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【ツエーゲン金沢】小さな背中へ託された大きな夢【J3】

2014/11/17 01:21配信

ユ ツ キ

カテゴリ:コラム

石川県から世界へ

ツエーゲン金沢は前身の金沢サッカークラブから2006年に名称を変更して誕生したクラブだ。
まだJリーグのクラブがなかった石川県にJクラブを誕生させるべく「石川からJリーグへ、石川から世界へ。」をコンセプトに掲げ活動をしている。

発足当初、「2015年北陸新幹線開通時にJ1で優勝」を目標にしていたが、現実はそう甘くは無かった。
新幹線開通を2年後に控えた2013年の年間成績はJFL7位。
J2への昇格すらも遥か遠い道のりに思えた。


2014年の金沢は多数の選手を引退や契約満了で放出し、15人の新加入選手を迎えた。
戦力を大幅に入れ替えたこもあり、2014年は昇格よりもチーム作りの年になる可能性が高かった。


今年J3優勝を目前に控えた11月16日、地元北國新聞の取材で、金沢の森下仁之監督も次のように述べている。

「当初、クラブの規模からみれば、4番手がいいところかと思っていた」

指揮官自らがそう言うように、シーズン開始前はサポーターの多くも2014年も中位程度の成績で終えるだろうと予想していた。

異例の長期契約

そんな選手の入れ替わりが激しい金沢で、キャプテンを任されているのが移籍して今年2年目の清原翔平(27)だ。
清原は165センチと小柄ながら、テクニックを活かしたドリブルで相手を抜き去るのを得意とする。
前所属で2012年に活動を停止したSAGAWA SHIGAでは30試合17得点を決め、翌年金沢へ移籍してからもチームトップとなる13得点をあげ、2年連続のJFLベストイレブンにも選出された。


2013年の末、クラブは清原と異例の5年契約を結んだ。
優秀な選手にクラブ側が長期契約を提示する意図は理解できる。
だが、清原が5年もの長期契約に合意したことに私は疑問を抱いていた。


先述の通り2013年の金沢はJFLでも中位のクラブだった。
いつ昇格できるかわからない状況で、金沢と長期契約を結ぶことがあまり良い選択とは思えなかったのだ。
選手が長期の契約を結べば、それだけ他のクラブへ移籍がしにくくなる。
もしもこの先金沢が昇格できなかった場合、清原が上のカテゴリーでプレーすることがないまま選手としてのピークを終えてしまう可能性を懸念した。

清原の決意

10月7日、私は石川県地場産業振興センターへ向かった。
この日はスポンサー主催の清原の講演会が予定されていたからだ。
講演会は清原にとって初めてのことだったようで、壇上に上がって挨拶をした清原の声は緊張で震えていた。

「夢をあきらめずに、走り続けよう!」というタイトルで始まった講演は、清原がサッカーを始めたきっかけから、中学・高校と部活でサッカーをするうちにプロへの夢を意識するようになったこと、一度はサッカーを諦めて教師を志そうとしたことなど、これまでの思いが詰まっていた。

中でも印象に残ったのはSAGAWA SHIGA FCに所属していた時の話だ。
清原の前所属、SAGAWA SHIGA FCはかつてJFL優勝3回を誇る強豪だった。
しかし2012年シーズンをもってJFLを退会し、トップチームは事実上解散している。
SAGAWA SHIGA FCの活動休止が通達された時のことを清原は次のように語った。

「今度こそ僕のサッカーへの道は閉ざされるんだ。
もうサッカーはできなくなるんだな。
そう思って目の前が真っ暗になりました。」

活動休止を知ったSAGAWA SHIGAのチームメイトが次の所属先を探し始める中、長期の怪我をしていた清原は他のクラブの練習に参加できず、次の移籍先を探すのもままならなかった。
そんな中で清原に声を掛けたのがツエーゲン金沢だ。

そして清原は自分を拾ってくれた金沢へ深い感謝を示し、恩に報いるため金沢と共に歩むことを選んだ。

講演の最後、清原はこう言った。

「サッカー選手になるという僕の夢をツエーゲン金沢は叶えてくれました。
そんな僕の今の夢は、このクラブをJ2に、そしてJ1に昇格させることです」


2014年11月16日、清原は敵地琉球で優勝という一つの夢を叶えた。
試合終了の笛が鳴ると、背番号7を背負うキャプテンは仲間の元へ駆け寄り、労うように抱き合った。

J3初代王者というタイトルの獲得はクラブが掲げた「石川から世界へ」という壮大な夢へ近づくほんの第一歩だ。

金沢にとってJ2昇格初年度となる来年は今年以上に厳しく、辛い戦いになるだろう。
この先J2に定着できず、J3へ舞い戻ってくる最悪の未来が待ち受けているかもしれない。

しかし

「このクラブをJ1へ昇格させる」

あのとき確かに清原は曇りのない目でそう言った。

清原翔平の、そしてツエーゲン金沢の夢はまだ終わらない。

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清原!あなたが、チームを引っ張ってJ1入りしてくださいね。そしたら、名古屋瑞穂へ応援に行きます。こころから、声援送ります。

あき 名古屋市  Good!!1 イエローカード0 2015/08/03|08:25 返信

キヨ、ありがとう

名無しさん  Good!!1 イエローカード0 2015/05/11|08:26 返信

清原サイコー

名無しさん  Good!!2 イエローカード0 2014/11/17|18:04 返信

鳥肌が立って目頭が熱くなった。
金沢サポのキャプテンへの思いも代弁してくれている良記事

名無しさん  Good!!3 イエローカード0 2014/11/17|17:52 返信

泣いた。

名無しさん  Good!!3 イエローカード0 2014/11/17|09:58 返信

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