【セレッソ大阪】 柿谷曜一朗、海外挑戦に想うこと 【日本代表】
2014/07/03 10:25配信
カテゴリ:コラム
柿谷曜一朗のスイス・バーゼル移籍が決定的となったようだ。
子どもの頃からセレッソ大阪で大きくなり、幼き頃から天才といわれ、慢心になった時期もあった。
そして徳島で自分と見つめ合い高め、そして愛するセレッソ大阪で憧れの象徴である背番号「8」を背負っている柿谷曜一朗。
多くの日本のサッカーファンはもちろん、なによりもセレッソ大阪サポーターに愛される彼のその後に多くの意見が今発信されている。
私個人の主観で申し訳ないながらも、私も文章で残したいと思う。
柿谷曜一朗、海外へ挑戦―。
柿谷曜一朗の海外挑戦に向けてさまざまな意見があるが、私個人の意見でいえば
今行くことがベスト。
ということだ。
厳しい言葉にはなるが正直、W杯ではなにも残せなかった。
交代出場となった2試合で柿谷は厳しい現実を突きつけられた。
もちろんそれは彼の責任だけではないものの、途中交代で空気を代えるようなプレーも、存在感も示せなかった。
それはスタメンで使わなかったザッケローニ監督が悪いだとか、戦術が悪いだとかそんな幼稚な話はしたくない。
選ばれた以上どんな状況でも結果を出せるような、そしてどんな動きでも求められた以上はできるようなそんな選手がW杯では評価されるのだ。
内田篤人がどんな状況でも勝っても負けても常に温かく、キャーキャー言われる状況が続くのに疑問を持っているというように
温かさを持つ日本のサポーターは良いところでもあるが、それだけではいけない。
海外を経験している選手たちにとってはその状況が異常だと感じているのだ。
情けない試合をしたときには思いっきり批判されるのが当たり前。責めてもらった方が良いと思っている選手が実は多い。
なにもできなかった柿谷が、なにも感じない選手だったとしたら、それは応援できるだろうか。
W杯で彼は感じたことであろう。
自分がまだまだ世界には通用しないこと。
そしてもっともっと上へ行きたいという想い。
そのためにはどうしたら良いか。
セレッソのことを考えなかったはずはない。今でも一番に考えていると思う。
セレッソの8を背負うことを誰よりも重く自分に課せていたのは柿谷だ。
時には心配になるほどに重く自分に課せて、背負って行動してきた。
サッカーの部分だけではなく、セレッソの知名度のため影響力のためにオフの間もメディアに出続け発信した。
練習後も連日たくさんのサポーターにファンサービス対応し、暑くても寒くてもそれは続いた。
「自分」だけを考えるのならば、そう生きてきただろうか。
8を背負ってからの1年半。
彼はセレッソ大阪を背負い、全国に発信し続けた。
8を背負った柿谷は自分がチームを引っ張るように昨年21得点というクラブ日本人最多得点を叩き出し、ACL出場に導いた。
彼が誰よりも8を大切に背負っていたこと、そしてセレッソを背負っていたこと。
セレッソを代表して と挑んだW杯だったこと。
それはセレッソサポーター全員が知っていることである。
そんな彼がスイス・バーゼル行きを決めのならば
それは大きな大きな変化がW杯を経験してあったのではないだろうか。
海外へ行くぐらいならW杯なんて出なくてよかったという声も聞こえる。
それは本気で言ってるのだろうか。
セレッソ大阪は柿谷の人生そのものといって良いほどの存在だ。
けれど、彼には彼の人生があり、彼が決めることであることはもちろん、海外移籍をしたからといってその愛は揺るがない。
8を背負った覚悟がとても重かったように
8を脱ぐ時も大きな大きな覚悟が必要なのではないだろうか。
スイスでいいのか
バーゼルでいいのか
という意見も多くあるが、ちょっと待ってほしい。
確かに、世界の有名リーグの中にスイスという選択は入ってこないのかもしれない。
しかし、確実にJリーグよりレベルは高く、そしてなによりCLに出場するクラブだということを忘れないでほしい。
その名門クラブが今、なにも結果を残すことができなかった日本人選手に多額の移籍金を用意して席を用意しているのだ。
移籍金をできるだけ多く残していくこと。
それもクラブ愛のひとつの表現方法だ。
セレッソの今後に少しでも繋がるための資金を残そうとしてくれているのかもしれない。
Jリーグで結果を出せない、成長できないわけではない。
しかし、彼はFWの選手であること。これがキーだ。
サッカーは後ろのポジションに行けばいくほど、前を向いてプレーができる。
最前線のFWは常にDFを背負っている状態や付いている状態でプレーをしなくてはならず、前を向いてプレーするのが難しいポジションだ。
その中でどうやって前を向いてプレーするか、どうやって相手ディフェンスを突破するかというのは経験が必要になり、その経験によってFWとしての動き、シュート、スペースの作り方、ボールのもらい方などすべてにおいて左右する。
それを世界で大きな傷となるくらいに、痛みを伴うほどに痛感したはずなのだ。
もっと世界のディフェンスを知らなければいけない、と。
もっと世界のFWのプレーをしたい、と。
それはJリーグでは難しい。
今Jリーグ全体のレベルは上がっているとは言い難い状況だ。
着手しているはずの若い世代の世界大会への出場権がなかなか取れない現状や、日本代表に選出される選手たちとJリーグの選手たちのレベルの差は開いている。
遠藤や今野のようにJリーグで日本代表レベルを保った選手たちもいるものの、最前線の選手としてはJリーグよりももっと上のレベルを経験することで得られるものがあると考えるのは、選手として必然であろう。
Jリーグのレベル向上の話などは今言ってもすぐに変わるものではないので、触れないがそれでもこの問題は深刻だ。
世界を体験している選手たちが本気で取り組んだ4年の中に、1年半前に招集され、その選手たちの中でたくさんのものを勉強しただろう。
こういった考え方もあるんだ
こういった取り組み方もあるんだ
と刺激がたくさんあったはずだ。
そして世界でプレーする選手でしかわからない、体感できない世界がそこにはあると日本代表の中でもW杯の世界でも痛感したはずなのだ。
サッカー選手の選手生命は短い。
見ている側には想像ができないほどにその選手生命は短く、人生設計が本当に難しい。
柿谷曜一朗はもう24歳。世界にチャレンジする年齢としては遅いほどだ。
あと10年やれるかやれないかは、サッカー選手としての練習の時間や試合の時間以外の部分でも意識を高く取り組まないとわからない世界であり、それが大きく左右する世界だ。
短いサッカー選手生命の中で、海外にチャレンジできる機会はそう、ない。
海外から声がかかることも当たり前ではなく、簡単に行けるものでも絶対に行けるものでもないのだ。
大きなお金を準備して、チームに残せるものもある状況で行けるチャンスは最後かもしれない。
サッカー選手のタイミングに「待つ」というのは難しいものなのだ。
柿谷はセレッソから完全移籍でバーゼルへ行ったとしても、それはセレッソを捨てるわけでは当然なく、セレッソからの代表として行くつもりだろう。
チームにいてほしい
まだまだセレッソの8を観たい
悲しい
寂しい
そういう言葉はどんどん発信して良いと思う。
それほどまでに愛されている選手であることを伝えるべきであり、伝わる想いだ。
たくさんの人が必要だと伝えてくれることは、とても幸せなことで、移籍したくないなという気持ちにさせてもらえるのは選手として本当に幸せなことだ。
サッカー選手はクラブ愛だけでは生きていけない。
サッカー選手としてクラブ愛だけでは進んでいけない。
それが悲しくも現実なのだが、それでも柿谷曜一朗はクラブから羽ばたくことを選択したとしても常にその心は持ち続け、そして得たものを持ってセレッソにいつか帰ってくるという気持ちで旅立つだろう。
もちろんそれはセレッソがあるから といった甘えではなく、自分が成長したセレッソだからこそ自分が得たものを今後はセレッソのためにいかしたいと考えているはずだ。
先日。
柿谷曜一朗と同じ世代別でチームメイトとして戦っていた選手と話をした。
ライトな話の中でW杯の話になると曜一朗という名前をまっさきに挙げた。
曜一朗は自分たちの世代では常に飛び抜けていて、俺たちの代表みたいな感覚だから。
悔しいという気持ちよりも自分たちの代表として期待と希望を重ねて見ている感じ。
曜一朗ならもっとできる、もっと曜一朗を、曜一朗をって気持ちで見ていた、と。
柿谷曜一朗は、同世代のライバルたちが悔しいと感じるのではなく、希望の光となっているのだと感じた。
世界を経験してもっともっとうまくなりたい。
その向上心のある選手はとても魅力的ではないだろうか。
今のままで現状に満足してしまう選手よりも
厳しい状況に身を置いてでもチャレンジしたい。
そういう選手の向上心はとても凛々しいものだ。
海外へ行くというのは思っているよりも覚悟が必要だ。
言葉も文化も違う、右も左もわからないような世界で
一人生活すること
サッカーに対する文化も勝手も違う
伝えたくても言葉ではなかなか伝わらない
そんな中で「サッカー」一本で勝負することを決めるのは簡単な決断ではない。
そして
セレッソの8を脱ぐことも
彼にとっては簡単ではないはずなのだ。
セレッソの「8」は付ける長さが焦点ではないのではないだろうか。
彼はセレッソの「8」を誰よりも表現したのではないだろうか。
柿谷曜一朗の「8」をすべての時間を使って、時には身も心も削って表現したのではないだろうか。
タイトルを獲りたい。
そう口にした責任は確かに彼にはあるのかもしれない。
それを信じて8の背中についていっていた人も少なくはないだろう。
ただ。
彼には彼の人生があり、この分岐点は二度と訪れるものではないかもしれないこと。
そしてその責任も背負っているからこそ、きっと簡単に出した答えではないことを今一度考えてみてほしい。
柿谷曜一朗、海外への挑戦。
セレッソはもちろん、日本を背負った挑戦となる。
一緒に戦ってきた仲間たち
一緒に戦ってきたサポーター
全員の想い
セレッソでタイトルを獲らないまま旅立つ責任と覚悟
CL出場権を持つバーゼルだからこそ、すぐに世界最高峰で戦えるこのチャンスを。
柿谷曜一朗のサッカー人生新たなページが始まる―。
「いってらっしゃい」と言えなくてもいい。
無理して笑顔で、送り出さなくても良い。
もっと見たい
まだ見たい
一緒に戦いたいと叫ぼう。
それが彼にとって最大の幸せな、送り出しになるはずだ。
代表に呼ばれたのは東アジアの7月下旬ですから、代表経験はW杯まで1年未満です。出来上がったチームにあれだけ合わせられる選手はめったにいないと思います。スイスリーグがJリーグより下かはわかりませんが、バーゼルにはいい選手が揃っていると思います。ブンデスならすごいとか、セリエならすごいという見方は間違っているかと(下位はそれなり)。カップ戦の香川のゴールを報道していましたが、柿谷のゴールとアシストのほうが質が高いと思いました。今、出番の少ない柿谷ですが、バーゼルサポーターもなんで出ない(出さない)とコメントを入れています。ガンバレ柿谷!!
名無しさん | 0 0 |2014/11/22|13:11 返信
スイスリーグはJ1以下ですよ
名無しさん | 0 0 |2014/07/09|17:27 返信
個人的意見ありがとうございます。
私はそうは思っていません。
Tomoko Iimori | 0 0 |2014/07/10|11:06
大好きです曜一朗くん!
バーゼルで暴れてきなさい!!
悠 | 1 0 |2014/07/08|19:28 返信
コメントありがとうございます!
バーゼルで活躍するの楽しみですね。あのスタジアムでゴールする姿が見たいです。
Tomoko Iimori | 0 0 |2014/07/10|11:05
羽ばたけ曜一朗!
行かないで曜一朗!
ishi245 | 1 0 |2014/07/03|22:59 返信
いしさん!!
こちらにもコメントありがとうございます♪
羽ばたくその日をしっかりと焼き付けなくては!ですね。
Tomoko Iimori | 0 0 |2014/07/10|11:04
私はサッカーについて詳しくありません。でも、もう30年ほどサッカーを見てきました。とりたててセレッソのファンでもありませんでした。
ある日、ある番組で紹介されている柿谷選手を見て、今までどの選手にも感じたことのない躍動感となんとも言えない魅力に一瞬で虜になってしまいました。
あんなにワクワクさせてくれる選手は初めてでした。
今は一生懸命セレッソと曜一朗を応援しています。
W杯は残念な結果に終わりましたが、曜一朗はあんなもんじゃありません。
怪我なく後悔なくやり切って、またセレッソに帰ってくるのを大阪で待ちます。
それまで8番はあけておいてもらわないと^_^
名無しさん | 0 0 |2014/07/03|19:17 返信
遅くなりましたがコメントありがとうございます!
彼は日本人でも世界でもなかなかない一瞬を持っていると思います。
こえから世界でもまれて身体やメンタルなどを見につけた時。どのようになるか楽しみです!
いつかセレッソに帰ってくる日が楽しみですね。
Tomoko Iimori | 0 0 |2014/07/10|11:04