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【徳島ヴォルティス】 降格が決定―。無駄ではない昇格と降格のこれから。【J1】

2014/10/28 21:59配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム

 


徳島ヴォルティスの降格が決定した―。


今年のシーズンの日程を重ねる上で、徳島は降格に一番近い位置という場所から抜けることはできなかった。
しかし、徳島がはじめてのJ1で戦ったことは当然意味のあるものだ。

そして、どんな形であれ降格という現実は非常に厳しく、そして悲しいものだった―。

 

●苦しいシーズンを序盤から送った はじめてのJ1

降格が決まってしまった時点での徳島ヴォルティスの成績は
今季29節の時点で 3勝4引き分け22敗。総得点は15点、失った点数は67。
勝ち点は13。

降格圏では現在勝ち点30あたりの戦いをしていることを考えると、はじめてのJ1の舞台は徳島にとって、厳しい戦いの日々だったことがわかる。


四国勢としてはじめてのJ1昇格を果たした徳島ヴォルティス。
J2で戦ってきた中で、今までに昇格を逃したこともあった。
悔しい想いを経験し、あと一歩と涙を流したこともあった。

そんな中、2012年から導入されたプレーオフという新たな試み。
徳島ヴォルティスは2013年、J2 4位という成績でプレーオフに進んだ。
そして国立でのプレーオフ決勝にて、プレーオフ最大の優勝候補であった京都サンガを下し、悲願の昇格を手にした。

はじめてのJ1へ向けて、徳島はどのような戦力強化を行うのかが注目された。
徳島は随所で効果的な戦力を獲得する印象があり、J2を戦う上でも戦力を整えることに長けていた印象があるだけに、はじめてのJ1に向けてどんな大型補強があるのか注目されたが、注目とは裏腹に徳島は大きな補強はさほどなく、J1で戦うことを決めた。

徳島の戦力を見ると、確かに徳島らしいと表現できるような戦力が並ぶ。
チームの顔でありエースと呼ばれる存在である津田。そしてゴールの嗅覚をもった高崎、J1の舞台の経験がある千代反田や斎藤といった選手たち。

しかし、そのメンバーで戦った結果プレーオフは勝ち上がれたが、J2では4位という結果を残したメンバーだった。
チームの熟成度を重視したのか、強化費としての予算を組めなかったのか選手の獲得に苦労したのかはわからないが、そのプランでJ1に挑んだ結果、苦しいシーズンとなってしまった。

現在のJ2のチームでほぼ補強なしでJ1で戦えるかというと、現実的にどこも難しいであろう。

プレーオフが始まり最初の昇格の座を手にした大分トリニータは、リーグ6位の順位からプレーオフで駆け上がり、J1昇格を決めた。
しかし、J1で得た勝利は2勝。苦しい苦しいシーズンを過ごし、降格となってしまった。

その前の年、プレーオフ制度はなかったものの、J2・3位枠で昇格したコンサドーレ札幌もJ1では苦しいシーズンを過ごし、得た勝利は4勝。
主力選手の移籍や、チーム編成がうまくいかなかった部分もあったものの それでも3位通過したチームでさえJ1では厳しいシーズンを過ごしてしまった。

大分は6位 徳島は4位でリーグ順位を終えたことを考えると、J1で戦うのは厳しい状況になるのは予測できた。

J1から降格してきた3クラブの内、1または2クラブは昇格争いにほぼ絡むこととなり、その2クラブが昇格を得たり2強のような形になったり上位に存在することを考えても、一番下の順位でリーグを終えて降格したチームは次の年にJ2でも難しいシーズンを過ごすことが多くなっている傾向にある。
それほどにJ1でついてしまった傷は、大きな大きな傷となることがある。

●無駄にはならない 無駄にはしない 昇格と降格

しかし、昇格は決して無駄ではない。

昇格したことで確かに戦力としても実力としても大きな差を見せつけられる格好となり、チームも選手もサポーターも大きな傷となることが多いだろう。
シーズン中、メンタル的な部分の大打撃になることも多い。

しかし、その強さを感じられるのはJ1という舞台に立った者だけが感じられる場所であり、悔しいと感じること、足りないと感じることが出てくるはずだ。
それが感じないのであれば逆に問題であり、それはJ1に立った意味はなくなってしまうだろう。
J1の舞台でレベルを感じ戦うことができるからこそ、それを課題として見つけ、どう取り組むことで戦えるようになるかを分析することができ、強化に結ぶためのたくさんの意図を見つけられることとなる。
それを生かせるか否かはそのクラブの教訓次第であろう。

それを形にしたのが今年の湘南ベルマーレの快進撃だ。
J1で悔しい想いをし、降格を味わったからこそ、何が通用して何が足りなかったのかを理解し、どうしたらJ1で戦うことができるのかを常に意識し練習に、そしてゲームに取り組み戦った。
J2で勝てるチームを作るのではなく、J1で戦えるチームを意識して作ったことで結果を出すことに成功した。
経験した選手たちが主力として健在し、その選手たちが身で感じたその感覚をしっかりと覚え、意識を高く持ったことも大きかったことだろう。
そういった経験を武器に形にすることができるかというのは簡単ではないものの、高めるという部分では必ず必要なことだと湘南ベルマーレが形で示した。

J1に昇格したことでたくさんの効果もあったはずだ。
観客数の増加や、ファンクラブの会員の増加、グッズの売り上げ増加、スポンサー契約が増えたことなど、大きな経済効果がクラブに存在したはずなのだ。
J2という舞台とJ1という舞台の経済効果的な差も大きく感じたはずだ。

全国のJ1クラブと戦ったこと、そしてJ1のクラブとしてリーグに存在することで、取り扱われ方も違い一般的なニュースなどでも名を読んでもらえることで、全国への知名度の普及は相当効果があることだろう。
そういったJ1効果の大きさをはじめて経験した徳島ヴォルティス。


シーズンとしては苦しい苦しいシーズンを過ごしてきたであろう。
J1の舞台はJ2とはまた違う壁があり、厳しさがあると感じたことだろう。
もちろんはじめての昇格から一度も降格することなく、ずっとJ1に存在し続けるのが好ましい。
しかし、降格もまたひとつの経験である。
昇格がはじめてなら、降格もはじめて経験したのだ。
誰でもどのチームでも経験できるものではないその真逆の2つの出来事。そこから得るものは大きいはずなのだ。

それに徳島はプレーオフを勝ち抜いたという 大きな経験もすでに持っている。
プレーオフ決勝の舞台を現地で観させてもらったが、京都サンガが試合をコントロールすることが長かった前半だったものの、その中の少ないチャンスを物にし、試合を大きく動かしたのは徳島の持っている力だと感じた。
プレーオフのような特殊な場面、そして国立競技場という特別な場所で得た歓喜はこの先も必ず力となり、自信となっていることは変わらないはずだ。

ただ、今年味わった苦しい状況は本当に大きなダメージを生んだはずだ。
サッカーはボールを持てなければ持てないほどに、体力が消耗するスポーツであり、なかなか勝利が奪えなくなると精神的なダメージも大きくなる。
プロになった選手たちはプロになるまでの間、クラブチームであっても部活であっても、その中で圧倒的もしくは主力という存在の中でサッカーをしてきており、負けてばかりのチームに在籍したことのある選手は少ないであろう。
だからこそ、負けが混むことははじめての経験となる選手も存在し、どう戦えば良いのかさえ、わからなくなってくる。

それでも応援してくれるサポーターの声を聞き、苦しい状況を支えようとしてくれるサポーターのためにとより距離を縮め、共に戦うからこそ。

サポーターの姿を観て感じて 申し訳ないという気持ちで涙をする 降格を「伝える」選手も現れるのだ―。

 


まだシーズンは続いており、試合が残っている。
降格をしたからといって、もちろんあきらめは無用であり、失うものがなくなった以上、なにか残してやるという気持ちで立ち向かってほしい。

戦力としても実力としても足りなかった。
それでも必死に全員で戦えばなにか生めるはずと戦う姿は、徳島らしさが光った。

勝利が遠く、そして1点が本当に遠かったであろう J1の場。

しかし、その場所で1シーズン戦い抜いたことで たくさんの収穫があるはずだ。
そしてそれを得られたのは、J2を戦い抜き手にした強さがあったからだということを 忘れないでほしい。
それを形にするか否かは これからの徳島ヴォルティスの戦いに掛かっている。

まだJ1への挑戦は終わってはいない。
貴重な残り試合をどう戦うのか、どう意識を持って向かうのか。
それが今後のスタートラインを決める材料となるであろう。


J2の3枠の最後の枠についてはJリーグとして課題となってしまっていることは確かだ。
結果を残せず惨敗し降格ということになり、その反動が大きくクラブに赤字を生んでしまうような結果が続くのであれば、それは要検討が必要であり、確かに問題点は多い。

ただ。
サッカーを観る一人の人間として。

どこのチームでも どんな状況でも
降格のあの瞬間を目にすると せつなく悲しく がんばれ。という気持ちになるものだ。


たくさんの人たちの涙や想い、伝える言葉。
そのひとつひとつが大きなチカラを持っていることを 知っている。

伝えること。
それは伝わることへの一歩。

徳島ヴォルティスは今年「共創」という言葉をスローガンに置いた。
共に創る。
これはチームと選手、サポーターが共にひとつになり挑戦することへの合言葉だった。

 

―徳島ヴォルティス。J2降格。


厳しい現実も、チーム・選手、そしてサポーターがひとつになって受け止めるからこそ、せつなく悲しくても 必ず立ち上がった時に強くなれる。

 

そこに期待と力を込めて


ありきたりな言葉かもしれないが
私はこの言葉を簡単には使わない。

だからこそ、精一杯の想いを込めて。


徳島ヴォルティスのこれからに

 

がんばれ!!

 


そう心から、伝えたいと思う。

 


伝わることへの一歩と

信じて―。

 

 

 

Good!!(94%) Bad!!(5%)

徳島がj1に上がった時うお〜(≧∇≦)ってなったけどまさかの降格残念ですけどj1最低勝点ではないからまだましです。しかしj2でも油断、補強によって下の方に行く場合もあるので応援頑張ってまたj1に1年で戻りましょう。徳島魂でーす(≧∇≦)

阿波尾鶏さん  Good!!0 イエローカード0 2014/12/22|21:41 返信

大分とか札幌の例を出す必要あるか?こんな前例があるから徳島が苦しむのも仕方ないってか?

名無しさん  Good!!1 イエローカード9 2014/10/29|20:05 返信

J1初勝利が嬉しくて、勝利した相手チームの大事にしているチャントをゴール裏で歌ったのを知っていますか?こんな馬鹿なサポーターは他にいないと思いますよ。なぜ自クラブのチャントを大声で歌わなかったのか。なぜ相手チームのチャントを歌ったのか。選手に対しても、相手チームに対しても失礼です。理解できません。

名無しさん  Good!!2 イエローカード14 2014/10/29|19:57 返信

それが煽りという文化です。それがウルトラスです。それがフットボールのファンカルチャーです。山雅のサポーターさんですかね?そうであってもそうでなくてもあなたは理解の仕方を間違っていますよ。ここは俺たちの夢叶う小瀬 いいじゃないですか。徳島の夢が叶った小瀬で歌っても。自分たちのチャントだからなんなんですか?試合に負けた方はなにも言うことができないのです。負けたらさっさと準備して帰宅するのがお似合いです。日本のおもてなしの文化はこうも間違った方向に進んでいるんですね

名無しさん  Good!!9 イエローカード4 2014/10/29|23:12

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