)
準々決勝   12月24日(土)
準決勝   12月29日(木)
決勝 2017年1月1日/大阪 吹田サッカースタジアム


●3回戦注目カード

・大宮アルディージャ×ジュビロ磐田

昨年J2でライバルとして最後まで昇格の座、そしてJ2優勝というタイトルを争った相手。
今季リーグでは大宮が昇格組の中では抜き出た存在となり残留をすでに決めているが、同じ昇格組としてどのような試合をするのか非常に興味深い。
大宮アルディージャは天皇杯初戦となった2回戦でJ3ガイナーレ鳥取と戦い1-0で勝利。
昨年までチームに在籍していた片岡洋介との対戦とあり想いのある対戦となった。
ジュビロ磐田は1回戦から登場し、FC岐阜SECONDを7-0で貫録のある勝利で勝ち上がると、2回戦関東大学リーグ2部所属の神奈川大学との対戦では2-0と勝利した。
J1同士、昇格組同士の3回戦。渋谷監督・名波監督の采配にも注目したい。

・AC長野パルセイロ×横浜FC

J3の長野がJ1の名古屋グランパスを1-0で撃破し、勝ち上がった3回戦。
横浜FCは延長の末、同じステージで戦うJ2長崎を破り勝ち上がってきた。
長野で現在指揮を執る三浦文丈監督は昨年J2で戦っていたアビスパ福岡(昇格後現在J1)のコーチを務めていただけに横浜FCとの戦い方をどう執るか注目だ。
J2昇格候補の一角として常に挙がるJ3長野とJ2横浜FCの戦いはどんな戦いになるであろうか。

・鹿島アントラーズ×ファジアーノ岡山

ついにこの対戦が、と待ちに待ったサポーターも多いのではないであろうか。
ファジアーノ岡山には鹿島で活躍した岩政大樹が所属し、鹿島からのレンタル移籍中の豊川雄太も主力の一人としてプレーしている。
今でも鹿島で愛される選手たちが、ファジアーノ岡山のユニフォームを着て対戦相手として凱旋する。
特別な想いを持って臨む選手、サポーターが多くカシマスタジアムに集まることになるであろう試合。
鹿島は2回戦から登場しJ3カターレ富山に3-0と快勝、岡山はJ2首位を走るコンサドーレ札幌を相手に主力を多く温存させながら、2-1で勝利し勝ち上がった。
鹿島行きの切符を自らのゴールを持って引き寄せた豊川が、2回戦は登場しなかった岩政と共に鹿島で「今」を魅せる。
対する鹿島は後期調子を落としてしまっているものの、すべてのタイトルを獲りにいくのが鹿島スタイルだけにギアをひとつあげ、岡山を迎える。

・横浜Fマリノス×東京ヴェルディ

この対戦は今でこそステージが違うが、日産×読売というJリーグ開幕前からのライバル関係にあり、ビッグカードとしてリーグを日本サッカーを盛り上げてきたカードであり、久しぶりの対戦となる。
このカードは、クラブの意地と歴史が詰まった一戦と言えるであろう。
横浜Fマリノスはこの試合に備え早くから会場である高知入りし、先日は大型の台風が直撃するなどアクシデントが襲ったが、できる準備は万端で臨む試合となりそうだ。
日本サッカーを象徴する1選手である中村俊輔が負傷していたがリーグ前節でベンチ入りを果たしているだけにピッチに戻ってくることも考えられる。
東京ヴェルディは2回戦ではロアッソ熊本を相手に5得点と得点力が爆発。
昨年もシーズン終盤期から持ち前のヴェルディfootballを持って調子を上げてきた存在。
日産×読売の歴史を知る冨樫監督など、スタッフ陣にとっても特別なカードと言えるこの歴史的カードは注目したい。

・サガン鳥栖×セレッソ大阪

フィッカデンティ監督が今季就任し、試合をこなすごとにイタリアサッカーを感じさせるフッカデンティ監督が掲げるサッカーを定着させ、熟成させつつあるサガン鳥栖は
ジワジワとチーム力を増しながらここ2試合は連敗となったものの セカンドステージを好調と言える状態で進んできた。
エース豊田を中心とした攻撃力がやはり目を引くがチーム全体の総合力が高まっているように感じる。
その鳥栖が迎えるのはJ2に降格してしまってから2シーズン目を迎えることとなり、今季こそはと昇格を最低条件に掲げJ1に再び戻ることを目指しているセレッソ大阪。
セレッソ大阪にとってはかなり久しぶりとなるJ1チームとの戦いとあり、昇格するだけでなく再びJ1の舞台で戦うための意識を持ち戦う相手となるであろう。
J1チームとの戦いは今のチームがどのくらいの力で進んでいるかを計る上での、ひとつの大きなバロメーターとなることであろう。
キャプテンでありエースである柿谷が長期離脱中だが、杉本健勇のチームを引っ張る好調さは大きな武器となっており
元々サイズが大きいだけでなく足元の技術も持ちFWとしての嗅覚を持ち合わせ質の高い選手といえる杉本が、覚悟と責任を持ってプレーしていることを感じるだけに、チーム全体が良い方向へ向いている今、鳥栖との戦いでどのような戦いとなるか注目だ。

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