CHANT(チャント) 日本代表

遠回りした生まれながらのストライカー 1/3

2014/05/15 19:02配信

ミノル・スアレス

カテゴリ:コラム

本当に私が望んでいたことが起こるかというと、、、

前回から期間が空いてしまったが、その間に日本代表のワールドカップメンバーが発表された。

私は前回の記事で、真のストライカーとして、佐藤寿人、大久保嘉人、岡崎慎司の名前を挙げ、

記事の最後でこのように予想した。

「残念ながら、彼らがストライカーとしてワールドカップでプレーすることはないだろう。」


この言葉は、「佐藤、大久保がメンバーに選ばれることはなく、

岡崎は選ばれるであろうがトップのポジションでプレーすることはない」

という意味で言ったのだが、私の予想は外れることになった。もちろん、大久保の選出のことである。



私は、自身の予想が外れたことを嬉しく思っている。

しかし、本当に私が望んでいたことが起こるかというと、それは未だに疑わしいとも感じている。

つまり、ザッケローニは大久保をストライカーとして招集したのか、

という疑問を持っているということだ。

1トップの選択肢が2つしかないのは、非常にリスクが大きい

とはいえ、私を前向きにさせる要素も少なくない。

最も私をポジティブにさせるのは、

明確に1トップ候補と言える選手が大迫と柿谷の2人しか招集されいないという事実だ。


ゴールキーパーを3人招集していることからわかる通り、

通常、ワールドカップのような大会には、1つのポジションに3人は選択肢を確保しておくものだ。

単純に計算すると、それを実現するには、33人招集しなくてはならなくなる。

そこをマルチロールな選手で補って23人に収めるのがセオリーだ。


例えば、左サイドバックには、長友と酒井高徳を選出しているが、

センターバックの今野も左サイドバックを務めることができる。

これで1つのポジションに3つの選択肢を確保する目処が立つというわけだ。



あらゆる監督が、必ずしも全てのポジションに3つ以上の選択肢を確保するとは限らない。

しかし、1トップのようなフィールドプレーヤーの中では比較的専門性が高いポジションにおいて、

選択肢が2つしかないというのは、非常にリスクが大きいと言える。

ザッケローニも3つ目の選択肢を想定していると考えるのが、妥当だろう。

大久保というストライカーは、それほど高いレベルにいる

それでは、大迫、柿谷に続く、3番目の選択肢は誰か。考えられるのは、3人だ。

1人目は本田圭佑。尤も、この場合はゼロトップを選択するパターンといった方が適切かもしれない。

そして、2人目は岡崎で、3人目は大久保だ。

ザッケローニが3番目の選択肢として誰を想定しているかは知る由もないが、

私は大久保の起用を期待せずにはいられない。



前回の記事を読んでくださった方は、岡崎でも良いのではと思われるかもしれない。

もちろん、その通りなのだが、どちらか選べと言われれば、私は迷わず大久保を選ぶ。

それも3番目の選択肢としてではなくだ。大久保というストライカーは、それほど高いレベルにいる選手なのだ。



昨シーズン、得点王を獲得したから、そう言っているわけではない。

彼は非常に優れた得点感覚を持ち、若かりし頃から、ストライカーとしての資質を見せていた。

そんな彼が齢30を迎えるまで、ストライカーとして花開くことがなかったことには理由がある。

次回は、大久保のキャリアを振り返りながら、その理由を探っていきたい。


2/3はこちら → http://chantsoccer.com/posts/119

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