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【Jリーグ】 Jリーガーの父が監督 サッカー少年団からのJリーガーへの道 【なでしこ】

2014/07/31 11:21配信

Tomoko Iimori

カテゴリ:コラム

 

Jリーガーになるためにはどうしたら良いものか―。
それは絶対的な答えがあるものではなく、選手一人一人のサクセスがあるもの。
しかし、逆転満塁ホームランはほとんど生まれないサッカー界ということは忘れてはならない。

チームが強ければ将来が開けると考える人も多いだろう。
しかし、それは絶対ではないということをお伝えしたい。

サッカー選手として必要なスキルとはなにか。
通るべき道と必要な環境、そして育てていくメンタル。
実際にプロサッカー選手を複数輩出したサッカー少年団に足を運んだ。

●プロサッカー選手を輩出している少年団

私が訪れたのは、北海道札幌市にある真栄サッカー少年団。
どこにでもあるといっては言葉は悪いかもしれないが、一見一般的なサッカー少年団のひとつである。
札幌の中でも清田区という緑の多い自然に囲まれた、どこかのんびりとした地域に比較的新しい土地として存在する真栄地区。

チームの成績としても全国的に目立つようなチームではなく、少年団の中でも飛び抜けた結果を出しているチームではない少年団だ。

しかし、このチームからは3名のプロサッカー選手が巣立っていった。

鹿島アントラーズ所属で日本代表にも選出経験を持つ、サイドバックをこなすことが多いながら、ポジションはGK以外をこなすことのできるユーリティプレーヤー西大伍。
コンサドーレ札幌の若手長身DFである永坂勇人。
そして,なでしこJAPANにも選出されたことがあり女子サッカー期待の若手であるINAC神戸所属の三宅史織。

この3名の選手たちは、真栄サッカー少年団で子ども時代を過ごした。

このチームの監督は、西大伍の父親である西友純監督。
このチームを指揮して20年ほどが経過しているため、この3名のプロ選手はすべて西監督が輩出した選手たちだ。

なぜサッカー少年団から3名のプロサッカー選手が輩出されたのか。
当然全国のサッカー少年団からプロ選手は輩出されているものの、Jリーグが発足してから年数を過ぎるごとにその育成場所はクラブチームへと流れていった。
クラブチームに所属することがひとつの道として太く、サッカー少年団の位置というのは難しいものになった。

さらにサッカー選手が輩出されにく地域である札幌という土地で少年団がプロ選手を輩出するのは難しいのだ。

●クラブチームとサッカー少年団の違い

クラブチームは年齢を増すごとにピラミッド型になっており、サッカーの巧い選手が残っていく図となっている。
サッカーがうまくなりたい!という本気の選手、そしてそれに協力的な家族たちが行く場所がクラブチームなのだ。

クラブチームは遠征も多く、当然月の月謝も少年団に比べると高い。
有名なクラブチームの場合はその地域だけでなく全市全都道府県全国といった単位でサッカーを本格的にやりたい人間が集い、クラブによっては誰でも入れるわけではなく、学年によって自分のチームから、そして外部のクラブチームや少年団にスカウトをかけて引っ張った選手たちを含めてのセレクションを開催したり、スタッフが見極めて選手たちを選抜している形式となっている。

サッカー少年団は地域の結びつきが強く、その地域に密着した気軽にはじめられる場所である。
サッカーをしたいといって入団する子供が多いが、その他身体を作りたいから、スポーツが苦手だからなにかスポーツをとスポーツの入門として入団する子供、家でダラダラしているよりもスポーツをすることで規律ができる子供になってほしいと親が推奨し入団する子供…などその環境や状況、理由も様々だ。
少年団の中には本格的な遠征を組んだり、遠くまで試合に行ったりするチームも多いものの、真栄サッカー少年団は試合もできるだけ近くで行い、費用も最低限クラスの気軽に始められる少年団という位置づけだ。

誰でも入ることができ、サッカーを通じてたくさんの子供たちが成長する場となっている。

本格的にサッカー選手に育てたい親は今クラブチームに入れる傾向にあり、やはりクラブチームは強くサッカー少年団との力差はどんどん出ているという。
その中でなぜプロサッカー選手はここから生まれたのだろうか。

●チームではなく「個」を引き出す指導と教育

小学生世代というのはサッカーとしての基盤はもちろんだが、人間としての土台ができる時期でもある。
育成という部分だけではなく教育という部分も含まれていくのがサッカー少年団の宿命でもあり、意識が強い部分もある。
そういった指導を意識しながらまず真栄サッカー少年団が目指しているのは「個」としての形成だ。

サッカー少年団には前述した通り、さまざまな理由で入団する選手がおり、その中で全員を同じレベルに育て上げるというのは厳しいものがある。
クラブチームは選抜しているチームな分、サッカーの土台がある程度できている選手たちを振るいにかけ選抜することで最初からポジション適正やサッカー技術を持った選手を選ぶことができるが、サッカー少年団はそうはいかない。
その中で、西監督が重視するのはまずサッカーが楽しいと感じること、そしてボールを追うことだという。

真栄サッカー少年団の練習はずっとゲームをしているのだ。
練習の8割は大小さまざまなゲームをする。途中でゲーム的な要素が入った条件付きの試合であったり、指導を入れながらとにかくボールを追っているのだ。

1.2年生のクラスはひたすら団子サッカーと呼ばれるボールにとにかく群がって追うサッカーをする。ポジションはその時期はなくただひたすらピッチの中のボールを追うというサッカーをさせる。

そして3.4年生で1.2年生の時に監督やコーチが感じた性格的な部分や能力を見て、ポジションを与えながらゲームを通じて指導を入れる。

基本的にゲーム形式の練習の中で監督やコーチが感じたことや目についたことを指導するという形を取っている。
この練習を見て、手抜きだと指摘する保護者も出ているという。しかし、この練習にはちゃんとした意図が当然あるのだ。

まず、サッカーはやはりゲームが楽しいということ。
そして小学生の年代には、とにかくしつこくボールを追うことを根付かせること。
ボールを追うことでどんなことをすると相手を抜けるか、どんなことをすることでボールを失わないかという部分を子供たち自身が見出せることにつながるという。
反対に、こうするとボールを失う、こうするとボールはピッチを割ってしまうということがわかるようになるという。

そう話す西監督の言葉を聞きながら、思い浮かべるのはやはり西大伍のプレーだった。
札幌、新潟、鹿島とプレーしている西大伍の特徴のひとつであるのはドリブル、そしてボールを追う姿だ。
ピッチを割ってもマイボールという状況でもボールを追い、試合を止めることはなるべくしない。それが西大伍のプレースタイルのひとつだ。

なるほどと声が上がるほどに結びつく、西大伍のスタイル。
そして三宅史織も同じくそういったプレースタイルを持っているのだ。

西監督は自分の息子でもある西大伍を見て、ひとつ改善した点があるという。
ドリブルは得意な選手に育ったが、逆足で咄嗟に出さなくてはいけないパスの状況などで弱さが出てしまうという点に気づいたという。
ボールばかり追わせていたのではそうなってしまうのか…と西監督は感じたという。
コンサドーレジュニアユース、コンサドーレユース時代に西大伍は出れない時期を経験しているが、そういった時代に西監督は自分の息子の姿から育成方法の改善に気づかされた。

そしてパスも小学生年代からバリエーションを付ける練習を開始。
足元の強化も図った。

その結果、長身でありながら足元も備えた永坂勇人が育ったという。
今の日本人の平均身長は大きくなってきているが、その中でも飛び抜けた長身DFだった永坂。
しかし、最終的に少年団を卒団しその後となると背が大きいだけでは勝負はできない。しかし永坂は足元の成長がみられたことで長身なのに足元があるという選手に育てることができた。

西大伍からのプラスアルファを経て、新しい真栄サッカー少年団の結果として形になってくれたのが永坂勇人とという選手だった。


チームとしての強さを追求するのではなく、「個」を育成し、引き出す。新しい可能性を与える。
それが真栄サッカー少年団の取り組みなのだ。

毎日のゲームの中で、指導をするときも決してボールを止めることはない。
あきらかなファールがあったとしても それは本番だとイエローだぞと厳しく指導はするもののボールは止めない。
それは休むというズルいサボりを覚えさせたくないからだという。

小学生の頃からボールを出して時間を稼ぐ、サボるということを覚えてしまうと身体もできない、瞬発力も生まれないと西監督は言う。
ゲームを止めないことで子供たちの身体も作りあげることができ、ボールを追う執念も生むことができる。
サボらずに取り組めるか否かというメンタルの部分の形成になるという。

とにかくボールを追うこと。
サッカーを観る側もボールをどんな状況でも追う選手に感動を覚えることがあるだろう。
それを当たり前にすることが真栄サッカー少年団の目指すひとつの育成の形だ。

諦めない選手を創る。
それはメンタリティの部分でも強い効果を発揮し、その後の育成に大きく影響するという。

真栄サッカー少年団から巣立った選手たちの今後のプレースタイルに注目してみてほしい。
少年少女時に培った土台があっての今だと感じることができるであろう。

そしてプロ選手にするためには必要不可欠なものがあるという。
それが「家族」という存在だ。

家族がどう接していくか、サッカーにどう関わるか。
その部分が選手の育成を大きく左右させると西監督は言葉にした。

プロサッカー選手の父親であり、サッカー少年団の監督でもある西監督から見えた
選手の家族とは。
という部分に次回は触れたいと思う。

 

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シアリス--最强ED治療薬  Good!!0 イエローカード0 2015/04/20|15:36 返信

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技術よりも戦術よりも意識の部分でこれだけのことが学べる少年団はまずないと思います。西選手の批判なら直接サポーターとして適切な場でおっしゃっていただきたい。父、友純様の指導や、ここで支えている塩崎コーチほかのスタッフの指導理念にこれからも学ばせていただきたいと思っています。

札幌で対戦させていただいている一指導者です  Good!!8 イエローカード3 2014/07/31|21:39 返信

少年団という枠ではなく、もっと独自の方法を取っていらっしゃるのだなと感じました。
少年団だと思っていないという言葉もおっしゃっていて印象的でした。
意識は子どもの頃に芽生えるものが土台となると思うので、本当に学べることは大切ですね。
塩崎コーチのお話も聞かせていただきました。塩崎コーチの指導者としての方針とのバランスも良いバランスなのだろうなと感じました。これから何度か足を運び、少年団の在り方も学ぼうと思っています。読んでいただきありがとうございます!

Tomoko Iimori   Good!!0 イエローカード0 2014/08/06|12:23

素晴らしい記事ですね。
西選手を目標に『夢見る子供達』も見ているかもしれないよ。

#7  Good!!8 イエローカード0 2014/07/31|20:53 返信

西選手を身近に自分も続こうとしている選手もたくさんいると思います。
一緒にボールを蹴る機会もあるので本当に良い少年団だと思いました。
読んでいただきありがとうございます!

Tomoko Iimori   Good!!1 イエローカード0 2014/08/06|12:20

このコメントはレッドカードで退場となりました。

西、サイド上がってカウンターくらってもジョグってんじゃんかよ
だから伊東にポジションうばわれたのに、なにこの提灯記事w

鹿  Good!!3 レッドカード25 2014/07/31|19:45

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