ガンバ大阪と日本代表
2014/12/15 09:07配信
カテゴリ:コラム
今シーズンはJリーグでは後半戦に一気に巻き返し、
ナビスコカップと天皇杯でも強さを見せつけたガンバ大阪が三冠を達成しました。
天皇杯の決勝戦でも自らのスタイルを崩さず、ボールを細かくつないでいき、
最後は決定力のある宇佐美選手とパトリック選手がゴールを決める。
守備も中盤の後方で遠藤選手と今野選手が絶妙なバランスを保ち、
安定感を失いませんでした。
ブラジルワールドカップの日本代表では「自分たちのサッカーができなかった」と選手たちが口々にしていました。
「自分たちのサッカー」とは自分たちが勝利するために一番良い方法で行うサッカーであると私は思っています。
スペイン代表であればパスをつないでゴールを目指すポゼッションサッカー。
今回のスペイン代表はブラジルワールドカップでたとえ負けていたとしても、
そのサッカーが彼らにとって最善の方法だったので、そのパスサッカーを貫いていました。
そして現在はスタイルを変えることなく、そのパスサッカーをさらに進化させようとしています。
今回三冠を達成したガンバ大阪もいろんな方が監督に就任してきましたが、
西野氏が作り上げたACLチャンピオンズリーグでも優勝を果たしたスタイルが今でも継承されています。
それを進化させたのが長谷川健太監督ではないでしょうか。
彼がとくに進化させた部分は守備面にあると思います。
遠藤選手と今野選手のダブルボランチの安定感、前線からのハードワークによる守備の確立、
メンタル面でもJ2の厳しい闘いを経験したことにより強化され、今年の強さにつながっている。
ガンバ大阪が負けがこんでいたとしても、J2に落ちたとしても、スペイン代表と同様に
勝つための最善の方法が、細かいパスをつなぐサッカーであったからそれを貫いた。
そのスタイルを崩さず長谷川監督が継承して、プラス守備面を進化させました。
日本代表はどうでしょう。
ザッケローニ監督が4年間作り上げてきたポゼッションサッカーや前線からのプレッシングを
今継承しているでしょうか。
最初の入りはシステムと戦い方ががらっと変わり、全く違うチームになっていました。
選手が変わっていくことは必要なことだとは思いますが、ここまで違うサッカーを魅せられると
今までの4年間は?ブラジルワールドカップでの経験はどうなったのだろうと疑問に感じます。
あのサッカーはすっかり忘れてしまってもよいのでしょうか。
ブラジルワールドカップで惨敗だったから、まったく違うサッカーをした方がよいのでしょうか。
そのあたりの考えを日本サッカー協会側からはっきりと聞こえてこないのは
私たちファン・サポーターも安心することができず、不安の方が大きくなります。
今の日本代表を見ていると、ロシアワールドカップの時にはどういうサッカーで闘っていこうとしているのかが
なかなか見えてきません。
日本のJリーグには素晴らしいクラブがあり、素晴らしい選手たちがいます。
外ばかりでなく、日本の中にある良いものもどんどん取り入れていくことも必要ではないかと思います。
今回のガンバ大阪からは多くのことを学べるはずです。