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【FC町田ゼルビア】 約2か月ぶりの勝利!ひとつひとつが挑戦の今季 乗り越えた己との戦い 【J2】

2016/09/21 11:56配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム


J2は第32節を迎えリーグも終盤に差し掛かっている中、ひとつの大きな勝利を迎えたチームが在る。
今季J2前半期の主役だったと言っても良いであろうFC町田ゼルビアは、7月20日昇格候補の一角であるセレッソ大阪からアウェイで勝利を得てから約2ヶ月間、勝利から遠ざかっていた。

勝てない時期が続くと、どんなチームでもメンタル面での問題を抱えることとなり
目には見えない己との戦いとなる。

手ごたえをつかんでいた前半期を経て、後半期に入ると難しい戦いが続くと予測し覚悟を持って長いリーグを戦っているであろう町田だが
それでも勝利から長い間遠ざかることは、チームにとって苦しい期間となっていた。

どうしても欲しかった、勝利という結果。

J2第32節
アウェイで迎えたツエーゲン金沢との戦いで、FC町田ゼルビアは2-1で勝利した。
今季リーグ12勝目。
チームはもちろん多くのサポーターが待ち望んでいた 約2ヶ月ぶりの勝利となった。

今季のJ2で旋風を起こしたのは、FC町田ゼルビアだった。
開幕戦をJ2の中でも飛び抜けた個人能力と資金力を持ったセレッソ大阪をホームで迎え、0-1と惜敗したものの試合はFC町田ゼルビアが握る時間が多く
J3からJ2に昇格し最初の試合で大きな手ごたえを掴めたことは、勝利とは成らなかったもののスタートとして悪くはない自信を手にすることができたFC町田ゼルビア。

その後はひとつひとつ階段を昇るように勝ち点を獲得していくと、J3で最少失点を記録した守備を中心に町田らしいサッカーを展開することで勝利を重ねた。
一時は首位に立つなど町田旋風はJ2全体に吹き、失点が少ない状態で多くの人々の予想を遥かに超える躍動で勝ち点を順調に積み重ねた。

昨季、J2の前半期に同じく旋風を巻き起こしたツエーゲン金沢のように、その後の戦いが難しくなるであろうことは予測していたであろう。
相馬監督が常に「今は勝利することができているが、これが続くとは思っていない」という内容の話をしていたことからわかるように、
シーズンを折り返すと、町田のこれまでの戦いの材料が揃うこととなり実際に対戦した試合からの課題を持って取り組まれ、攻略材料を見つけやすくなるであろうことは、シーズンを過ごす時間が経つにつれ覚悟していたはずだ。

その中で、開幕戦でゲームを握りながらも勝利することができなかったセレッソ大阪相手に、アウェイで3-1で勝利したことは大きな自信となった。
今季のJ2を戦う上でひとつの物差しとなったのはセレッソ大阪を前にどこまでできるかという開幕戦での試合であり、その敗戦から得たものは大きかった。
試合をどんなに握ることができ、手ごたえを掴んでも敗戦し勝ち点0だったことが自分たちとセレッソさんとの違いと相馬監督が話したように、
そこからその差をどう町田として詰めていくかが今季J2での戦いを重ねる上で重要であった。
セレッソ大阪に3点を得て勝利したことは大きな意味を持つはずだった。

しかしその後、FC町田ゼルビアは勝利から遠ざかる時期を迎える。
引き分けと敗戦を重ねる中、チームのエースである鈴木孝司がアキレス腱断裂のサッカー選手の怪我の中でも1.2を争うであろう大怪我を負ってしまったアクシデントや
シーズン途中での選手の契約解除などがあったことに加え
結果が出ない時間を過ごすことでどこか消極的になってしまい、ミスを恐れるようなプレーが増えたことでボールを失う場面が多くみられるようになってしまうなど、勝利という結果が出ない時期は難しい時間を過ごすこととなった。
嫌な空気を払しょくするには、ひとつの勝利が必要だった。

今季序盤の旋風中には
勝利を重ねることができるうちに、ひとつでも勝利を重ね勝ち点を多く掴みたいというリーグの戦い方としての進め方は成功したと言ってよいであろう。
結果が出せない時期が続いたからといって、前半期の戦いの賞賛は変わりない。
だが、勝てなくなる時期をどう戦い乗り越えるかということも、チームとしてまたひとつ成長するに必要なこととなる。

順位や相手は関係ない。
目の前にする相手というよりは、自分たちが目の前の試合にどう立ち向かっていけるかということが重要だった。

負けたくはない。負けて良い試合などない。
だが、サッカーは負けない試合をするのではなく、勝ちに行くことに魅力がある。

迎えた雨が残した水たまりによって重いピッチとなったアウェイでのツエーゲン金沢戦は、そういった試合となった。
負けたくないというどこか消極的な姿や、ボールを持つ瞬間に勝てないうまくいかない自分たちとリンクさせ気持ちがマイナスに動いてしまうような姿ではなく
勝ちにいくための戦いをみせた。

その結果が結びつく形で、FC町田ゼルビアは一時追いつかれながらも勝ち越し、
2-1で勝利を掴むこととなった。


次節は、首位コンサドーレ札幌との試合をアウェイの地で迎える。
月曜日開催という変則だが、前半期は2-0で完封勝利をした相手。
その時とは勢いも戦い方も熟成され向上している札幌だけに、難しい相手であることに変わりはないが
今季町田はどのチームを前にしても、自分たちがチャレンジする側として迎えてきた。

ひとつ勝利という区切りを掴んだことで、改めて札幌に挑む。

育成型起源付き移籍にて横浜Fマリノスから獲得したFW仲川が初ゴールを決めたという明るい材料を持って、札幌の地へと向かう。
選手の個々の能力が長けていることは充分な材料となるが、町田は町田らしくチームとしての結束を持って
残り10試合、J2という舞台をFC町田ゼルビアは全力で戦う。

元札幌の選手が多いFC町田ゼルビアだからこそ、特別な想いを持って札幌の地に立つ選手も多いであろう。
どのチームにもチャレンジャーで挑むが、想いが引き出す100%以上の力もあることをfootballは知っている。

9月26日 月曜日
札幌ドームにて19:00
J2第33節 コンサドーレ札幌戦

負けたくない試合ではなく、勝ちに行く試合を。


(PHOTO byⒸ町田ゼルビア)

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