代表に待ち望まれていたはずの真のストライカー 後編
2014/04/30 23:58配信
カテゴリ:コラム
ヨーロッパには、小柄なストライカーを活かす土壌がない。
ザッケローニが彼らを代表に呼ばない、
あるいはワントップで起用しないことを戦術的な問題と擁護する人もいるだろう。
しかし、一体誰がワントップのポジションにおいて、満足な働きを見せているというのか。
適切な人材がいない中で特定の戦術に固執するのは愚かとしてか言いようがない。
要は、ザッケローニは、優秀な日本人ストライカーを活かす術を知らないのだ。
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ただし、私はザッケローニを批判するつもりは毛頭ない。
なぜなら、こうなるであろうことは容易に予想できたからだ。
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私が挙げた3人のストライカーは、いずれも体格的には小柄である。
身長の低いストライカーは、ヨーロッパにはほとんどいない。
テベスやアグエロのような事例もあるが、彼らはいずれも南米の出身であり、
ヨーロッパのクラブでは、セカンドトップとして起用されるケースが多い。
ヨーロッパには小柄なストライカーを活かす土壌がほとんどないのだ。
待望されていた真のストライカーが現れたにも関わらず、、、
もちろん、マインツのトゥヘルのようにその術を心得ている監督も少なからずいるが、
日本代表の監督は、ザッケローニである。
彼が監督としての地位を高めることになったウディネーゼ、ミラン時代に
センターフォワードを務めていたのは誰か、皆さんご存知であろう。
長身フォワードの代表格であるオリバー・ビアホフである。
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つまり、ザッケローニの戦術は大型フォワードありきなのである。
だからこそ、彼は前田遼一とハーフナー・マイクに固執し、
今は、その期待をポストプレーも秀逸な大迫勇也にかけている。
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それだけに柿谷曜一朗をワントップとして召集したことは驚きであった。
しかし、ザッケローニはもちろん、サポーターも彼に期待をかけるのはもう止めるべきだ。
柿谷曜一朗にストライカーの資質はない。
今シーズンのクラブでのパフォーマンスを見て、
彼が2列目の選手であることを再認識したサポーターも少なくないのではないだろうか。
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話は逸れるが、ハーフナー・マイクは当然として、
ワールドカップ予選において、献身的なプレーでチームに貢献した前田遼一は、
その後、全く声がかからなくなった。
クラブでのパフォーマンスを考えれば、妥当という見方もできなくはない。
私も前田遼一が代表フォワードとしてふさわしいとは思っていないが、
それにしても、ザッケローニの対応があまりにも義を欠いていると感じるのは、私だけであろうか。
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話を戻そう。
繰り返しになるが、現在の日本は、優秀なストライカーがいるという点で、以前とは大きく状況が異なる。
日本人が待ち望んでいたストライカーがようやく現れたのだ。
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しかし、残念ながら、少なくとも彼らがストライカーとしてワールドカップでプレーすることはないだろう。
待望されていた真のストライカーが現れたにも関わらず、
監督に彼らを活かす能力がないという状況に、やり切れない思いを抱いているのは私だけではないだろう。
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私がザッケローニを批判するつもりはないといったのは、つまりはこういうことだ。
どうして、日本人にマッチしない監督を連れてきたのかと。
ザッケローニの変貌に少しだけ期待していたが、本人にはその気がなかったようだ。
この点に日本サッカー協会の罪を感じずにはいられない。