日本代表にかかる過剰な期待への不安
2014/06/13 22:33配信
カテゴリ:コラム
こんにちは。
いよいよワールドカップが開幕しましたね。
街のいたるところに選手の広告が見えますし、歩いている人の口から、「コートジボワール」や「ドログバ」といった普段は滅多に聞かない言葉を耳にする機会も増え、ワールドカップムードの高まりと日本代表への期待の大きさを感じます。
しかし私はその期待の大きさに少し恐怖を感じています。
確かに今回の日本代表は史上最強であり、その攻撃力は世界のトップレベルに迫るものがあります。
しかし守備には小さくない不安を抱えており、万全の状態で大会を迎える選手が複数いるのも不安要素です。
自国の代表チームに期待するのは当然であり、私も今回の代表にはかなり期待していますが、「グループリーグ突破は当たり前!」「優勝してくれるでしょう!」というような過度な期待がかかっているようで、私はそこに不安を感じています。
グループリーグ初戦で対戦するコートジボワールには、ヨーロッパのトップクラブでの実績がある選手が多数いますし、中でもヤヤ・トゥーレはイングランドプレミアリーグの中でも最高の選手と言われる選手です。
ギリシャの守備力は出場チームの中でもトップレベルにありますし、コロンビアの強さは言わずもがなです。
さらに、このグループリーグを突破できても、ベスト16では、南米王者ウルグアイやイタリア、イングランドという強豪が待ち受けています。
ここを突破するのは不可能ではありませんが、間違いなく簡単ではありません。
しかしこのことを理解せず、不用意にメディアが煽り、それを真に受けている人が多いように思います。
もし万が一、グループリーグで3連敗を喫し、この過度な期待が大きな失望に変わり、前回のワールドカップ以降の日本サッカーを取り巻くバブルのような雰囲気が一気に崩壊したら…
Jリーグではなく代表が軸となっている現在のサッカー人気の著しい低下は避けられず、大会後の代表戦やJリーグの観客動員にも影響を及ぼすでしょう。
このことはおそらく選手、特にJリーグでプレーしている選手は理解しているはずで、彼らには相当なプレッシャーがかかっていると思います。
日本代表は自国開催以外のワールドカップでグループリーグを突破した経験がまだ一度しかないチームです。
しかも前回は、自分たちが本来目指していたボールを長い時間保持して戦うスタイルを捨て、現実的な守備重視の戦いで結果を求め、掴んだベスト16でした。
そして今回のザックジャパンは自分たちが理想とする攻撃的なサッカーで世界に勝負を挑もうとしています。
おそらくあの攻撃的なスタイルでベスト16進出を果たせば、世界のサッカーファンから称賛を浴びるでしょう。
それくらい日本代表は大変な戦いに挑もうとしているのです。
本田や長友ら選手たちが本気で優勝を目指し、それを信じ、本気で応援するのは当然のことですが、過度に期待を勝手にして、もし良い成績を収められなかった時に過剰に失望したり、チームや選手を非難する人がなるべく出ないことを望みます。
史上最強の日本代表、まずはグループリーグ突破を目指して頑張ってください!!